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読書感想文 社会学者がニューヨークの地下経済に潜入してみた

社会学者がニューヨークの地下経済に潜入してみた | 東洋経済STORE (toyokeizai.net)

最初の著作の「ヤバい社会学」
がベストセラーになった著者が
ニューヨークで出会う売人、売春婦、
それをまとめる女子大生ポン引き、
その売春婦に部屋を貸すポルノショップの店員、
ストリッパー、などと出会う。
タイトルには地下経済とあるが
荒っぽい世界ではなく
良い仕事に就けない市井の人同士が
お互いの利害が一致する部分で
協力し合う姿が描かれるが
それは非合法の仕事なので
暴力にさらされる事もあれば
警察の介入を恐れて状況が悪化することもある。
それを目の当たりにして
自分の無力を感じる著者自身の姿も描かれる。
買春する側の男性や女性に暴力を振るう男とも接するし
良家の子女が危うい橋を渡るのも
目の当たりにして自分はどうすればよいのか葛藤する。
経済的には何不自由ないはずの良家の子女が実際は赤字続きで
晒さなくてもいいはずの危ない事に身を晒して
金を手にしようとする理由として

お金を稼げば稼ぐほど自信を感じる。
金があれば親にやっと言い返せる。

という言葉に

自分だって変わらない。
自分がとらわれてるのは金ではなくデータだけど。

と思う著者。

同じ都市に住んでいて
同じ金というものを稼いでも
人によって意味も違うし
人生を掛ける物も違うのが
当たり前であることを思い知らされる。

冒頭の
ニューヨークの売人に初めて会って別れる
件からドラマチックだった。

自分の最近よく考えている
お金のよく分からなさを言い当てている本である気がする。

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