その邦題はおかしくないか?
『ドリーム』という映画を観た。
仲間たちといっしょに観て、そのあといろいろ話をした。
大隈塾のシェアハウス(クマラボ)で。
変な邦題がつけられている映画の話になった。
たとえば『ドリーム』も。
『ドリーム』の原題は『HIDDEN FIGURES』。
HIDDEN=隠された、FIGURES=人・数字。
1960年代、アメリカとソ連が宇宙開発でしのぎを削っている。
ソ連はスプートニク、ヴォストークで先行する。
失敗続きのアメリカのNASAに、救世主が現れる。
現れる、というのはちょっと違って、
もともとNASAにはいた。
いたけど黒人で女性だから、才能が発揮できないでいた。
才能を発揮できる機会を奪われていた。
だから、ひとたびそのチャンスを与えられると、
目覚ましい成果を上げた。
天才的な数学者。
まだIBMのコンピューターが導入されたばかりで、
NASAでもうまく使えていない。
軌道や方位や角度の計算は、人間が手を動かしながら計算していた。
大抜擢された主人公は、最後まで解けなかった数式を解いていく。
だからHIDDENなFIGURESで、FIGURESには人と数字の両方の意味がかけられている。
たしかに映画の中では、黒人だから女性だからって夢をあきらめてはいけない、
というシーンはあって、だから「ドリーム」としたんだろうことは理解できるが、
いや主題はそこじゃないだろう、という話になった。
人それぞれの感じ方があり、考え方があり、
人それぞれの映画の見方があり、
映画の対話型鑑賞もとってもおもしろかった。