村山章

映画の記事を書いています。

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最近の記事

知らないひとの人生がわっさわっさと降ってくる本。

2016年1月にブログに書いた投稿をちょっと修正して転載。6月30日でミランダ・ジュライ監督第二作『ザ・フューチャー』の国内の権利が切れるらしく、配信も30日まで。京都みなみ会館では6日間限定でスクリーン上映されています。こちらの投稿で紹介している「あなたを選んでくれるもの」は『ザ・フューチャー』誕生秘話にもなっているミランダ・ジュライの著作であり、とほうもない名作だと思っているので映画ともども改めてプッシュしたいです。 ++++++++++++++++++++++ 結構前

    • 追悼:ジミー・ウォングとの(黒い)思い出。

      ※放置していたnoteを試験的に再開してみようかと思っている。そのとっかかりとして、これまた放置気味のブログに4月5日に投稿したものを転載してみます。 ジミー・ウォングが亡くなった。おそらく出演作は4、5本しか観てなくて熱心なファンにはほど遠いのだが、『片腕ドラゴン』(71)がとにかく大好きで、あの腕が飛ぶシーンは何度観てもおおおと声が出るし、火鉢(だっけ?)に腕を突っ込んで鍛える意味不明なトレーニングシーンはテンションも音楽もサイコーすぎる。唐突な終劇も実に潔い。 続編

      • 『TENNET テネット』と『007』、そしてノーランとの避けられない断絶

        のっけから「断絶」とキツめの言葉を使ったが、正直、他愛のない話しかしないつもりだ。『TENNET テネット』を観て改めて、クリストファー・ノーランという映画作家と自分との歩調の合わなさが可笑しくなってきたので、その“溝”について書いてみたい(ネタバレあり、時間逆行のカラクリについては一切触れません)。 筆者はおそらくノーランのいい観客ではない。好きな作品もあればそれほどではない作品もあるが、大抵の場合、心のどこかで「だからなんやねん!」とも思ってしまうのだ。 毎度毎度、映

        • 7月14日20時、ウディ・アレン問題について公開ディカッションをします

          note初心者でまだわからないことだらけですが、先日書いた記事『ウディ・アレンの新作は葬られるべきか』を驚くほど大勢に読んでいただき、予想を超えた反響もいただきました。そこで文中でも少し触れましたが、ゲストをお招きして、この件について語り合うトークイベントを開催することにしました。 タイトルは「緊急ディスカッション!『ウディ・アレンは社会から抹殺されるべきか?~映画と時代とハラスメントとの付き合い方を考える~』です。 ※イベントとチケット販売の詳細はこちら。↓↓↓ 登壇

        知らないひとの人生がわっさわっさと降ってくる本。

        • 追悼:ジミー・ウォングとの(黒い)思い出。

        • 『TENNET テネット』と『007』、そしてノーランとの避けられない断絶

        • 7月14日20時、ウディ・アレン問題について公開ディカッションをします

          ウディ・アレンの新作は葬られるべきか

          ウディ・アレンの最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の日本公開が近づいてきた。ここ数年のアレンは、養女に対する幼児虐待疑惑が再燃したことで、ハリウッドから追放されたも同然の状況が続いている。映画ライター的にも何かしらの立ち位置を表明しないといけない段階になっている気がするので、もう迷いをそのまま書く。いや、迷った人間が書きながら考える。 ******* もう長いこと、ウディ・アレンとどう向き合うべきなのか考えあぐねている。ここ数日も、アレンがいまだに渦中にいる199

          ウディ・アレンの新作は葬られるべきか

          マイナンバーを出さないフリーランスは悪党か:確定申告で勘違いしていたこと

          毎年、確定申告を提出する度に役所で訊かれる「マイナンバーは?」をずっと知りませんで通してきたが、思わぬところに伏兵がいた。確定申告の勘違いと思いがけない懲罰的な措置について書いてみる。 慣例は不文律ではない、という落とし穴いよいよというか案の定というか、そろそろ家賃にも事欠きそうだし、特別定額給付金の書類も届かない。個人事業主なら最大100万円という持続化給付金を申請するためにも、滞っていた2019年分の確定申告を進めようと思ったら、大口の取引先から支払調書が手元にない。さ

          マイナンバーを出さないフリーランスは悪党か:確定申告で勘違いしていたこと

          悪の組織を見つけたぞと噴き上がるひとたち。トランプの「アンティファが悪い」発言は本当か?

          トランプが暴動の首謀者だと名指しした「アンティファ」から、二年前の珍事を思い出した。まずタイトルに「本当か?」と書いてみたが、本当もなにも真相を知りません。自分は一介の映画ライター兼一市民であって、「アンティファ」という言葉もドナルド・トランプが言い出したことで初めて知った。じゃあどうしてこのnoteを書こうとしているかというと、今後「アンティファ」が大々的に取り沙汰されることがあったら、それはおそらく「アンティファ」とは関係なく、われわれの社会がピンチであるサインだと思うか

          悪の組織を見つけたぞと噴き上がるひとたち。トランプの「アンティファが悪い」発言は本当か?