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教祖さまに学ぶ「半沢直樹」の流行の理由を科学する

皆さん、こんにちは!けんたろと申します!
数学とファイナンスがとても得意で、良く講義などさせていただくのですが、
今回は、2020年大ブームを巻き起こした「半沢直樹」を題材に、なぜここまで大きなムーブメントになっていったのか、分析していきたいと思います。

そして、本noteの参考図書が「完全教祖マニュアル」w
タイトルだけ見るとヤバい内容だと思いきや、内容はとても肉厚なので、その内容にも触れながらnoteにしていきますのでこうご期待です^^

「半沢直樹」のブームのおさらい

早速、半沢直樹のブームの状況について、おさらいのため、
視聴率の推移をみていきましょう^^

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これまでの池井戸潤氏の作品から、すでに1話目から一定の話題性はあったんですが、話を進めていくにつれて、右肩でドンドン上がっていく視聴率が見て取れます。

今回の半沢直樹では大きく2章立てになっており、第一章が「電脳スパイラル編」で敵対的M&Aをテーマに。第二章が「帝国航空の再建編」で債権放棄をテーマに構成されてます。全編はファイナンス/後編は人材マネジメントの話題が多かったなという印象です。

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Twitterも放送日に異常な盛り上がりを見せていました。
面白いのが放送がない曜日の投稿数ではないでしょうか。こちら右に行くにつれ底上げがされていることが見て取れますよね。
放送日の感想だけでなく、平日の話題性もまたこれだけの火付けにつながった背景なんだと思います。

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あとTwitter関連で面白かったのが「冨山和彦」氏の帝国航空の解説ではないでしょうか。帝国航空には実はモデルとなったケースがあり、それがJALの再建タスクフォースなんですよね。そしてそこのサブリーダーを務めたのが冨山さんなんです。

実際のJALの時は、こう考えた!とか色々お話が出てくるのでビジネスリテラシーの関心高い方は、スマホ握りながら半沢直樹を見てたんではないでしょうかw(僕もそうですw)


そして、半沢直樹ブームには、この「解説」が大きな役割を担っていたんではないかなと思うんです。

半沢直樹を解説するビジネスパーソンが乱立

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例えば、youtuberがその代表格でしょう。「#半沢直樹 #解説 」とyoutubeで検索すると、かなり多くの方のムービーが出てきます。
どれもかなりファイナンスなどに裏付けされた知識がちりばめられていて
作品中で語られない部分にフォーカスしながら、「なぜこの時に半沢は***な施策をしたのか…」「株価が上がればなぜTOBが失敗するのか...」等ホント肉厚なお話多くて、改めてyoutuber巡りしても面白かったですw

僕も1作note書いてましてw
1-4話の電脳編で、「なぜ電脳は敵対的M&Aを選んだ(選ばざるを得なかった)のか」という点書かせていただきました。
実事例をベースにファイナンスの学ぶのはとても理解度あがるので、M&Aなどわかんないけど関心ある方、よかったら以下もどうぞ♡w

特に1-4話ではファイナンスの話にあふれていたので、ファイナンス関連に強い方の発信が目立つイメージでしたし、
半沢直樹を通してファイナンスに触れることの楽しさを感じた方も何名かいるんじゃないかなって思うんです。


そして、この動きこそ、まさに半沢直樹の最高のマーケティング策になっているんだと思っています。
(つまり、僕自身も特にTBSから頼まれるわけでもお金をもらっているわけでもなく、勝手に半沢直樹の告知を行っていたんだとw)

マーケティング手段として注目されだしたUGC

では、こういうドラマの分析を第三者が発信することにどんな効果があるんでしょう。実は近年UGC(User Generated Contents)という考え方がマーケティング界隈で新たに盛り上がっていますので、その視点で少しお話記載していこうと思います。
(冒頭触れた「宗教から学ぶ~」はもうちょっと待ってくださいwww)

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UGCとは、一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツをさし、先ほどの事例のようにTBSと一切関係のない人が、youtube・noteなどで発信こそがその事例になります。

すでに、SNSを使ったマーケティングの重要性などは広く知られていると思いますし、UGCのメリットや効果、事例は上記記事に譲りますが、

今回の半沢直樹は、UGCを作りたくなる要素が散りばめられていた

これが大きいんだと思います。例えば、1-4話では、買収されそうになるスパイラル社がコペルニクス社とのM&A発表によって株価が上がって喜ぶシーンがありました。結果から直感的にドラマの内容を理解できそうですが、
「なぜあのシーンでみんなが喜んでたの?」と問われたときに正しく答えられる方ってそう多くないんではないかと思うんです。

そして、そこを説明したい!!!とうずうずして、ついつい発信を作っちゃうユーザーがたくさんいたんですよね。
まさしく、UGCマーケティングのうまい仕掛けが施されたドラマだったんだと思います。

ではなぜインテリ層の方はわざわざ解説したくなったのか、
実は「宗教の拡大モデル」に大変類似したポイントがあるんではないかなと思うんです。
今度は、半沢直樹を宗教モデルに例え、ファンを獲得していったプロセスを分析してみたいと思います!

ここでようやく表紙にでてきた図書に触れていきますw

完全教祖マニュアルに学ぶファン獲得

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ホントタイトル自身、くそふざけてるんですが内容はとても肉厚。
この本を紹介するyoutuber(サラためさんなど)もたくさんいるので、内容解説はそちらに譲りますw

個人的には下記noteがわかりやすかったのでお勧めです!w

https://note.com/nyankichi1130/n/naf2193080105

目次は以下になっていて、もくじだけ読んでもやっぱり怪しい内容にあふれてますよねwよくこの本読んでみようと思ったなって改めて思いますw

今回はこの第一部の内容を踏まえながら、流行≒宗教を作り出したモデルに触れていきます。

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教義を作ろう!

半沢直樹がなぜ流行ったのか?この問いに対し、本図書での学びから回答をするならば、
僕ならば「素晴らしい教義があったから」と答えるんじゃんないかなと思ういます。

教義とは、すなわち拡散したくなる教えです。
「半沢直樹、やばい!くっそ面白いor勉強になるor…」という感じでしょうか。第1章にはその教義の作り方について書かれております。
ここではその3STEPを見ていこうと思います。

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まずは、STEP1:神を生み出そうですw
神を生み出すために、何も洞窟の中で告示を受けたり、数年間山にこもったりする必要はありません。我々庶民が日常生活の中で、”うまくいかないコト”を見つけ、そこから救い出してくれるものを生み出せばいいんです。
そして半沢直樹でのそれは、まさに主人公半沢直樹の行動でしょうか。
彼は、ストラクチャー構造の強い銀行業の中、常務などの上位者層を理論/想いでぶつかりなぎ倒しまくっていきます。これこそ、我々が普段の生活の中で、うまくいかないことから解放してくれるロールモデル=神に感じる部分ではないでしょうか。

そしてSTEP2:反社会的な教えを作ろうです。
普段は「負け組」になる人を「勝ち組」に変える教えを作るんです。
我々は普段は「正しい」と思っていても上位者が「正しくない」というものは虐げられる社会で生きていることが多いのかもしれません。そこに切り込んでいくのが半沢直樹ですよね。自分の想い/ロジックさえ正しければ、最後は常務だろうが、官房長官だろうが土下座させてしまう。まさに反社会的な教えですよねw

最後にSTEP3:高度な哲学を備えようです。
STEP1・2で述べた教えに対して理論的な裏付けさえできれば、この教えは一人歩きし、勝手に広まる教義になるでしょう。
そして著書の中で、その理論は自分が作る必要はない、と書かれているんです。では、どうやって理論的な裏付けを行うのか。これに対して著書は、「インテリに作らせる」と説明するんです。

インテリに作らせる…さきほどのUGCについて、まさにこのフローが回っていませんか?w

そうなんです。
半沢直樹がなぜあそこまで流行ったのか。それは宗教が信者を獲得するのと同様に、ファンを獲得していったからなんです。

どのようにファンを獲得していったのか、それは
第三者に広めていきたくなる教義(教え)をインテリが作っていく(UGC)、という最新鋭の仕掛けが施すことなんです。


もう少し丁寧に解説しますw

半沢直樹の教義:神とインテリ

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半沢直樹のドラマはとても分かりやすいストーリーです。
それは①わかりやすい”敵”が登場する、②その敵が策略を講じる、③そして半沢直樹がその策略を打破し、敵を成敗していく、という流れですね。

そして、その流れの中で、普段我々が感じている負の側面をフォーカスし一種教義が出来上がっていくんです。
ロジックと想いで仕事をすることが重要である!!とw

そうするとその教義に哲学を備えた理論的な裏付けを与えれば拡散していくんですよね。
そして、僕らインテリ気取りはまんまと発信しちゃうんですよね。その裏付けを。

ある人は「なぜ電脳雑技集団は敵対的M&Aを選択したのか」
ある人は「半沢直樹が敵を打破する際に使った財務戦略。またその問題点」
ある人は「半沢直樹から学ぶ部下育成・人材マネジメント」…と

こうして、半沢直樹がビジネスパーソンで一種宗教的に取り上げられ
流行を作っていったんではないかと思うんです。


以上、今更半沢直樹のブームの解説になりますが、
「UGC/完全教祖マニュアル」についてとても興味をもつ内容になりませんか?

是非本noteの賛否についてもコメント欄でお知らせいただけますと嬉しいです。さらに本解説に対する皆さんの”解説”もいただければ幸いですw



ということで、半沢直樹を題材にしたnote Part2でしたw

参考図書の「完全教祖マニュアル」は死ぬほど勉強になるので、良かったら購入してみてください^^

#読書の秋2020 #完全教祖マニュアル

けんたろ

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