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今日はカレーの日だそうで。
なんでカレーの日かというと、
学校給食でカレーライスが提供されたのが、
1982年1月22日。

ある学校が、とか、ある市町村で、とかじゃなく、
全国一斉献立として、給食を実施している公立の小中学校すべて、
800万人が一斉にカレーライスを食べた。

全国一斉カレーライスは、
学校給食開始35周年を記念してのこと。
1947年1月、始まったときは、
肉と果物の缶詰だった。
占領軍からの支給でまなかった。

そして実は、1948年にはカレーシチューが献立に入っていた。
パンとミルク(牛乳じゃない)とおかずがそろった「完全給食」実施が1951年、
学校給食法ができたのが1954年。
法律より前に、カレーシチュー。
わたしが覚えているのは、カレーライスじゃなくてカレーシチューの方だ。

学校給食は、変なものがいくつもでてきた。
うちではカレーライスがあたりまえなのに、
学校ではカレーシチュー。
なぜかゆで卵が必ずついている。
先生がゆで卵をカレーシチューの中にいれて食べていたから、
うちのカレーライスにゆで卵をいてれくれと頼んだら、
母親から変態を見るような目で見られた。

ソフト麺というモノだったらしいけど、
冷やし中華っぽい、ぐにゃっとした麺があった。
大人になっても、冷やし中華を食べようとは思わなかった。

液体のチョコレートも「チョコレートジャム」として出た。
だれもパンに塗って食べることはしなかった。
フクロの端っこを切り、直接、チューチューすって飲んだ。
パンはすごく美味しくなかった。
大人になっても、食パンを食べようとは思わなかった。

コーヒーチャウダー、フィンガーフライ、スラッピージョー、
くじらかりん揚げ、くじらのこはく揚げ、くじらのオーロラソース、
というのもあったらしい。
文部省は、「風流な名前もけっこうだが、名前を見て内容がわかる献立が必要」
というコメントをだしたぐらいだった。
ちなみにオーロラソースは、ケチャップとウスターソースを混ぜたもの。
当時不人気だったケチャップをなんとか食べさせよう、
ということで考案されたらしい。
どんだけ不味かったんだろう、むかしのケチャップ。

三角食べ、は学校給食から普及した。
ずっと家庭で、と思っていたら、実は給食。
これも、ミルク(牛乳じゃない)を飲まない児童が多かったから、
「栄養のバランスをとるため」「食事のマナー」として、
三角食べを指導。
脱脂粉乳ってシャレにならないぐらい不味かったんだろう。

うちの子どもたちにも「ばっかり食べ」しがちだったので、
「食事のマナー」として三角食べをするようにしつけた。
マナーでもなんでもなかったのか。
すると、日本の食事は、
おかずとごはんを口の中で混ぜながら味わうようになっている
というのも都市伝説なんだろうか。

給食は不味い記憶しかないけど、
学食とか社食とか図書館の食堂とか、
ビミョウに「惜しい!」味がが好きなのは、
そうはいってもやっぱり学校給食のおかげなんだろうか。

今日はカレーの日。
だけど、カレーを食べる予定はない。

(鵜飼正樹、永井良和、藤本憲一 『戦後大衆文化論』 京都造形芸術大学 2011)