映画館で映画を観る、ってこと
ひさしぶりの映画館だった。
しかもほぼ満席。
映画は、『大河への道』。
町おこしのため、郷土の偉人伊能忠敬を主人公にした大河ドラマをNHKにつくってもらおう!というプロジェクトが市役所で発足した。
日本で初めて実測地図をつくった伊能忠敬を
「ちゅーけーさん」
と地元の人たちは愛情たっぶりに呼ぶ。
しかし、プロジェクトを動かしていくと、
伊能忠敬は地図完成の前に亡くなっていた、
という事実がわかった。
ええ!っと、メンバーはパニック。
じゃあ、誰がどうやってあの精巧な地図を描いたんだ?
というあらすじ。
原作は、立川志の輔の落語『大河への道』。
いま現在と200年前江戸時代を行き来しながら、
中井貴一ほかがダブルキャストで演じていく。
もともとが落語だから、本編のあちこちで落語っぽい言い回し、サゲがちりばめられているし、中井貴一と松山ケンイチのコメカルな演技で、
わたしは上映中、けっこう笑っていた。
右となりのおばさんも、左となりのおじさんも、
くすくすくすくす笑っていた。
そして、ある場面でワハハ!と、満場の笑い。
満場の笑い、よかった〜。
寄席の笑いも好きだけど、
映画館での笑いはまた別の魅力がある。
暗い中でスクリーンで劇を見ながら、
感情移入しているところに、同じタイミングでどっと笑う。
いいなあ、やっぱり。
これが「不要不急」なのか?
つぎ、なんかあったときに、
映画や寄席やお芝居やら、
演芸とスポーツと音楽を政府から取り上げられそうになったら、
みんなで猛然と異議申し立てをしよう!
と心から思った。