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冬になると思い出す

僕にもかつて付き合った経験がある。
その中で冬になると特に強烈に思い出す恋がある。

彼女は僕より年下でどちらかというと真面目な子だった。
だからなのか、その真面目さが多分他人に合わず、高校中退してて
両親健在姉二人いる末っ子で、親の愛情で満たされ特にお母さんはやはり
この人がいるから彼女の性格になったという感じ。

彼女は早熟でキスの仕方も彼女が教えてくれた。
別にキスにそんなに理論はほしいとは思っていなかったが
なんか映画で覚えたようなキスの仕方で
その前に付き合っていた年上の彼女はそんなことなくただ「唇と唇を重ねる」だけのキスだった。

その彼女とはくっついたり離れたりを何度かしている。
スタッフも相談に乗ってくれていて、そのおかげだった。

タイトルのきっかけは僕へのプレゼントの話。

明確に覚えてはいないが、結構高そうな手袋だった。
いや見た目だけで本当はそんな高くないかもしれない。
もらったあと、確か3回目の恋愛で、彼女の中で僕が嫌になったのか、
別れた。

僕はもう次はないと思って、もらった手袋を捨ててしまった。

それから何週間かたって彼女の方から誤ってきた気がする。

その年の冬だと思う。
僕はずっとその先が怖かった。

そして多分2年目の冬。
僕が自転車に乗っているのに手袋をしていないことに気づいた彼女は
僕に「手袋は?」と聞かれた。

「ごめん。もう付き合わないと思って捨てちゃった」

なんてひどいんだろう。
僕の中で「もうない」。そう思っちゃいけなかった。

彼女は初めて二人で街に遊びに行ったとき、僕は誕生日かなんかで
「欲しいものある?」
彼女にした最初のプレゼントは某百貨店のディズニーストアで
プーさんの財布を買ってあげた。

彼女はずっと使ってくれてて、それを見るたびに
「裏切ってごめんなさい」
そう思いながらその半年後の夏に別れた。

2年。
たった2年だったし、振り回されたりしたけど
その2年はそれまでとは違って厳しかったけど、
それでも僕なんかと付き合ってくれたのは嬉しかった。

だから、冬になるとその手袋のことを思い出し、その元カノのことも同時に思い出す。

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