見出し画像

海外の大学院応募に必要な推薦状

生命科学系で米国の大学院に応募するときに重要な資料となる推薦状。多くの場合は3通必要で、サマープログラムへの応募にも2通必要なことが多いです。
 
欧米でFaculty positionに応募した研究者の記事などを参考にすると様子が分かると思いますが、特に米国では推薦状は非常に重要です。論文などの研究業績を持っていない分、大学院への応募などのキャリアの早い段階では推薦状がさらに重視されます。
 
そして大学生の研究留学、インターンシップは、まさにその推薦状を確保するための腕試し、運試しなのです。行きたい研究室を探してコンタクトを取り、実際に現地に行って研究に参加したりいろいろな人と出会ったり、それらの経験の中でいろいろなことを学び… というような実体験に基いたエピソードが「Statement of purpose」と「Reference letter」に反映されると、大学院に来る準備ができている人、ということが伝わる応募パッケージが出来上がります。
 
え?手紙で合否が判定されるの?主観的すぎて不公平だ!と、思われるかもしれませんが、世の中そういうものなのです。(そして私個人も、良い方法と思うのですが、日本で無理に大学院の選抜に導入するとうまくいかないのですよね。)

どんなレターが良いのかはいろいろな考えがあります。私の個人的な意見では、具体的なエピソードをもとに、推薦者本人の視点からの(非常に高い)評価や印象がストーリーとして熱意を込めて語られているレター、という感じでしょうか。要は説得力がある、心が動く推薦状というか…
 
推薦する側、される側、双方に「本物の経験」が無いとウソや作り話ではstrong letterは書けません。実際に会って、実験やその結果に対してどのように取り組んだか、それをどう生かしてきたかが伝われば、絶対取りたい学生、ということになります。
 
それから、内部からの推薦はやはり強力です。これは自分のラボに来そうな学生を優先する、というような理由でなくても、「うちの大学院プログラムの理念に合っている」と信頼できる人によって確認できているためです。そういう理由で、サマーワークやインターンシップは、進学したいプログラムがある研究機関で行うのが理想です。

日本では、同じような意味で大学院の入学者選抜で推薦状が重視される習慣が無いので、書くのも難しいかと思います。3通必要なうち、少なくとも1通、できれば2通は海外インターンのアドバイザー、あとは海外での研究経験のある日本の卒業研究の指導教員にお願いすると良いと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?