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オンライン授業化のホントのねらい

やられた〜、という気持ちだった。

早稲田大学も春学期の授業をすべて、オンラインにした。

4月1日の夜、上のような画像が流れてきたので、
瞬時にデマだと判断した。

2020年4月1日
半角と全角が混在しているし、
あえてそうすることで、フェイクだと気づかせようとしている。

学部生だけで4万人いて、
講座数が20,000といわれている大学で、
すべてオンライン授業、なんて不可能だろう。

学生はスマホこそ持っているものの、
wifiが自室か自宅になければ、
契約しているギガなんて一週間で使い尽くすんじゃないか?

アプリは何を使うんだろう。
zoom、google、skype、ほかにもいろいろある。
教員によって使うものが変われば、
学生たちはそれぞれ対応しないといけない。

学内のイントラネットを使うのか?
今年度から新しくなったんだけど、
それを使い倒そうという考えなのか?
それはそれでチャレンジャブルだけど、
一斉に4万人が使うとパンクしないの?

そもそも、スマホをガラケーのように使っていそうな先生方もいて、
そんな人たちをトレーニングするのか?

なんていうことはカンタンに考えつくので、
問い合わせてきた学生たちには、
っていう理由で、デマだよ、と答えてきた。

けど、やるらしい、すべてオンライン授業。

理事会とか教授会をぜんぶクリアするには、
そうとうの時間と根気がいったんだろう。
理事会はともかく、
教授会はむちゃくちゃ反対しただろうけど、
説得しきったのなら、すごいことだ。

もしかすると、延期した卒業式の日に、
卒業生たち、在校生たちがぞくぞくとキャンパスに集まってきたこと、
翌日の総長の怒りのメッセージ、
これも、オンライン授業化に一役買ったのかもしれない。
「教室での授業=日常を始めたら危険だ!」
新歓コンパ、ゼミコンパ、もろもろが日常になってしまう。
だったら……
(そんなわけないか……)

春学期だけだから6週間のオールオンライン化とはいえ、
この意義は大きい。

環境が整っていれば、条件が許せば、
日本中、どこにいても授業を受けることができる。
そのうち、世界中どこにいても、ということになる。

実際、留学から一時帰国している学生の中には、
留学先の、たとえばアメリカの、大学の授業を日本で受けている。
留学してきている学生で、一時帰国している学生たちは、
母国にとどまったまま、早稲田大学の授業を受けることができる。

大学の講義が変わる。
インプットだけなら自宅でやってこい、
教室ではグループワークや、実験だけやる。
という反転授業やアクティブ・ラーニングが浸透するかもしれない。

教員が海外にいて、授業することもできる。
たとえば、アフリカの民族研究者なら、リアリティある授業ができる。

世界中の優れた学生たちを集めるのも、
いまよりもずっと容易にできるようになる。
ミネルバ大学のように。

そもそも、大学ってなんだっけ?
ってことも考え直す必要がある。

創立150周年に向けて、
世界に輝くwasedaの実現のために、
たくましい知性を鍛える。
これは大きなチャンスだ。

オンライン授業にするホントのねらいは、ここにあるのかも。