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日常生活を糧に瞑想し、集中力洞察力を高める! ヨーガ瞑想法/成瀬雅春

12歳のころからハタ・ヨーガを中心に修行をつづけ、空中浮揚、クンダリニー覚醒技法、空中歩行などを体得した成瀬雅春師。
成瀬師は、「都市空間こそ瞑想に適した環境である」という。一日にほんの数分でも瞑想する習慣を身につければ、生命力、精神力、洞察力などが格段にアップするそうだ。だれもが今すぐに実践できる貴重なノウハウを教えていただいた。
(ムー 2019年5月号掲載)

文=成瀬雅春

日常生活にある「瞑想チャンス」を活かす

 瞑想とは、端的にいえば自分を知る作業です。
 私たち人間は、生まれてから死ぬまで、さまざまな疑問を抱きつづけます。たとえば、自分とは何か、なぜ生まれてきたのか、この職業でよいのか、なぜ幸せになれないのか、死ぬとどうなるのか、などです。
 人間にとって、いちばんわからないものは自分自身です。現代では、スマホひとつあれば、たいていのことは調べられますが、自分自身のこととなると、そう簡単にはいきません。そのため、私たちのだれもが生涯にわたって自分を知る作業をしつづけることになります。
 だれもがすることであれば、下手にやるより効率よく上手にやれたほうがよい。そのためのツールが瞑想です。

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筆者、成瀬雅春。ヨーガ行者、ヨーガ指導者。アーカーシャ・ギリ(虚空行者)という修行名をもつ。12歳から独自の修行を続け、1976年からヨーガ指導を開始。インド、チベット、モンゴル、ブータンなどを数十回訪れている。シャクティチャーラニー・ムドラー(クンダリニー覚醒技法)や心臓の鼓動を止める呼吸法、ルンゴム(空中歩行)、系観瞑想法などを独学で体得している。 2001年 全インド密教協会からヨーギーラージ(ヨーガ行者の王)の称号を授与される。2011年6月、ガンジス河源流ゴームク(3892m)での12年のヒマラヤ修行を終える。現在、日本とインドを中心にヨーガ指導、講演等の活動をおこなっている。

 瞑想というと、1時間くらい座らねばならないと思っている人がけっこういますが、むしろ逆です。1時間座っても、その間、ずっと我慢しつづけているのなら、瞑想ではなくただの無駄な時間です。一方、3分や5分という短い時間でも、集中して瞑想に入れていれば、そのほうが有効です。また、短い時間のほうが行いやすいのです。
 私がセミナーなどでよく勧めている方法は、電車に乗ったときに、ドアが閉まったらスッと目を閉じて自分の呼吸に意識を向け、次の駅でドアが開いたら目を開けてやめるというものです。瞑想状態に「入る」と「やめる」を切り替えることで集中力が養われます。

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イメージ写真=ぱくたそ

 このようなことを一日のうちに何度も行うと、瞑想力が高まります。わざわざ座る時間をつくって瞑想するより、こうした練習法を日常生活に取り入れるほうが継続しやすいはずです。
 そもそも瞑想は、街中で生活しながら行うことに意味があります。人間として生まれ、よりよく生きていくためのツールなのですから、山にこもりきりの隠遁生活を送っているような人にとっては無用の長物です。

 瞑想の効果を実感するまでの時間については、個人差が大きいのですが、私の教室で1時間半の体験講座を受けただけで、来たときとは別人のようになる人もいます。ここでいくつかの技法をご紹介しますので、自分が行いやすいものを実践するとよいでしょう。
 なお、ここでご紹介する技法はいずれも、私が長年取り組んできたハタ・ヨーガの技法をベースにしたものです。

目を閉じてまぶたの裏を「見る」

 瞑想によって第一に養われるのは集中力です。ふだんから集中力を鍛錬しておけば、いざという場面に遭遇したとき、冷静で的確な対応ができます。

 集中力を身につける最初の鍵は、目を閉じたときに何が見えるのかを確認することです。順を追って説明していきます。

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