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市場価値から考えるポジショニング、を科学する【人事シリーズ⑤】

皆さん、こんにちは!けんたろと申します!
数学とファイナンスがとても得意で、今は人事部門に所属しているので、人事制度や働き方に関係しそうな論点をシリーズでnote化してみようとはじめてみました!

今回は「スキルの希少性」に関してです。
数多あるスキル・資質の中でどこに注力して研鑽していけばいいのか、
その一つの切り口は希少性だと思ってるよ、という内容ですw

山頂のカレーが高い理由

引用:https://yamatabitabi.com/wp-content/uploads/2020/04/IMG_2876-1200x675.jpg

有名な例え話なのでご存知の方も多いかもしれませんが、改めて
なんで山頂で提供されるカレーって高いんだと思いますか?

一度、想像してみてください。


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いかがでしたか?では解説編へ移ります

価格を裏付ける様々な根拠

例えば以下のようなケースを想定された方多いんじゃないでしょうか。

山頂カレーが高い理由を問われて想起する理由

一つ目は、原価・コストの観点。
山頂まで、材料となるにんじんもジャガイモもお肉を運ぶことや、ガスなどのパイプラインを準備するためにコストがかかるから、高く売らないと採算が採れないというのがこの観点ですね。

二つ目は、顧客にとっての価値の観点。
コンクリートジャングルの中で食べるカレーよりも、絶景を見下ろす澄んだ景色で食べるカレーはうんまいから、その体験価値分を価格に転嫁したいというのがこの観点です。

三つ目は、顧客のセグメントの観点。
山登り体験自体が非日常なので顧客の財布も緩みがちになるはず、とその顧客心情をくみ取って金額を釣り上げても買ってもらえるだろう、というのがこの観点。

さて色々書いてみましたが、どれもそれなりに納得できる内容ばかりだと思いますが、それぞれへ反論も並べれそうで決め手には若干欠けるのかも知れないですねw

本問題をマーケティング観点に立って答える際の”いわゆる模範解答”とされるものは上記3つではないようです。

模範回答は、
「代替手段がないから」
となるようです。


例えば、皆さんが山頂で、「カレー2000円?高っ。他の店探そう」とはならない(なれない)ですよね。
だって、他の店がそもそもないですし、食材調達すらままならない立地なので。
また、食べないという選択を取った時に次にいつ食事にありつけるのかもわからない状況なので、結果高かろうがお支払いするのが通常じゃないでしょうか。

つまり、山頂のカレーは
コストでもなく、提供価値でもなく、顧客層に依って高値になっているのでもなく、希少性・代替不可能性から高くなっている。
というお話でした

”労働市場での価値”を考える上での「代替不可能性」

この考え方って、僕たちの市場価値を決める上でも抑えるべき要点なんじゃないかと思っています。

つまり、僕たちの市場価値を決めるのは、
そのスキル(or資格)を得るために費やす時間やコストではなく
そのスキルによって生み出す価値でもなく
そのスキルを使いたい業界の利益構造などのビジネス環境でもなく

”代替不可能で、頼らざるを得ない(=希少性高い)”スキルかどうか
で決まるのではないか、という示唆と捉えられるんじゃないかと思っています。

文字にすると特段違和感ない考え方かもしれませんが、
採用をやっていると学生さんから以下のような質問を受けることもしばしばなんですよね。

「入社後、御社で活躍している社員が保有するスキルはなんですか?」と

スキル習得にはセンスの変数が一定あるとは言え、費やした時間に一定比例するとされているので、この新入社員が先輩社員と同じスキルを身に着けようとするならば、追いつくまで幾分かの時間を費やすこのになってしまうなーって思ってます。

っで、上記希少性のマーケティングロジックに照らし合わせるならむしろ「既存社員が持っていないけど業務上必要ななスキルってなんですか?」
と希少性領域を攻めるのが早期活躍する上で大事なんじゃないかなと。

みんなが持っているスキルを後追いするのではなく、
みんなが持って”いない”スキルや、みんなが持つことに”躊躇する”スキル獲得が市場価値UPのカギ
だと僕は心の底から信じております。

社内での希少性について

少し余談を挟みます。
僕が29歳の時、本社の経営企画に異動したんですが、周囲の皆さんの反応を見ていて”ファイナンス(財務)”って嫌煙されがちなんだなって思ったんですよね。
併せて経理部門出身の方とお話してても、管理会計上の簿記面は敵わないも、財務の話は(ほぼ)対等に議論できることも実感しました。(対等はないかw教えてもらうではなく、議論できるくらいのレベル差)

「あれ?大企業って結構、ファイナンスリテラシー低め?」と感じたのと、ほぼ同時期に上記マーケティングロジックを知る機会があったことをきっかけにファイナンスの勉強を始めたんですよね。

その後、新大阪にある某経営大学院にも通ってみましたが、やはり財務領域って口を揃えて「得意でないor嫌い」という声が多く、勉強するならここだ!とお勉強に勤しみました。

いま、人事に異動してきて2年ちょいが経ちます。
人事歴=キャリア人生の諸先輩には教えていただくことたくさんですが、数字面においては特に嫌いな方が多く感じます。
おかげで、諸先輩たちとは違う領域で貢献させて(もちろん組織としては同じ方向向きながら)もらっており、希少性の高さについて評価も重宝も頂いていると実感してます。
流行りのスキルを後追いするのではなく、嫌煙されがちのスキル追いかけてよかったなと想った最近の体験でした。

と余談挟みましたが、
せっかくの自己投資をするなら、”代替不可能”なスキルをきちんと考えるところから始めることに共感いただけた方が少しでもいればうれしい限りです。

最後に

チームでの生産性の重要さについて、ようやく日本企業内でも
重要視されだしてきており、チーム内のスキルポートフォリオも今後議論が加速していくと思っています。
そうすると、希少性高いスキルを持つ人材は社内外至るところで、奪いあいが盛んになり、処遇面などより優位になると思います。

「麦わらの一味」もルフィ・ゾロ・サンジの戦闘コミット勢だけでなく
ナミ・ウソップ・ブルックあたりがいるからあらゆる困難を乗り越えることができるバランスのよい一味になっていると思っています。
自信の市場価値UPのためだけでなく、チームとしての生産性を上げるためにも、スキルに多様性もった組織づくりのメリットもあるはずです。

更に、先輩社員と同じ領域で競うよりも、違う貢献領域を見つけて
色んなチャンスに出会える機会を増やしておくことで早期活躍のきっかけにもなると思ってます。

そして、男女、外国人、障がい者など目に見える多様性にフォーカスされがちですが
「スキル・性格特性・資質面の多様性こそが本質的には大事だ」とそう遠くない未来には議論されだすはず
なので、
そこに向けてこっそり投資しておきませんか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
皆さんのスキル獲得の一助にこのnoteがなっていれば幸せです


けんたろ
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