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ロング・リブ・ロックンロール(アナログ盤)が偉大な4つの理由

全国様式美HR/HMファンのみなさん、こんにちは。

今日はRAINBOWのアルバム
「LONG LIVE ROCK N ROLL」
アナログ盤として、いかに優れた作品か考察してみます。

なお、CDではなくてアナログ盤(LPレコード)というところが今回の前提。

思い入れたっぷり(というか、それしかない)の考察なので、異論がある方も多数いらっしゃると思います。「ふーん、そんな意見もあるのか」と温かい目で見て頂けると幸いです。

では、いってみましょー。

ちなみに私がこのLPレコードを買ったのは高校時代の1980年代の中ごろ。リリースは1978年ですので、後追いでの購入でした。

ダブル(見開き)ジャケット

LPレコードってバージョンを変えて再プレスされることもあります。なので持っている全員が同じかどうか疑わしいのですが、私の買った盤(国内盤、ポリドール)は「見開きジャケット」でした。

開くとこのような写真が出迎えてくれます。

この画像、どこかのアリーナでの撮影だと思うのですが(NYのMSGあたり?)「ロングリブ~」の文字は「合成で入れた」という噂を聞きました。(まあ、そうでしょうね)

資料的価値は少ない画像ですが「よーし、これから聴くぞ!」という期待感を煽ってくれるデザインになっていると思います。

ジャケットの紙質

これも盤によって違いがあるかもしれません。見たことはありませんが廉価版などはどうなんでしょうね。

一般的にLPのジャケットの紙質はコート系(塗工紙)が多いと思われます。触った感じがツルツルしている紙、で伝わりますか?
理由としては、その方が写真を綺麗に見せられるから。平滑度や白色度を考慮したら、制作としてはそれが自然だと思います。

しかしこの作品の紙質は、ちょっと特殊。印刷なのか紙の色なのかわかりませんが、濃淡・風合いのあるクリーム地、質感はマット調のしっとりした手触り。デザインの「ペン?による線画」とマッチしています。

なんとなく高級感を感じません?

フォント

バンドロゴとアルバム名に使われているこのフォント。様式美系HR/HMで多用されていますが、中世ヨーロッパを連想させてくれます。

よく見るとロゴとタイトルでフォントを変えている!

なんというフォントなんだろう?と調べてみたのですが、残念ながら同じものは見つけられず。中世ゴシック・トラディショナルあたりが近いと思うのですが、派生形も多く特定には至りませんでした。

コージーのバスドラにもこのフォントが使われてましたね

裏ジャケットの曲名もこのフォントが使われ、デザインとして統一感がありました。

楽曲について

いよいよ楽曲について触れます。収録曲はこちら。

【A面】
1.Long Live Rock N Roll
2.Lady Of The Lake
3.L.A. Connection
4.Gates Of Babylon

【B面】
1.Kill The King
2.The Shed
3.Sensiteive To Light
4.Rainbow Eyes

このアルバム、アメリカでの成功を目指したと言われる一枚。

シンプルなリズム主体のA1"Long~"やB2"The Shed"、キャッチーなメロディを持つB3"Sensitieve~"、曲名にアメリカの都市名を入れたA3"L.A.~"あたりに、その意志がみてとれます。

しかし強力な様式美が…

一方で、ライブの定番となったA1"Long~"、様式美の権化ともいえるA4"Gates Of~"、攻撃性も高く高速ギター炸裂のB1"Kill The~"、欧州的な泣きのバラードB4”Rainbow Eyes”

むしろこの4曲の印象が強く、結果としてアメリカ狙いの作品に「なり切れなかった」印象です。

この4曲、強く印象に残ると思いませんか?
もちろんそれぞれ優れた楽曲であることは確かなのですが、それをさらにプラスする仕掛けがあるのです。

この4曲の印象が強い理由

この4曲、位置を見てもらえればわかりますが、それぞれレコードの最初と終わりに位置しています。

アナログレコードに針を落とし「よし聴くぞ」という積極的な心理が働くA1とB1。
一方、曲が終わった後の静寂が余韻を引き立ててくれるA4とB4。

これがアナログレコードの良い部分なんですよ。個人差はありますが、人間の集中する時間って短ければ短いほど強く作用するはず。集中力が無くなる前に「物理的にレコード盤をひっくり返す」という強制的なアクションが発生。その結果、気分がリセット・リフレッシュされる。そう考えています。

CD、たしかに扱いやすいですし、スキップできて便利です。なにより収録時間がレコードよりも圧倒的に長い。でも収録できる時間の限界まで音を詰め込まれても、途中から飽きてきてしまう…そう感じたことってありません?

これがベスト盤やライブ盤ならば、話はまた変わってくるのですが。(この部分は語ると長くなるので改めます)

コージーの言葉でまとめます

アルバム制作時のインタビューでも、ドラムのコージー・パウエルがこう発言していたと記憶してます。

「次のアルバムはツェッペリンの4みたいな作品になるよ。レコード各面の最初と最後が強力なやつにね」

※ちなみにそのZEP4の4曲は「ブラック・ドック」「天国への階段」「ミスティ・マウンテン・ホップ」「レヴィー・ブレイク」

正しい語句までは記憶していませんが、こんな内容だったと思います。実際そのような仕上がりになり、前作「RISING」に続き、歴史的名盤の一枚になりました。

年末の慌ただしい時期ですが、久しぶりにこの名盤を聴いてみません?

"Lady Of The Lake"、久しぶりに聴いたのですが、これもいいなぁ…



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