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「若手を辞めさせるな」

「若手を辞めさせるな」
という特集記事を、「Works」という雑誌で読んだ。

アメリカではThe Great Resignationが大問題になっている。
若者が大量に自主退職してしまっていて、
その数450万人。
レイオフではなく、自分で辞めて、次の会社にいくか、
自分で仕事を始めるか、しばらく休むか。

The Great で表現するのは、
The Great Depression 大恐慌
The Great Recession リーマンショック
The Great Lockdown 都市封鎖
社会にとてつもなく大きな影響を与えるときに使われる表現なので、
アメリカ社会が大揺れに揺れている、らしい。

YOLO、というキーワード。
You Only Live Once 一度きりの人生。
だから、自分の人生を自分でコントロールする生き方。
だから、フレキシブルな働き方を選ぶ。

日本もこうなるのではないか。
すでに、新入社員の3割は3年以内に辞める、
という現象は定着している。

この特集記事が特異なのは、
「若者」は「なぜ辞めてしまうのか」
ではなく、
「若手」を「辞めさせるな!」
というところ。
問題は辞める側にあるのではなく、
辞めさせてしまう組織のあり方にある、
切り口が鮮やか。

一度きりの人生、
自分でコントロールするする生き方、
フレキシブルな働き方、
はアメリカも日本も同じだ。

会社は何を目指しているのか。
利益を上げて社員を幸せにすることか。
株主至上主義ではないのか。

会社が目指していることと、
自分が目指していることが重ならないとき、
かつては会社の目的に自分の目的を合わせてきた。
そうせざるを得ない、終身雇用だったから。

でも雇用を保障してくれない会社のために、
なぜ自分の人生をあずけないといけないのか。

という若手社員に対して、
会社、経営者、管理職は、語る言葉を持っているか。

「パーパスとは“言葉”だ」
と、特集記事は書いている。

パーパス(目指していることを明示する)経営の、
パーパスは言葉によって理解され、共感されてなんぼのことだ。

その言葉は、若手の感性で理解できる言葉か?
その価値観は、若手の価値観と合致できる価値観か?

パーパスをすり合わせ、フレキシブルな働き方を可能にする。
そのためのコミュニケーション。

「若手を辞めさせない」決意が必要なんだと、この記事はいう。


「Works」 no.170 Feb-Mar 2022 リクルートワークス研究所