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今回はダメでした……

釜石のイカ釣り名人けんちゃんに誘われて、
朝から船に乗って釣りに行った。

5時にわたしを迎えに来てくれたけんちゃんは、
すでに釜石港でイカを釣ってきた。
「朝のご挨拶みたいなもので」
5分でヤリイカ3杯。
すばらしい。

天気もよく幸先もよく、
今日も大漁かと気分良く始めたんだけど、
まったく逆で、釣果ほぼなし。

メンバー6人、カレイがちょぼちょぼ、サバがちょぼちょぼ。
一番釣れたのはフグだった。
数的にはカレイが多かったんだけど、
フグが釣れるショックがこんなにひどいとは……。
フグに襲われるたびに、悲鳴が上がった。

わたしも最初、高級魚のフグが釣れたのに、といぶかったが、
高級魚なのはトラフグで、身体が大きくて食べるところがたくさんある。
対して、わたしたちが釣っていた(襲われていた)のはクサフグで、
身体が小さく、食べるとことが少ないし、美味しくない。

にもかかわらず、フグはめっちゃ強くて、
海中で釣り餌どころか、釣り針までも食いちぎっていく。

釣り糸をたれ、魚が寄ってきた手応えが糸と釣り竿を通して感じられる。
リールをクイクイっと巻くと、竿がグイーンとしなる。
リールをグルグルグルグル巻き上げる。
獲物の重さが手に伝わってくる。

ああ、至福のときが訪れている……。

が、途中からその重みがなくなり、リールが軽くなる。
「フグだ……」
豈図らんや、釣り針がなくなっている……。

フグがこんなに迷惑魚だなんて、
釣りに誘われて海に出るまで知らなかった。
いい体験になった。

それ以上に、きれいな朝焼けに包まれて、
釣り船に乗って海の沖合まで行き、
他愛もない話をしながら釣り糸を垂れる。

釜石の平日の朝の、気持ちのいい過ごし方だった。

千枚敷。海側から見るのは珍しいとか

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