読書メモ(武器としての交渉思考)

■作者及び概要

・京大の教授(元マッキンゼー)が学生向けに書いた本。世の中を大きく動かして行くのには交渉力が必要であり
その具体的なスキルを説いた本

■良かったインプットのメモ
・交渉は相手の主張をたくさん聞いた方が勝ち(オレンジの例)であり
パイを奪い合うのではなく前提を見直したりパイを大きくすることが交渉(自転車の例)特に交渉は利害の調整がポイント(100万円の例)である。
 
・相手のバトナ(相手の選択肢に合意する以外で一番良い選択肢)を意識してたくさんヒアリング、提案することが大切。同様に相手に自分のバトナがどう認識されているかも大切
 

・コモディティとはバトナがない状態で価格以外で戦えない。互いのバトナが決まると自動的にゾーパ(交渉できる範囲)も決まる。ゾーパのない交渉は無駄(竹島の例)
 

・アンカリング(最初の提示条件で交渉をコントロールすること)は交渉の基本(ルーズベルトの宣材写真の例)であり、①高い目標 ②実現可能 ③説明可能 が重要である。一方譲歩する時には ①無条件の譲歩は絶対しない ②相手にとっては価値が高いが自分にとって価値が低いものを譲歩の対象にする(ディーラーの付属品の話)を意識する必要がある。

・譲歩において重要なことは①沈黙に耐える ②相手が情報を出してこないときはそれ自体を利用する(新生銀行の例)

★非合理的な交渉相手の場合
 ・タイプ1;「価値理解と共感」重視
 ・特徴:自分の価値観にあった提案か否かが意思決定ポイント。職人気質
 ・解決策:相手の価値観を変えようとせず価値観にあった提案をする。(アンデスの職人の例)共通の敵を設定し共犯関係になる
 

 ・タイプ2;「ラポール」重視
 ・特徴:共通の基盤があるかが意思決定ポイント。
 ・解決策:相手に好意を伝える、スモールギフトを贈る、相手との共通項を見つける、相手と同じ話し方や振る舞いをする、共同作業を行う
 

 ・タイプ3:「自律的決定」重視
 ・特徴:自分で決めてる感が意思決定ポイント。
 ・解決策:リテラシーの高い人にはデメリットも含めて情報提供し交渉、リテラシーの低い人にはメリットのみ訴求(過去に意思決定で失敗経験がある)

・タイプ4:「重要感」重視 
・特徴:自分を大切に扱っているかが意思決定ポイント。
・解決策:相手の好みを把握するなど丁寧に誠意を持って接する。反応速度を早める

・タイプ5:「ランク主義者」
・特徴:肩書きや役職で判断。重役の人に多い。例外的に世の中的に重要と思われるとランクが関係なくなる特性もある
・解決策:高いランクの人をメンバーに引き入れる。壮大なビジョンを語る

・タイプ6;「動物的な反応」
・特徴:お腹が減ってるやストレスが溜まっているなど不安定な状態で意思・決定が正常にできない状態
・解決策:生理現象に配慮しながらうまくスルーする(時間や場所を改める)

■その他メモ
・教育はラテン語のエヂュカーレ(引き出す)が語源
・古代ローマでは「パクト・スント・セルヴァンダ」(合意は拘束する)という契約があった(キリスト教での結婚も一種これ)
・FBやDeNAなど大きくなるベンチャーにはそれを支援する大物がいて彼らを巻き込めるかどうかは非常に重要(ホリエモンと三木谷さんの例)
・ルールがあることでルール内の自由が生まれ結果的に自由が得られる
・ゲイが多い州ではイノベーションが起きやすい傾向がある


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