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【ざっくりシリーズ】村田ボーリング技研の技術



なんか「ざっくりでいいから知ってもらいたいなぁ」と思い
始めてみる「ざっくりシリーズ」。
この記事を読んで頂けたら、
ざっくり村田ボーリング技研の技術を理解できるはず。

ということで。
あいことばは「ざっくりでもいいじゃん」
Let's ざっくり!!


(1)金属の表面加工をやっています

①金属の表面加工にもいろいろある

村田ボーリング技研では、
簡単に言えば、「金属の表面加工」を行うモノづくりの会社。

実は金属の表面加工にも様々なものがありまして、
各々、少しずつ違いがあり、施す目的も違う。
主要なものをあげるとこんな感じ。

【金属の表面処理 主なもの】
①メッキ ②アルマイト ③溶射 ④塗装

溶射と同じぐらいアルマイトが謎

一般的によく聞くのは「メッキ」や「塗装」だと思いますが、
実は村田ボーリング技研のメイン事業でもある、
溶射(ようしゃ)」も金属表面加工の1種で
モノづくりの世界では重宝されている技術だったりします。


①なぜ溶射が重宝されるのか

でも、なぜメッキや塗装ではなく、
モノづくりの世界では「溶射」が重宝されるのか。
そこに溶射の秘密が隠されています。

そもそも。
村田ボーリング技研はBtoB企業で、
私たちのお客様はモノづくりをしている工場の皆さん

モノづくりをしている工場には必ず「機械」が動いています。
その機械も使い続ければ「不備」が出てくる。
※ここでいう「不備」とは機械を構成する部品の一部分が
 すり減ったりして、修復が必要な状態のことを指します。

そう、壊れて直したいのは一部分だけなんです。

溶射はその部品の一部分だけの修復、
つまり「ここだけを直せたら使い続けられるのに…」という
お客様のニーズに応えることができ、
さらに今までにない付加価値をつけてお返しができるのです。

ざっくり言えば、
「部品を買い直すよりも壊れた一部分だけ直す方が安く済むよね」
「あ、それ溶射でできますよ」
という流れです。

溶射ってすごいでしょ


③溶射は結局何を生み出しているのか

溶射が「機械の部品に施される」ことはご理解いただけたかと思いますが、
どんな機械の部品に施されるのか、気になりませんか?
というか、結局ムラタは何を生み出しているのか。

ずばり。

豊かな生活を支えている。
いや、豊かな生活を生み出している会社です。

溶射って皆さんが思っている以上に
さまざまな業界の工場の部品に使われているのをご存知でしょうか?

私たちの生活に関わっている業界ばかりなんですよね

これらの業界で使われているということは
これだけ必要とされている技術ということ。

ただ…
「ムラタが商品を生産している」というわけではないので、
「これを作ってます!!!」と言い切れないところが
もどかしいですが…。

例えばテレビの液晶屋の某有名プリンの蓋などの生産過程では
ムラタの技術が組み込まれた機械が動いています。

なので
私たちは「この豊かな生活を生み出している会社」と言っても
過言ではないと信じています。


(2)そもそも溶射ってなに?

①溶射とは

ご紹介が遅れました。
そもそも「溶射って何?」って感じですよね。

溶射とは…
材料を溶かしたり溶融に近い状態で吹き付けて成膜する技術」のこと。

こちらが溶射をしている様子

悲鳴が聞こえてきそう。

簡単に言えば、
溶かした金属等を吹き付けて、表面をカチカチにする技術」です。

居ましたよね、「カッチカチやぞ」っていう芸人さん。
あんな感じです。

溶射したい部品を回転させて、そこに溶射を吹き付ける

銃みたいな形をした「溶射ガン」をもって、
ビームを打つかの如く、溶射をしていきます。
これがまた、すごい勢いと重さなんだ。
それを人の手でやっているって凄いことですよね。


②溶射は奥が深い

溶射は
「溶かした金属等を吹き付けて、表面をカチカチにする技術」
ですが、
この技術は部品の再生修復だけではないんです。

吹き付けられる材料は幅広く、
金属(アルミ、銅、ステンレスなど)だけではなく、
溶かしたセラミックスも吹き付けられます!!!

ふむ、色んな材料でできるんだね

更にこの吹き付ける材料によって
耐摩耗性・絶縁性・電通性・耐食性・断熱・美観などなど
さまざまな価値が付与できます!!!!!

ふむふむ、金属にも特徴があるからね、それが価値としてつくのか、分かるよ

更に更に、
なんと基本的に何にでも溶射ができます!!!!!!!!

え、何にでも溶射ができるってどういうこと

まぁまぁ、
落ち着いてこちらをご覧くださいな。

これ、ムラタの工場でよく見る金属の塊。

機械部品ですね、もちろん、溶射できます

これ、百均で売っている老眼鏡。

プラスチックのレンズはさすがに溶けちゃったけど溶射はできますよ

これ、何でできてるか分からないけどネックレス。

こんなに大きさがバラバラな球体にも溶射の被膜はきれいにつく

金属部品だけではなく、
眼鏡やネックレス、なんと木や紙にも溶射ってできるんです!
隣りに座る上司が言ってました!!!!

摩訶不思議。

もちろん溶射は溶かした金属を吹き付けているのでかなり高温。
なので吹き付けた先のものが溶けてしまう可能性はありますが…
そこを工夫してやるのが職人たちの腕の見せ所であり、
研究開発なのです。

溶射の世界は本当に奥深くて、面白いなぁと思う瞬間。


(3)溶射って実は盛るだけじゃない

さて、
溶射そのものは「金属を盛ること」を指しますが、
村田ボーリング技研、実は「盛って終わり」ではありません。

「ハードフェイシング」といわれる溶射の分野では
そもそも溶射をするために前加工と後加工が必須。

ムラタでは
前加工のことを、切削加工(せっさくかこう)。
後加工のことを、研削加工(けんさくかこう)と呼びます。

①切る(≒切削加工)

「盛る」部分をまずは旋盤(せんばん)で綺麗な溝を金属をカットして作ります
面白ポイントは「金属が切れる」というところ

②盛る(≒溶射)

綺麗にカットされた部分に金属を盛る
盛りたくないところは耐熱テープにて保護しておきます

③削る(≒研削加工)

盛っただけではこんもり&ザラザラの状態
そこを削って、お客様から指定されたサイズに戻す


ちなみに日本には少なくとも70社(※弊社調べ)ほどの、
溶射屋さんが存在しています。

もちろん、すべての溶射屋さんが
「前加工、溶射、後加工」をできるわけではなく、
溶射だけを専門に行い、
前加工や後加工は別の会社にお願いする溶射屋さんもありますし、
ムラタのように全ての加工を自社で行う溶射屋さんもあります。

このすべての加工が自社で完結するのがムラタの強み。

ここらへんについては追々説明させてください。


(4)今日の一言感想

いやぁ、「事細かに説明して」も難しいですけど、
「ざっくり説明して」も難しいですね(笑)

ざっくりといいながらも
2700字以上を打つという。
果てして、ざっくりの概念とは。

まぁ、それも味として。
今後はざっくりシリーズをやりながら
「ミクロンシリーズ」がスタートするかも。

次回をお楽しみに。