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ブロッコリーの風景

知り合いのハーブ農家。
キャプテンシップ・チャレンジ(大隈塾)のワークショップで、こんなこといってた。

コロナで世の中が閉ざされたとき、
自分たちがつくったハーブや野菜の販路も閉じた。

生きていけない。困った。
助けて。

庭先で直販をやった。
でも並べられるものはブロッコリーだけだった。
ブロッコリーをたくさん積んでみた。

近所の人たちが買いに来てくれた。
SNSを見てくれていたんだ。
FacebookやInstagramで発信していた、
それを見ていてくれたんだ。

自分たちは孤独だと思っていたら、
孤独ではなかった。

近所の人たちの中には、
45リットルの袋にようやっと収まる量を買ってくれて、
知り合いに配るんだと笑いながら、こういってた。

採れたての野菜はとても美味しい。
ブロッコリーはスーパーでも買えるけれども、
つくった人が見えると、
美味しさが身近になった。
目の前に広がっている畑は、
ただの畑ではなかった。
見慣れていたはずの畑の景色は、
ただの風景ではなかった。
わたしがいまブロッコリーを買っているのは、
ただの買い物ではない。


キャプテンシップ・チャレンジ