ザッキ

エンタメ作るとき考えること(ジェンダー)

こにゃちわ。漫画家の村岡です。今日は雑記オブ雑記。

某CMが「女性問題を提起しているけど具体的な解決策を提示せずになんとなーく男性の機嫌をとって終わっている」として話題になっていますね。

私はエンタメを作る人なので、積極的に炎上話題に言及していきたいタイプではないのですが…。ジェンダーの問題はエンタメの中の舞台の描き方や世界観に直結するので、考えたくなくてもどーーーーしても考えてしまいます。いつもいつも考えます。

だってですね、具体的に言うと、男性読者の多い媒体で(とくに少年が多い場所)「年収が高い女性主人公のはなし」とか描くと、めっちゃウケないらしい。

じゃあ女性読者の多い媒体で「年収が高い女性主人公のはなし」を描くと受けるのか。これがまたべつにウケない。なぜ。

そいでな、さらに「勘弁してよ><」状態なんですけど。最近は「どういう漫画が好まれるのか、PV、ページの滞留時間を集計すればわかる」=男尊女卑な設定のほうがうけているのが、PVで如実にわかってしまうそうです。つまり男性も女性も、みんな”地位が低くて年収も低いヒロインが、翻弄されたあげく、誰かから解決策がもたらされて幸せになる話”が心地よく、安心して読めるエンタメと思って見ているということだそうです。なぜ。

大衆娯楽を作るクリエイターは、大衆が好むものを作るのが仕事です。で、自覚のあるなしにかかわらずすこーし男尊女卑な世界観を再生産して次の世代に渡してしまいます。業が深いと思います。でも、誰も求めていないものは作れません。誰も支持してくれない・理解してくれない状態でいきなりスタートレック(言わずとしれたアメリカの超有名SF)みたいな「誰もが平等な連邦の艦隊」は作れない。。。

はあ。重たい話だからこのへんにしとこうかな~小分けにして考えようかな~

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ちなみに近著(2018年12月発売)では「主人公が上司からデスクをひきついで責任者になる」という表現をやりましたが、どうしても最初の座組みから「男性上司(K様)あっての主人公」の設定からは脱却できなかったな~って思います。舞台が平成30年なので、ありそうもない設定はできないのです。

その代り「主人公と男性部下(小鳥遊)」が対になるように作ってあります。

平成も終わるし、本音を言えば女性キャラはもっと出世させたい。できれば女社長ぐらいの設定がかるく大衆に共感されるようになってほしいなと思います。

とりあえず今日はここまで。ばいちゃノシ

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