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私花集「花火」まとめました

noteユーザー様の古今の名作を集めたアンソロジー「眠れぬ夜の奇妙な話・花火」がまとまりました。今回も素晴らしい作品が並びました。

目次
0 GIFアニメ
SUMMER BOOK(y.)

1 音楽
ヒグラシの声が街を 壁のように囲んでいた だけどやがて本物の 真夏の夜の火花空に咲いて (はりおん)

2 写真
ルートン エレクトリカルパレード(こうじろう)

3 詩
終業時間譚(夜中の)

4 小説
花火を確かめに行く、の話(牡鹿戸)

5 掌編小説
夏 青空 そして花火(くにん)

6 マンガ
夢の続き パイロット版(うめじそ)

7 短編小説
花火(村崎懐炉)

8 小説
きっと色々な奴に愛される。(ウネリテンパ)

9 戯曲
暗い月(リグ リサカ)

10 写真
Hanabi (MimimI)

11 小説
女友だちへ捧ぐひみつの恋文(ふわり)

12 音楽
花火(わたむし)

「花火」眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー|murasaki_kairo|note(ノート)https://note.mu/murasaki_kairo/m/mf1da1a434f81

この度のテーマは花火です。
様々な種類の花火をお楽しみ下さい。
0「SUMMER BOOK」y.さんのGIFアニメ。GIFのループって良いですよね。時間を忘れます。この度のGIFは本をめくる女の人です。黒い背景に木炭調のイラストタッチが最高にクールです。本をめくって何が起こるかは見てのお楽しみです。当に表紙にぴったりの作品です。素敵な作品をありがとうございます。

1「ヒグラシの声が…」。前回のアンソロジーにもご協力をお願いしたはりおんさんです。前回も素晴らしかったですが、今回も素晴らしい。チャーリーとチョコレート工場に出てくる「ウンパルンパ」をサビに据えて軽快な曲になっています。皆さんはチャーリーとチョコレート工場観ましたか?あのチョコレート美味しそうですよね。子どもが次々酷い目に遭いますが、原作者は余程子どもが嫌いだったんでしょうか。

2「ルートンエレクトリカルパレード」こうじろうさんの写真です。こうじろうさんは海外の素敵な風景を沢山写真に上げておられます。
パレードの中に「花火を持った怪しげな男」が登場します。こういう花火の使い方ってお洒落ですよね。まるでサーカスを見ているかのような格好良いパレードです。

3「終業時間譚」夜中の、さんの詩です。こんなに楽しい詩は久々に読みました。センスが飛び抜けています。
エロティックでアクションでファンタジー。諸要素がよくこれだけの短文にまとまったものです。無用な言葉が一つもない、それでいて窮屈さを感じさせず寧ろおおらか。ギリシア神話のようにエッセンスが完成されています。

4「花火を確かめに行く、の話」牡鹿戸さんの小説です。こういう話を書く人って余程凝り性なんだと思うんですよね。これでもか、という位に趣向を凝らしてくる。そういうエンターテイメント性って素晴らしいです。牡鹿戸さんはコントの台本も沢山書いておられますが、迚もしっかり作り込まれてました。楽しいですよ。

5「夏 青空 そして花火」ネムキ同人会(?)同志のくにんさんの作品です。(いつも作品のご提供ありがとうございます。)くにんさんは毎度、小説の題材をかなりディープな所から引っ張って来られます。今回も大戦末期に花火職人が陶器式手榴弾を作る、という設定をベースにします。陶器式手榴弾は実際に実用された兵器とのことです。私も陶器式手榴弾の破壊力についてネットで検索しましたが、諸説あるようですね。凄い設定です。

6「夢の続き パイロット版」うめじそさんの漫画です。登場人物は漫画的なのに背景は写真のようにリアルです。そのギャップが幻想的です。
花火は関係なさそうな作品ですが、あんまりにも面白いのでついマガジンに登録してしまいました。
真ん中に浮いているクトゥルフ的なものが花火っぽいかもしれません。
夢だってニューロンが発火してるんだから花火みたいなものです。(こじつけです)
とても面白いので是非読んでみて下さい!

7「花火」拙作です。長いので読み飛ばしてくれて構いません。私の構成が下手なので何故これが花火というタイトルなのか伝わりにくいのですが、「花火が上がりそうで上がらなくてやきもきする」ラストシーンが書きたかったんです。

8「きっと色々な奴に愛される。」ネムキ同人会(?)同志のウネリテンパさんの作品。(いつも作品のご提供ありがとうございます。)機知に富んだ言い回しがスタイリッシュです。ウネリ作品の中核にある「サッドカフェ」のスピンオフ。
ウネリさん本人が気付いたら自分の小説の舞台であるサッドカフェのバーテンになっていた、という話。「作者」と「作者の分身」がカウンターを挟んで差し向かう構図は良い緊張感が出ています。格好良いです。

9「暗い月」リグリサカさんの作品。シナリオです。noteの記事にシナリオはあるようでなくて、やっぱりある。あるけれど珍しいですね。シナリオを読みながら情景が目に浮かびます。舞台は大正。というのもまた、良いですね。風情があります。導入が上手です。自然と世界に入り込める。そして最後のシーン、好きですねえ。シナリオですが読後は、ああ、良い映画観たなあ、と満足できる作品です。

10「Hanabi」MimimIさんの写真。
打ち上げ花火も良いですが、手花火をゆるりと堪能することも楽しいですね。あっという間に終わってしまって物足りない手花火も写真になればじっくり堪能できます。スイーツのような美味しい花火をご賞味ください。

11「女友だちに捧ぐひみつの恋文」ふわりさん。世界の中の異物として「私」は存在する訳ですが、パズルのピースがハマったかのように「私」の居場所が完成する時期があります。
それを青春と呼ぶのでしょう。青春は良い、良いです。

12「花火」わたむしさん。花火が打ち上がった後はしんみりと余韻に浸って。わたむしさんの弾き語りです。アコースティックの音色が胸に染みます。曲を作る素案ということですが、既に完成度が高いです。追憶の花火を思い浮かべながらおやすみなさい。良い夢を。

以上十三篇の花火です。
きっとお気に召す花火が見つかりますよ!

「花火」眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー|murasaki_kairo|note(ノート)https://note.mu/murasaki_kairo/m/mf1da1a434f81