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プログラミング学習と質問の仕方について

むらやまです。大阪でプログラムを書いたり、プログラミングの講義をしたりしています。

4月になりました。そろそろ新入社員研修のシーズンです。本日はこれからプログラミングを本格的に勉強する方に向けた「質問の仕方」についてのお話です。短く書きます!

はじめての質問

変数に配列。if文の書き方にfor文の書き方。関数を学ぶと引数や戻り値の使い方。オブジェクト指向になるとクラスにメソッド、プロパティ。コンストラクタでインスタンスを生成して、それから継承、インタフェース、カプセル化。

本格的にプログラミングの学習を始めると、頭の中に知らない言葉がたくさんあふれて、あっという間にわからないことだらけになります。

演習問題を解いていても(やばい、わからないのは私だけ?)という焦る気持ちになるのが普通で、そんなときは近くにいる先輩や講師の方に質問することになります。

このとき、上手な質問の仕方とそうでない質問の仕方があります。

よくない質問の仕方

まずはよくない質問の仕方から。研修会場でプログラミング演習中の一コマです。

〜研修会場でプログラミング演習中〜

受講者:「先生、すみません」(挙手したりする)
講師:「どうされましたか」
受講者:(プログラムを眺めながら)「これなんですけど〜」

という質問のやりとりがよくあります。実はこの質問の仕方だと、質問に応える側にとってストレスがかかってしまいます。

なぜかというと質問に応える人は、質問者の頭の中にある「これなんですけど〜」の「これ」の部分が何を指すのかを、瞬時に理解しないといけないからです。

百歩譲って研修中は自由な質問で良いとしても、研修を終えて開発の現場にデビューした後、毎日コミュニケーションをとる先輩や同僚に対して、自分本位な質問の仕方で振る舞ってしまうのはよろしくありません。相手に対して余計な労力・ストレスを与えてしまうので、自分の気づかないうちに人間関係で苦労することなるかもしれません。

具体的な質問の前に「背景の共有」を

それではどう質問すれば良いかというと、次のような質問のやりとりが理想です。

〜研修会場でプログラミング演習中の一コマ〜

受講者:「先生、すみません」
講師:「どうされましたか」
受講者:「今、課題の3問目、配列の合計値を求めるプログラムに着手しています」
講師:「はい」
受講者:「プログラムを実行すると〜」


以前と違うのは「これなんですけど〜」と講師に対していきなり質問していない点です。

質問するときはまず「背景の共有」を意識します。

この場合だと「課題の何番の問題に取り組んでいる」とかです。実際には「課題の3問目」と言われても応える側はピンとこない、、こともあるので「配列の合計を求めるプログラム」とか演習課題の概要を共有してくれると質問に応えるのがとても楽になります。

質問することはとても大切

そんなわけで開発現場に出てからも質問するときは「相手の時間をもらう」という意識を持っておくことが大切です。

一方で、新社会人のようなこれから職場デビューする若い世代の方は「そもそも時間の意識に敏感な人も多い」と聞きます。質問すること自体を避けて(Google検索で済ませてしまおう)と考える人も多いのではないでしょうか。

たしかにGoogleやSNSは便利です。でも長年、研修の仕事をしていると「対話による質問」の持つ学習効果は凄まじいと私は感じています。

研修という時間はスキルアップのための特別な時間です。そのときにしかできない学び方、というものがあります。こんな時期ですので安全に配慮しつつ、学びの生産性を高める最善の方法を考えながら、プログラミングスキルの習得に取り組んでほしいと思っています。


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