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デンマーク最古の照明メーカー『LYFA』

“古くて新しい”デザインでインテリアの可能性を広げる。
復刻した名作と未来の名作。


歴史
『一度、姿を消したLYFA。』


LYFA(リーファ)は1903年に
デンマークの首都コペンハーゲンで創業した
照明メーカーです。

1950年代には
国際的にも注目を浴びるほどの
大きなメーカーとして急成長。

しかし、1998年。
企業買収の荒波によって買収され
ブランドの幕を閉じました。


それから22年後、2020年。
ある1人のデザインディレクターによって
新生-LYFAは復刻。

その後、LYFAは
デザインはそのままにして

現代の暮らしに合うように色や素材を再検討して
復刻前に創り出していた
照明のデザインを再現して生産している。


LYFAを復刻させたデザインプロデューサー
『ラスムス・マークホルト』


LYFAを復刻させ、
新生LYFAの創業者となったのは
デザインプロデューサーの「ラスムス・マークホルト」


ラスムス氏は
老舗の照明ブランド(ルイスポールセン)で
ディレクターを務め、

新しく照明ブランド(ライトイヤーズ)の
立ち上げに携わっていた方で

新生のデザイナーの才能をいち早く見出し、
デンマークデザイン界を牽引する照明業界のエキスパートです。


LYFAを復刻する際の苦労話


ラスムス氏が
LYFAを復刻させるために
最も苦労したのが

オリジナルを手掛けたデザイナーへの交渉

だったそうです。


デンマークではブランドが終了すると
そのデザインの権限はデザイナー本人のものになります。

なので、ラスムス氏は

「デザイナー本人や
 その権限を引き継ぐ財団へ一人一人交渉を行いました」

と口にしています。


そうした地道な交渉を経て
現在までにまでに11コレクションが復刻。

その中でも代表的なプロダクトを
いくつか紹介しましょう。


プロダクト紹介


過去の復刻プロダクト
『サンダウナー』


これはシドニーのオペラハウスを手がけた
建築家ヨーン・ウッツォンによって
デザインされた照明器具。

これを90度回転させて
半分だけ見ると…

オペラハウスと
同じような形になるのが
特徴的なプロダクト。


現代デザイナーの新作の第一弾
『リポーズ』


これは※デザインデュオ「ガムフラテージ」
によってデザインされたプロダクト。

(※デザインデュオ:1つのブランドを担当する2人組のデザイナー)

このプロダクトが面白いのは
インスピレーションの源が「日本の簪(かんざし)」
ということ。

シェードを貫通する真鍮と
ペンダントライトのケーブルが
まさに“簪”を表現している。

3層のオパールガラスによって
明るくもなく暗くもならない
柔らかな光を放つランプに。


そして、今回の照明“リポーズ”は

「スケール感を大切にするために
 3種類の大きさに合わせて形のバランスも変えた」

とラスムス氏。


ブランドとして一貫している思い

「その場その場にふさわしい光の質から照明を考える」


この思いは創業当初から一貫している思い。

最後に紹介した照明「リポーズ」も
その空間で最もふさわしい光の質に合わせるために
それぞれの大きさに合わせて形のバランスも変えている。


創業当初から変わらない部分と
現代にマッチするために変えてきた部分の
両方を楽しむことができる。

現代の空間に合うような色や素材を活用しつつも
オリジナルのデザインをそのまま使って復刻したブランド

それが『LYFA』


LYFAの照明器具は
ただの明かりを灯す道具でもなければ
おしゃれな商品、プロダクトでもなく

芸術的な“作品”と言った方が
ぴったりくる気がする。


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