コップの汗
早く車に戻ろうって
蒸し返すアスファルトを蹴って
ひーとかふーとか言って
この曲誰の?なんて
スピーカーを指差す
こんなときはもう最後かもしれないって
ふと心配になって
脈絡もないお礼を繰り返して
笑って照れ合って
コップの背中をなぞる
さっきまで外明るかったのに!
あっという間だねって
時計を横目にサラダを摘まんで
さっきのざわつきなんて忘れて
ケラケラはしゃぐ
気づいたら
冷えたジュースは温くなっていて
コップの汗が水たまりを作ってる
あした帰らなきゃいけないんだって
ふと感傷的になって
水たまりをティッシュで拭う
つぎは、つぎは、
まだ夜も越していないのに
急かしてしまって
うっとおしくてごめんねと
心の中で謝ってる
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