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【ふ】だんの、【く】らしの、【し】あわせ

釜石駅に向かう途中のコンビニでコーヒーを買った。
(7-11じゃなくて青いコンビニなのがくやしい……)

いつもの通りボタン操作をしていて気がついた。
「濃いめ/ふつう/うすめ」
の選択肢が増えてる。

「ふつう」を選んだ。
とくに濃いめを飲みたい気分でもないし、
うすめのコーヒーになんの意味があるのかと思ってしまう。

で、「ふつう」がカップに淹れられるのを眺めながら、
昨日の「普通、ってなに?」を思い出した。

25分×3のセッション

昨日は釜石高校の1年生のフィールドワークを見学した。
いくつかのフィールドのうち、「保健福祉」を。
現場が歩いていけるところだったし、
興味はあっても知らないことだらけだし、
ヤングケアラーを調べているところでもあるし。

「保健福祉」のフィールドワークは、さらに
「障害者支援」「地域保健」「社会福祉」に分かれていて、
生徒たちはそれぞれのテーブルを25分毎に回って学んだ。

まずわたしは「障害者支援」。
「障害者ってどんなイメージ?」があるのか。
生徒たちはそれぞれ講師のその質問に答えたが、
まとめていうと「普通と違っている」だった。

じゃあ。
「普通ってなに?」
という次の問いになる。

生徒たちは困る。
(普通は普通じゃん)
と思っているのか、
(そういわれてみれば)
と思っているのか。
ともかく、困っていた。

普通ってなんでしょうね。
普通って誰が決めるんでしょうね。
あなた一人で生きていってますか?
朝ごはん食べてきましたか?
学校まで、この会場までどうやってきましたか?
メモをとっているペン、紙、バインダー。
誰もが誰かの力を借りないと生きていけないんです。

福祉とは「しあわせ」である

続いて「社会福祉」のテーブル。

ここでも「なんでしょ」シリーズ。
「福祉ってなんでしょ?」

福祉の「福」も「祉」も、「しあわせ」という意味らしい。
初めて知った。
「禾(のぎへん)」は「神」をあわらし、
「福」のつくりのほうは「豆」「田んぼ」で豊穣な収穫を。
「祉」は、「禾=神さま」がずっと「立ち止まって」くれている状態。

へえ〜〜。
福祉は「しあわせ」の字でつくられていたのか。

じゃあ。
「福祉ってなに?」

「そのしあわせは誰のもの?
おカネ持ってるとかモノもってるとか、
一部の人たちだけのしあわせなの?」

講師は「釜石では」と限定して、
「福祉とは、あなたの、家族の、そしてみんなの
【ふ】だんの、【く】らしの、【し】あわせ
なんです」

特別なことではない。
いつもどおりの朝起きて、学校いって、働いて、ごはん食べて、
なんてことしながら、みんながしあわせでありますように。

ちょっぴりこころが豊かになった釜石高校のフィールドワークだった。