そのまんま東さん

そのまんま東さん模擬授業

大隈塾はゲスト講師の講義も学びになるんですが、
そのあとのグループワークも大事にしいます。
ゲスト講師のお話を聞いたあと、
その重要な部分を自分たちで学びなおします。
どういうワークをすれば、効果的に学ぶことができるか、
自分たちで考えて、自分たちで学んでいます。

早稲田祭の模擬授業で、
スタッフのかいり(3年生)は、「お客さん」に対して
熱心に説明していた。

ゲスト講師の東国原英夫さんの講義を聞いて、
ワークをしないで帰ろうとしているお客さんに、
「東国原さんのお話、どうでしたか?」
と問いかけ、
お客さんが
「とても楽しかった、面白かった」
と答えたのに畳み掛けていった。

大隈塾は講演じゃなく、講義なんだと。

SA(Student Assistant)やってる
どめちゃん(1年)とおのたつさん(4年)がかわいそうで。
二人で一生懸命準備してきたワークなのに、
講義聞くだけでワークしないで帰る人たちが多くて。
ワークの内容をみんなに提示してフィードバックもらって、
また再提示してフィードバックもらって。
ワークシートに落とし込んで、
そのワークシートをカラー印刷するか、
モノクロでもいいか、そんなことまで悩んでたんですよ。

大隈塾は、SAを中心に授業を運営している。
おのたつとどめは、
模擬講義だけのSAをつとめた。
彼らにとって、模擬SAだった。

SAたちは毎回、ワークを考えている。
毎回、ゲスト講師の講義だけで帰る学生たちは
そこそこの数でいる。
出席をとって縛りをかけているが、
そもそも大隈塾で単位を取ろうとしていない学生や、
規定内の出席だけで十分、と思っている学生たちにとって、
出席はその程度の強制力でしかない。

ワークなしで帰る学生たちに理由を聞くと、
「どうしても外せない用があって」
「急にバイトのシフトが入って」
「サークルの集まりがあって」

学費を取得可能単位数で割ると、
1コマ安くない額になる。
それを上回る稼ぎになるバイトも大切、
人付き合いも、サークルの人間関係も大事。
……。

SAたちは、クチビルを噛み締めて悔しさをこらえる。

帰ってはいけない、とコマンドを出すのではなく、
帰らないでください、と懇願するでもなく、
魅力的なワーク、魅力的な授業になるように、
大隈塾全体をデザインするべきだ、
とSAたち4人は確認しあっている。

模擬講義を運営してくれたスタッフたちは、
SAたちの仕事と気持ちをわかってくれたと思う。
だから、これまで以上に、授業に貢献してくれるようになってくれれば嬉しい。

早稲田祭に来てくれた早稲田生、高校生、保護者に
大隈塾を知ってほしい、
という外向けの趣旨で企画した模擬授業だったが、
結果として手伝ったスタッフという、
内に向かっても効果があったものとなったのではないか。

最後まで残ってワークしてくれた方の授業アンケートで、
「娘がこの授業をとっているから」
という回答があった。

とてつもなく嬉しかった。