日本人の中のネアンデルタール人DNA! 免疫力と遺伝子の意外な事実/権藤正勝
いまだ収拾の気配がない新型コロナウイルスの感染。だが、なぜか日本人は世界でも最小クラスの被害ですんでいる。その理由は驚くべきことに、ネアンデルタール人との混血にあった!?
文=権藤正勝
日本人のルーツ
2020年の2月下旬、筆者の下に編集部から一通のメールが届いた。内容は、「日本人がもっともネアンデルタール人に近い、世界最古の民族だというのは本当だろうか」というものだった。
筆者は古人類学に興味があり、それについては常々調べてはいるが、初めて耳にする内容だった。
すぐに調査に取りかかると、とあるブログとその記事のもとになったと思
われる論文に突き当たった。論文は、2016年1月に、「The American Journal of Human Genetics」(AJHG)に発表されたもので、現生人類に残された、ネアンデルタール人やデニソワ人由来の免疫にかかわる遺伝子に関する研究だった。
もちろんそこには、日本人がネアンデルタール人にもっとも近いということなど書かれてはいなかったし、そのような結論を導きだすこともできない内容だった。そのため筆者は編集部に、この噂はガセ(偽)であると伝え、調査は終了した。
それから数か月がすぎ、世の中の報道は新型コロナウイルス一辺倒となっていった。筆者はBS-TBSの「諸説あり」という番組を見ていた。日本人の起源に関するもので、大変興味深い内容だったが、番組終盤に例の「日本人がネアンデルタール人に一番近い」という話が紹介されたのだ。
テレビで紹介される以上、まったくのガセとは考えにくい。もしかすると自分は、とんでもない勘違いをしていたのではないか?
そう思った筆者は大慌てで、再度、このトピックの調査を始めた。だが、どんなに調査しても行きつく先は、同じ論文だった。
ただ、論文を精査した結果、このような噂が出てきた理由が、ある程度わかってきた。そして、新型コロナの報道を横目に、とんでもない事実が浮かんできたのだ。
なぜ日本は感染爆発を免れているのか?
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