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【チューニング記/RCF】専門チューナーとの二人三脚

主旨


この"チューニング記"は私が愛車・LEXUS RC Fを、"走りの性能"をより追求して磨き上げていくことをテーマにした雑記です。

官能性の高いV8エンジンを心臓に持ち「こんなクルマでサーキットを走ったら絶対に気持ち良い!」と思わせるRCFですが、実際にサーキットで走らせてみると意外と「市販車」としての制約や、より広いユーザーを満足させるために"敢えて尖らせなかった部分"もあるようだと感じます。

そこでRCFが持つ世界観を大切にしつつ、量産状態を"原石"と捉えて"走りに寄せた研ぎ込み"をしたらどこまで"走りの性能"が引き出せるのか?という興味と野望を持ってRCFにチューニングを施します。

その様子を、「面白そう」と思って頂ける方に少し覗き見して頂くという趣旨のコンテンツです。

前回の記事で「チューニングをショップに委ねる場合、自分はどうすれば良いのか?」の持論を書きますと予告していたので、今日はそういう話を書きます。

チューナーとの歩き方


車をチューニングショップに出してチューニングをする場合、
「チューナー」との歩き方って、確実にあると思うんです。

分かりやすく言うと、「上手に二人三脚する方法」ですね。

これを知らないと、有名なショップに車を出してチューニングをしても車は大した仕上がりにはなりません。

今日はここに関して具体的な事例を差し込んだりしながら、車の完成度を上げていける「チューナーとの歩き方」を少しお話ししようと思います。

#"お勉強"みたいな畏まったものじゃなくて
#”ちょっとコーヒー飲みながら”くらいのテンションでお届けします


3つのポイント


「RC F」はまだまだ発展途上ですが、個人的には前車「マークX」の頃から(かれこれ8年半くらいの期間)チューニングショップとコミュニケーションしてカーライフを送っていますので「チューナーとの歩き方」というと、結構あれこれ思い浮かびます。

私自身も最初から知っていたわけではありませんが、その二人三脚のカーライフの中で理解したことの中から、今回は特に外せない3つに絞ってお届けします。

この3つです。

  • その車で何がしたいのかを正確に伝える

  • 乗って感じたことをマメにフィードバックする

  • ひとまず自己判断でのアレンジは禁止する

このサブタイトルだけで何が言いたいかが分かる人は今日の内容は読まなくても良いかもしれません。それくらい、「知っていれば当たり前」な話を書きます。

ただ、教えてくれる人が大勢いるわけでもなく、教本が市場に行き届いているような内容でもないですから「当たり前に知っている」になれるように読んでもらえたら有益だとおもいます。

では順番に噛み砕いていきますね。

その車で何がしたいのかを正確に伝える


そもそもチューニングを「大車林」で引くと、こう出てきます。

エンジンやサスペンション、車体などを改造あるいは部品を交換することによって性能の向上や使用目的および個人の好みに沿った改造 を施すこと。

大車林より

ここに出てくる「使用目的」の部分ですね。

例えば
「毎月のように頻繁にサーキットを走りたい」
「ほとんどが週末のドライブ。年に1回くらいはサーキットを走りたい」
この2つの使われ方って「全く違う」ため、チューニングの目指すところも互いに遠く離れたところにあります。

チューニングは「使用頻度が高いところ」をメインに考えて行っていくものです。

例えば年に1回しかサーキットを走らないのに、タイヤがガンガン偏摩耗するようなアライメントを取ったりしてしまったら満足度は落ちますよね?
逆に毎月のようにサーキットを走るというのに「一般道でタイヤが偏摩耗するから・・・」ということを考え始めるとそれは「毎月サーキットでモヤモヤする」ということになります。

自分の想定する使い方をきちんとチューナーに伝えるというのはチューナーとのお付き合いの第一歩です。


なお、ここでもし可能なら「今後の予算」も相談すると良いと思います。
「今回のお支払い予算」ではなくて「今後のランニングコスト」のほうです。

#車趣味はずっと出費が続きます
#そこの計算精度が甘いと良し悪し以前に金銭的に続きません
#まずは続けられることが大切


自分で考えるのが難しければ、自分の予算を伝えてチューナーさんから提案を頂くのもアリですね。


乗って感じたことをマメにフィードバックする


チューニングは「チューナーに車を弄ってもらって完了」ではなく、「弄ってもらうことで始まる」と考えると良いです。

どういうことかというと、チューニングとは「合わせ込んでいく作業」ですから、一発では合わないことが殆どなんです。

#そうなの?
#ほう

私は経験から、チューニングは大きく分けて2ステップあると考えています。

1ステップ目は"ストライクゾーン"を突くというステップ。
「まぁ、大体この辺かな」という無難なところをめがけて初手を打ちます。

初見のお客さん相手に100%のチューニングを施せるチューナーは居ません。なぜなら初対面では好みも腕も分からないですからね。

色々と分からないから、「まぁこの辺から行こうかな」というところからチューニングを始めるわけです。

#まずは及第点を取る


そしてその状態から「より良い状態を目掛けての研ぎ込み作業」をするのですが、そこで必要なのがドライバーからのフィードバックというわけです。

どこのサーキットをどんなコンディションで走って、"○○秒出た"とか、"○○コーナーでちょっと怖さがある"とか、"○○コーナーは良い感触"とか。
車載動画やインプレコメントを詳しく伝えていきます。

二人三脚でドライバーのクセや好み、そして車の実走結果を丁寧に探りながら、右へ行ってみたり左へ行ってみたりを繰り返していくんです。

もちろん最初はドライバーも素人ですから、インプレッション自体上手にできるものでもないと思います。例えば「アンダーステア」だと言っても経験の浅いドライバーだと相対的な尺度を持っていないですから、「弱アンダー」なのか「ドアンダー」なのかは分かりません。

それでもとにかく思ったままに伝える。
これしかありません。

背伸びせずに、知ったかぶらずにありのままに感じたことをフィードバックすれば、きちんと"フィルター"にかけて処理して頂けるものです。

「素人意見で確信はないですが、チューニングしていただいた結果をお伝えしたいので聴いていただけますか?」

なんて前置きすると良いかもしれませんね。

#「俺の言うこと多分滅茶苦茶やで」
#ということを等身大で伝える


逆に言うと、「後日のコミュニケーションをどれだけ丁寧に実施してもらえるか」は一緒に歩むチューナーを選ぶにあたって大きな要素であるとも言えます。

「"物"が良ければそれで良し」ではなくて「自分と愛車との"物語"を楽しく演出する」というチューナーに巡り合えれば、それはモノ(パーツ)以上に大きな価値(良い体験)を買えるチャンスだと私は思います。

#ここがチューニングの"プロセス的な面白さ"

ひとまず自己判断でのアレンジは禁止する


チューニングは専門技術であり、そしてバランス取りです。(前回投稿記事)

目的が「勉強のため」であれば、基本を押さえた上で自分の思うままに弄ってみることは経験値として良いことですが、車を仕上げていくことを目的とするならば自己判断でのアレンジはしないほうが良いです。


ついつい、「自分の頭でもう一考したら、もっと良くなる」ような気がします。しかしこれがそう簡単には当たらないんですよね。(苦笑)

もしそれで良くなると本気で思えるのなら、「チューナーと歩む」ということは辞めたほうが良いです。

#その場合はおそらく求めるものが違う


チューナーを「料理人」にたとえ、チューニングカーを「料理」とたとえると、「自分の判断でアレンジする」というのは出された料理の味付けを自分で変えるということなんですよね。

まして、チューニングカーという料理は何度も何度も味の調整を繰り返して仕上げていくものです。ドライバー判断で色んな調味料をどんどん注ぎ込まれてはもはや料理人としては「俺の料理じゃない」わけです。

そう思わせてしまったら、もうその車に対しては情熱は注がれないですし、味も狂ってますから素材としては微妙な状態です。どれだけ凄腕のチューナーでも良いチューニングカーにしていくことは難しいと思います。


・・・しかし、今のご時世、こんなことを正直に言っては"客が離れる"と思いますから、本当に"頑固一徹"みたいなチューナーでなければ言ってくれないかもしれません。こういうことは自分で想像し、察する必要があります。

#言わないと思わないは別
#察せるかどうか


逆に言えばここを大切にして、「余計なことをせずにただ信じてくれるお客さん」というのはチューナーとして(おそらく)意気に感じるものですし、誤魔化しが効きませんから"燃える"と思います。

専門家に任せるのであれば、「専門家に気持ち良く燃えてもらう」というのも大切なことです。

ちょっと意外な話でしたでしょうか?(笑)



今回はここまでです。
長文お付き合いいただきありがとうございました。
もし面白いと思って頂けるようでしたら、また次回も読みに来てください。

"RCFの"チューニング記のはずが、「チューニング」そのものにフォーカスする内容が続いているので次回はRCFをどのようにアップデートしたのかに話を戻そうと思います。


年が明けてから公私ともに多忙な日々が続き、投稿は少し停滞気味ですが
全く書かなくなることは無いと思いますから、気に入って頂けると嬉しいです。