Xシリーズとシン・ゴジラ。

■アマゾンプライムでゴジラシリーズが全部見られるので、ゴジラを知らない人のためにどれを見たらいいか、しれっと伝えるシリーズの日本版のラスト。
便宜上Xシリーズと2019年5月現在の最新作、シン・ゴジラまで。
Xシリーズはゴジラの逆襲をリブートし続ける、修行のようなシリーズで、どれも連続性がないことが特徴。ゴジラシリーズに限らず東宝特撮映画はオリジナルの兵器が多数登場している。中でも航空機が常に角ばっているとか、ロボットの扱いがあまりうまいとは言えないこともネガティブな意味で特徴になっている。東映などのTVアニメで巨大ロボットが見栄え良く表現されれていて、比較対象になっているのが分が悪い。更に対象年齢がどんどん下がっていったことも物語に対して物足りなさを感じてしまう点でもある。
かといってぜんぜんダメかと言うとそうでもなく、怪獣プロレスを鑑賞する視点では昭和の対決シリーズよりも格闘はしているし、映像としても充実感はある。
おなじみの★がおすすめ。
US版もそのうちやります。

23)ゴジラ2000 ミレニアム(1999)
アメリカでゴジラ(トライスター版)が制作されたことを受けて作られたのが今作。ゴジラとはあのようなものではないといった割にはこのようなものだった。今作からゴジラのデザインが更に漫画的になり、格好は良いがリアリティからは遠ざかっている。怪獣映画に怪獣対決しか見いだせなかったのにそれ以外のそれ以上をプレゼンテーションするのは無理があるね。続くシリーズでも同じ人が違う役をやる問題が出てきます。
街を壊している。そこに主要人物のモノローグが重なり、ゴジラ自体の結末は描かれていない。
ゴジラに対抗する組織はCCI(危機管理情報局)と自衛隊

ゴジラシリーズを通してみたいなら見てもいいかもしれない。

24)ゴジラXメガギラス(2000)
タイトルの対決の表現が今作からXになり、識別の都合上Xシリーズとする。Xシリーズは毎回ゴジラ(1954)の続編をリブートするような内容になっている。故に前作ゴジラ2000だけでなく、1954年のゴジラ以外はなかったことになっている。首都が大阪になっていたり、原子力発電についてかなり強く取り上げている点が興味深い。その割にSF色も強く出ていて作品世界は意外と面白い。首都が変わってしまった設定だけは個人的に気に入っている。
ゴジラに対抗する組織は特別G対策本部Gグラスパー。
ディメンション・タイドで消滅後、復活。

ゴジラシリーズを通してみたいなら見よう。

25)ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001)
今回も1954年のゴジラの続編のリブート。平成ガメラシリーズの監督が監督している。そのせいか怪獣の位置づけが平成ガメラ同様に地球の守り神的なものになっている。
怪獣の演出や表現の仕方が生々しく、これまでのゴジラシリーズとは一線を画していて、これまで以上にそれぞれの怪獣の体格差などを明確にしている。
怪獣はすごく良いのに主演の演技がびっくりするほど棒読みで全体の価値をぐっと下げている。
ゴジラの心臓的なものが海底で大きく動く。
ゴジラに対抗する組織は防衛軍

それでもゴジラシリーズとしては出色。★

26)ゴジラ×メカゴジラ(2002)
三度目のメカゴジラ。今回も1954年のゴジラの続編のリブート。四作続けて第一作以降を無しにする企画を続けるのもなかなかのシュールな発想だと思った。
メカゴジラの活躍は今回が一番良く描けているのではないか。シン・ゴジラ以前にゴジラを使ってエヴァンゲリオン的なものを表現しているが、エヴァンゲリオン自体がウルトラマンのオマージュなので先祖返りとも言える。
自主的に海へ帰る。
ゴジラに対抗する組織は特生自衛隊

メカゴジラが好きなら見よう。

27)ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS(2003)
Xシリーズ唯一の連続作品で完全に前作を継承している。しかし主演は変更している。どういうことか物語や怪獣の演出、デザインなどが秀でているときは主演が棒読みなのはダメ方向へバランスを取ろうとしているのか。ラストはターミネーターシリーズに出てきそうな感じのシーンで〆る。
海へ自主的に帰る。
ゴジラに対抗する組織は特生自衛隊

ゴジラシリーズを通してみたいなら見よう。

28)ゴジラ FINAL WARS(2004)
二回目のゴジラの最終回。ゴジラ自体に変化はないが、お金をかけた怪獣総進撃かゴジラ対ガイガン。今の感覚で一般的に怪獣映画を想像するならこれではないかと思う。好きか嫌いかは別にして。怪獣格闘に特化しているからか格闘家が多数出演している。なのに格闘シーンは格闘家が参加していない。
海に自主的に帰る。
ゴジラに対抗する組織は地球防衛軍

怪獣プロレスを見たいならこれを見よう。★

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