こすもす公園のすべり台を修理した。
山の中から運んできた。
空に向かって伸びていく方を地面にさし、
逆立ちしたようなオブジェのてっぺんに、拾ってきたお釜をかぶせると、
ちょうどいいところに枝が出てて、人の顔のようになった。
鼻が長いので、「ピノキオ」と呼ばれて、
そのすべり台は子どもたちからとても愛されて、
こすもす公園のシンボルとなった。
ピノキオは足の1本が弱くなって、しばらくお休みになっていた。
足だけじゃなく、あちこち調子が悪くなっている。
もう9年になるから、しかたがない。
取り壊しちゃおうか、とわたしは意見を出したけど、
あまりにみんなの愛着が強く、
建築家の人が「あんなオーガニックな遊具はすごく貴重」という意見もあり、
じゃあみんなで修理しよう、ということになった。
公園のオーナーの「おとうさん」(藤井了さん)は、
修理用にと角材を買ってきてくれたけど、
みんなはおとうさんを説得して、
公園の中の廃材から適当な木材を探し出して、
それらを使うことにした。
みんなは、山の中からの木を使って、ピノキオの手当をしたかった。
のこぎりを使ったりナタを使ったり、
ドリルで穴を開け、電動ドライバーでビスをねじ込み、
3時間ぐらいかけて修理した。
ときどき公園に遊びに来た子どもたちが寄ってきて、
「手でつくってるの?」
ってびっくりしたりしてた。
手でつくってるのさ、裏の山の木を使って。
手でつくったから、手でつくり直しているのさ。
地震と津波で遊ぶところがなくなったから、
じゃあ子どもたちのためにって自分の畑をつぶしてつくった公園。
自分たちも手伝いたい、って思った人たちが集まってきて、
たまたまパーマカルチャーな人たちが多かったので、
自然の素材を使って遊具をつくり、公園全体をエコロジカルなデザインにした。
修理が終わったら、子どもたちがピノキオにがんがん登って、
どんどんすべって遊ぶ。
なかなか滑らずに、ずっと高いところにいて興奮しっぱなしの子どももいる。
なんとか、子どもの日に間に合ってよかった。
今日は10家族、こすもす公園に遊びにいきたいと連絡が来ている。