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コロナ禍における【決算書の作り方】

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■もうすぐ


 今年も終わろうとしていますが、

 この年は

 本当に多くの方にとって
 大変な年だったのではないでしょうか。


 新型コロナウィルスの影響により、

 これまで当たり前に進んでいた
 いろいろなことの
 先行きが不透明となってきた中で、

 柔軟に対応できて、
 なんとか危機を乗り越えたケース、

 逆に、

 従来のビジネスモデルでは
 対応できなくなり、
 経営が窮地に追い込まれたケース…

 など、いろいろな変化が
 あったのではないかと思います。


 そうなると必然的に、

 決算書の内容についても

 どうしても
 良くない状況になってしまうもの。


 『良くない状況』

 というのは

 結果として

 『利益が出ない』

 という状況を
 ここでは指しているのですが、

 その利益の出ない
 という見え方にも、

 決算書によって
 顔色が変わってきます。


 会社が病気をしていて、

 『表情も体も
 心身共に疲れきっている』

 という決算書よりも、

 結果として

 『体調は悪いものの、
 表情は元気である』

 という決算書の方が

 金融機関の評価から見ると
 高評価となってくるわけです。


 
■上述したように、


 結果としての
 利益は変わらないにしても、

 【金融機関の評価上大切なポイント】

 というものは
 やはりあるもの。


 いろいろな論点や
 視点はあるのですが、

 今日はその中でも

 『損益計算書』

 のことについて
 見ていくことにいたします。

■損益計算書には


 ・売上総利益

 ・営業利益

 ・経常利益

 ・税引前当期純利益…

 ・当期純利益
 (税引後の最終利益)

 という種類があるのですが、


 まず大切なのは

 『営業利益』

 という利益で、


 ここは

 【本業で儲けているかどうか】

 ということが
 表されている項目になります。

 これがマイナスだとすると、

 本業そのもので
 儲かっていないため、

 どうしても

 金融機関の評価は
 厳しくなってしまうものですよね。

■その次に


 『経常利益』。

 経常利益は

 本業とは
 直接関係はないものの、

 事業を行うにあたって
 関係してくる

 収益や経費の集計結果が
 載ってくる場所です。

 こういった

 『本来の営業による利益』と、

 『事業に関係のある利益』

 をトータルしたものが

 【経常利益】

 に表されてくることになります。

■その


 経常利益の次に来る項目として

 『特別損益』

 というものがあります。

 その特別損益を差し引きした結果、
 税引前当期純利益となるわけです。 

 具体的に言えば、

 【固定資産を売却したことによる
 利益や損失】、

 【株式などを売却したことによる
 利益や損失】…

 このようなものが

 『突発的な損益』

 として考えられるものです。

■要は、


 金融機関が重視するのは

 【『営業利益』や『経常利益』
 という項目である】
 
 ということ。


 とするならば、

 最終的な利益は
 マイナスで変わらないにしても、

 『営業利益』や『経常利益』を
 どうにかしてプラスにもっていく

 というのが、

 決算書としては

 『良い表情に見える』

 ことに繋がってくるわけなんですね。

■当然、


 強引な処理をしていては
 問題なのですが、

 今回の
 新型コロナウィルスの影響により

 『突発的に起こった出来事に
 起因する損失』

 については

 上述した

 【特別損失】

 に持ってくることが
 得策ではないでしょうか。


 一般的には

 『経常利益や営業利益に
 関係するもの』

 として処理されるものであっても

 今回の

 『突発的な
 新型コロナウィルスによる影響』

 という事象を勘案すると、

 この『特別損失』に持ってくる
 ということも、

 選択肢として考えられる

 というわけなのです。

■私自身もここ最近の決算で、


 顧問のお客様の決算書を、

 このような処理をして、

 経常利益をプラスに
 もっていくことができました。

 これは

 全くもって
 無理な(非常識な)会計処理ではなく、

 現実に即した
 堅実な会計処理の結果である

 と思っているところです。

■このように、


 単に

 『一般的な会計のルールに従って
 処理をした決算書』と、

 『現実的な状況を 
 精一杯加味して作った決算書』

 とでは、

 全くもって意味合いが変わってきます。

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 その他にも、

 会計のルール上は
 当期の経費であっても、

 場合によっては

 それを『資産』として計上して
 一定期間にわたって
 経費として配分していく

 という性質のものもあります。


 こういった

 【経費を資産に振り替える】

 という処理も、

 決算書に表される数字としては

 見栄え良く見えてくるもの。


 単に

 『税金の計算をするため』
 の決算書ではなく、

 こういったことを
 総合勘案しながら、

 上手な決算書の作り方を
 検討されることを

 強くオススメいたします。


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《本日の微粒子企業の心構え》


・最終的な損益は同じであっても、
 その途中過程の【利益の見え方】により、
 金融機関の評価は
 大きく変わるものである。


・これからの時代、
 経営を考えていくにあたって、
 【外部からの資金調達】は
 やはり見越しておいた方が良いもの。

 そのためにも、
 金融機関との信頼関係を築くべく、

 【しっかりとした知識に基づいて、
 上手に決算書を作り上げていく必要がある】

 ということを心得ておくべし。


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

https://muratax.com/blog/

起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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