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組織屋として起業して丸1年が経ちました

久しぶりの投稿になります。
サラリーマンを卒業してちょうど1年になりました。

1年前の2023年8月1日、勤めていたコネクテッドロボティクスを辞め、副業として社員の籍のあったリンクアンドモチベーションも退職し、両社と業務委託として関係を結び直しました。

今はこの2社に加えて3社の組織人事領域の業務委託を受け、顧問・アドバイザーとして社長や経営陣のサポートを行うことをメイン業務にしています。
リンクアンドモチベーションの研修講師も一定やってますが、アドバイスや面談をすることが仕事の多くを占めるようになりました。

その時に自分が意識しているのは、『経営と現場(具体と抽象)』『過去・現在・未来』を自由に行き来することです。

様々な業種・業界に関わるということは自分の知らないことだらけであり、そこでの自分の上滑ったアドバイスには意味はありません。なので、相手の土俵の上でも相手が持ち得ていない視座に立ち、それを柔軟に素早く動かしながら、多角的に物事を捉えようとしています。その視座から相手にとって価値のあるお話をするようにしています。

今でも、人前でお話することがよくあります

じゃあ、価値のある話とは何か? それは私しか持っていない特別な情報ではなく、相手の中にある答えを引き出す『質の高い問い』だと思っています。『質の高い問い』とは以下の4点と自分なりに定義しています。

1.ブラインドの問い
 上記で述べた自由自在の視座から繰り出される、相手が見えていない問いのことです。
 人は必ず立場・役割・経験等に基づく、自分独自のバイアスを持って世の中を見ています。(それに気づいていない人が大半ですが…)
 そこを先回りして、相手が持ち得ていない視座から問いを投げかけます。そうすることで相手に気づきが生まれ、聞く耳を持ってくれる状態が創れます。

2.本質的な問い
 問いがシンプルであるほど、相手が考える余白が生まれるので、言葉を研ぎ澄ますことを意識しています。
 結果として、物事の本質に迫れると考えています。具体的には「成果って何ですか?」「目標はこの場合、何を指してますか?」等の一見当たり前っぽい問いです。
 議論の際、意外に参加者の前提が揃っていないことが多いので、この本質的な問いは場を整える意味でも効果があると感じています。

3.具体的な問い
 議論が佳境になってくると、普段コミュニケーションをとっている参加者の中で話の抽象度が高くなり、人によって解釈が割れてるのにそのまま進むことがよくあります。
 「なんとなくこの方向性で」を逃さず、あえて議論を止めて具体化したり、やるべきことを言語化して担当者・納期をガッチリ決めたりします。
 「この話って〇〇さんがご担当でよいですか?いつまでに完了されますか?」と聞き、議論終了時点でも再度確認することで、逃さない状況を創ります。

4.本音や感情を表出させる問い
 議論の冒頭や最後などで、発言者やキーマンに話を振って、あえて今の気持ちを聞く問いを投げかけます。
 本人も言語化することで気づきになり、かつ議論の参加者に「そう思ってたのね」「やっぱりそう思うよな」と人の気持ちを聞くことで気づきを生みます。
 議論を進めている私にとっても、どういう受け取り方をしたか?が把握できるので大変有効だと思います。

私の今の肩書は『人や組織の悩みを解決する専門家』としていますが、上記の話を受けてもう少し具体化すると、『組織人事領域の30年の経験に基づく、本質を解決するファシリテーター』という表現が近いかもしれませんね。
元々、カウンセリング・キャリアコンサルティング・コーチングといった領域のトレーニングや資格に基づいているので、基礎部分は固めてきました。
その上に、リンクアンドモチベーションでプロジェクト運営を15年以上従事してファシリテーション力を培ってきたので、自分なりのやり方が形づくられたと感じます。

今は、サラリーマン時代にやっていた人事やコンサルタントという仕事から緩やかにピボットしていますが、これまでの経験・スキルを活かしながら『質の高い問い』を投げるという、自分の好きなこと・得意なことにうまくシフトできたかなと感じています。

最近の言葉で言うならば『ジョブ・クラフティング』であり、会社という枠組みに囚われず、自由に仕事を創っている感じがしますね。(笑)

神々が住む地と呼ばれるパワースポット、高千穂にて

そんな私も2024年8月1日で丸1年を迎えました。
元々は独立して2年後に法人化しようと漠然と思っていましたが、1年前倒しで法人化することにしました。

社名は、『合同会社テキスタイル』としました。
テキスタイルには大きく5つの意味を込めています。
1.時間と言う縦糸と、空間と言う横糸で組織をつくる。さらに時間は過去と未来、空間は経営と現場に分解することができる。→糸(意図)を編み上げて組織を創る
2.トレンドそのものではなく、そのベースになるものをつくる →自分が前に出るよりも、他者への貢献を大事にする
3.素材・色・柄・織り方などの様々な技術の組み合わせで成り立っている →難しいことにチャレンジする
4.テキスト=言葉の力・表現、アイル=(接尾語)できる・に関する・に適した、を組み合わせる →言葉の技術を使う
5.その人らしさ・その会社らしさをつくる →ダジャレ的に(その人/会社の)『的スタイル』を引き出す

テキスタイル(布地)には様々な種類があります

2023年8月当初は「好きな人と好きなことをする」をテーマに細々と個人でやろうと思ってたのが、思ったよりも多くの皆さんからお声掛けいただき、事業として早めに軌道に乗ったのが法人化が早まった理由です。
今後積極的に事業を拡大していくつもりはないのですが、人のご縁を大切に、求められた時に応えられるように準備はしていたいと思います。

元々の自分自身のミッションである『自分の子供や孫の世代に、誇れる日本を創る』という考えは変わりません。

ただ今回の法人化を機に、法人としてのミッションも考えました。
『働く人が「今日もやりがいのある面白い仕事ができたな」と日々思える組織を増やしていく』
対象は、会社・組織の中で仕事をしている人としました。日本で働く8割以上が会社勤めであり、組織の軋轢に苦しんでいると想定しています。
その人たちが、日々やりがいや成長、面白味や貢献感を感じることでもっとヘルシーに働けて、社会が良くなっていくと思うからです。
さらに具体的に言うと、助けてくれる人がいなくて孤独を感じている経営者。変化せずぶら下がっている中高年社員。組織に押しつぶされようとしているマネジャー。頭を押さえつけられて伸び悩んでいる若手社員。こんな人たちの救いの手になれることをやっていきたいと思います。

人や組織は相対的なものであり、なかなか絶対的な答えがないので難しいものですが、モヤモヤとして捉えどころがないものに私が関わることでうまくキャッチし、組織内の人々を幸せな状態にしていくことはこの上ない喜びです。
法人化したことで、よりダイナミックに、より面白くて人の役に立つ、そんな仕事をやっていけたらと思います。また皆さんと何かでご一緒できることを楽しみにしております。

例年以上の酷暑ですが、健康で充実した日をお過ごしください。引き続きよろしくお願いいたします。

2024年盛夏 村上拓也拝


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