【ショートショート】閉店少年

むかしむかし、あるところに「閉店少年」と呼ばれる男の子がいました。

閉店少年は商いをやっていましたが、毎日「閉店するぞぉ！閉店セールだぞぉ！」と叫んでは村の人たちに商品を売っていました。

あるとき、閉店少年の店は経済の荒波に揉まれて本当に閉店することになりました。

「閉店するぞぉ！閉店セールだぞぉ！」

少年は声を張り上げて客を呼び込みますが、みんな嘘だと思って誰も信じてくれません。

「今回は本当に本当に閉店セールだぞぉ！」

しかし誰にも見向きもされず、少年の店は何ひとつ売れることがないまま閉店を迎えました。

「なるほど、これが古代令和から伝わる童話ですか」

「おもしろい。今でいう『オオカミ少年』の様な物語ですね」

✒あとがき

読んでくださってありがとうございました！

毎日閉店セールをやってる店が閉店してました。