防災市民憲章がこころに染みた
「はたちのつどい」に参加してきた。
自分が二十歳のときは、成人式には出なかった。
東京にいて、佐世保には帰らなかった。
当時交際していた彼女が、バイト先まで晴れ着を見せに来てくれた。
薄い紫色のきれいな着物をお召しになっているのに、
「ありがたいと思えよ〜」
とか雑な口のきき方をして、
うれしさとか恥ずかしさとかを表現していた。
バイト先のコック服を着て安全靴を履いてるわたしは、
確かに、成人式のセレモニーが終わってからの友人たちとのおしゃべりもそこそこに、
彼女の地元からはちょっと離れている飯田橋のバイト先までわざわざ来てくれて、
ありがたいな、と思って素直にお礼をいった記憶があるけど、
「ああ」とかしれっとして、ありがとういわなかったかもしれない。
今回の「はたちのつどい」は、荒れる成人式の様子はなく、
むしろ祝われる側が実行委員会となって会を運営し、
司会も自分たちで進行している様子が、
釜石高校の探究の時間の発表会のようで、微笑ましかった。
大学で工学を学んでいる参加代表の挨拶は、
「夢は宇宙開発に携わっていくこと」という、
釜石にはなさそうな大きな夢で頼もしく、
郷土芸能である「虎舞」を披露するグループは、
スーツと革靴で虎舞を踊るという、
釜石でもめずらしいスタイルで面白く、
期待していた以上に楽しめる内容だった。
閉会に近づいての、防災市民憲章の唱和。
釜石には「命を守る」というテーマの市民憲章がある。
ことあるごとに、みんなで大きな声で唱える。
この防災市民憲章が、改めてこころに染みた。
大事な心がけだ。
防災市民憲章の唱和は、いつもはセレモニー的だったけれども、
今回のこれは、正月の能登半島地震での惨劇を見て、
みんなそれぞれの思いを新たにしただろう、
「はたちのつどい」のクライマックスだったと思う。