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料理から学んだ、大切な考え方

私は暇さえあれば、ネットで料理の知識を学ぶことが多いんだけど、最近強く感じることがあった。

それは、
「料理って、実はめちゃくちゃ面倒くさくない…?」
ということ。

スーパーで買ってきた肉を冷凍するときは、肉に塩とお酢をかけて袋に分けて保存するとか。
肉を焼く前にフォークで刺して、肉が固くならないようにするとか。
鶏肉を焼くときは皮が反り返らないように、重石を乗せるとか。

知識を知れば知るほど、疲れ果てていた。面倒くさがりな私にはそこまで出来ないから…。

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そんな中、いつもお世話になっている料理研究家の方とお料理する機会があった。(私はその方のことを、なみさんと呼んでる)

なみさんは、20年程料理研究家として、日々数多くの料理を作っている。

その日はチキンステーキを作ったのだけれど、作り方が本当に簡単で、私は思わず声を上げてしまった。

彼女が作るチキンステーキは、
肉を焼く前に塩を振らないし、
皮目から焼くときに重石を乗せることもない。
面倒な工程を一切行わないのだ。

皮目から焼くときは蓋をして、じっと待つ。表面が白くなったら蓋を外して裏返して焼く。ただそれだけ。

彼女曰く、肉を焼く前に塩を振ると塩分量が増えて健康に良くないし、塩は肉を焼いた直後に振った方がしっかりと味を感じられて美味しいと。

そして、皮目から焼くときに重石を乗せるのは、きちんとお肉の観音開きができていない証拠。だからきちんと観音開きさえすれば、重石を乗せなくても蓋をすれば大丈夫だそう。

私は終始、目から鱗だった。今までネットで言われていた情報が全て覆されたから。

ただ、肝心なのは食べた時の味だ。出来上がったチキンステーキを一口食べてみた。

「え、すっごく美味しい…!こんなに鶏肉の皮目パリパリに焼けたことないです…!!」

こんなに簡単なのに、こんなに美味しく仕上がるのか…。私は食べた瞬間に、感動と同時にスッと肩の荷が下りた感覚になった。

今まで面倒に感じていた工程がなくても、シンプルな工程できちんと美味しく出来るのだ。

というか、むしろシンプルな方が美味しく仕上がる。複雑であればあるほど、慌てふためいて失敗したり、楽しい気持ちで料理が出来ないから。

しばらく経ってから、今まで私は、ネットの情報に踊らされていたんだなと強く感じた。

この工程をしないと料理上手じゃないとか、美味しく仕上がらないとか…。

「私は実際に作ってみて、それを言っているのか?」

いいや、違う。ただ、ネットに書いてある情報を正解にして、その通りに従っていただけだ。

そうではなくて、実際に自分が作って実験をして、「美味しい!」と思う感覚、それこそが正解なんじゃないか。

まさになみさんは、世の中の情報ではなく、自分の感覚、感性を大切にしている方だと思った。

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情報が溢れた現代で必要な考え方。

それは、インターネットに書いてある情報だけを正解だと思わず、自分の足や手で確かめること、

そして、日々自分の感性を磨き、信じることなんじゃないかと思う。

#日記  #エッセイ  #コラム  #料理


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