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「仏カード」で未来を占断! 仏教曼荼羅タロット観仏符/古銀剛

「なぜ、今までなかったんだろう……」だれもがそう思ってしまう、占いグッズが誕生した。仏・菩薩(ぼさつ)を主役にした仏教版タロット、「観仏符(かんぶつふ) 」だ。
しかも、マンダラをモチーフとしたこのカードを用いれば、密教の秘法をも
マスターできてしまうという。話題沸騰の仏教タロットの魅力に迫る。

文=古銀 剛

マンダラをモチーフにした「仏教タロット」

 円輪内に種々の仏尊を配置した図絵を、マンダラ(曼荼羅、曼陀羅)と呼ぶ。密教的な宇宙観や悟りの境地がシンボリックに表現されたものだ。マンダラという言葉自体は、サンスクリット語で「本質」「円」を意味するマンダと「所有」を表すラを合わせた語で、「円輪のように過不足なく本質を得たもの」が原義である、と一般的には解釈されている。
 マンダラはたんに壁にかけて鑑賞する美術品ではない。密教行者は道場に掲げられたマンダラを観じながら、呪文を唱え、深い瞑想に入り、マンダラの世界に没入する。マンダラとは、行者と仏が一体になるために創出された、荘厳な装置なのである。

 多様な仏が鮮やかな色彩でびっしり描きこまれた幾何学的な図柄には、行者でなくても見る者をぐいぐいと引き込む力があるが、このマンダラをあえてバラバラにし、タロット・カードのようなスタイルにした画期的な「カード」が、先ごろこの日本で制作され、商品として販売された。
 それが、知る人ぞ知る仏教美術の専門店「天竺堂“てんじくどう”(仏教美術 天竺)」(静岡県三島市)が制作した「観仏符(かんぶつふ)」である。わかりやすくいえば、「仏教タロット」だ。
「タロット・カードは西洋オカルティズムの伝統をベースとしたものですが、これが日本人に好まれるなら、東洋の秘教である密教のマンダラをベースにしたタロットがあれば、きっと日本人に広く受け入れられるはず。──そう思って、15年ぐらい前から少しずつ研究や開発はすすめていました」
 そう語るのは、天竺堂代表の天竺孔一氏。
「ふだんは美術展やギャラリーがらみのアイテムの制作や販売の仕事が多いのですが、去年はコロナ禍でイベントが軒並み中止・延期になり、売り上げが激減。でも、そのおかげで時間に大きな余裕ができ、長年取り組んでいた観仏符を一気に仕上げることができました」

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密教のマンダラをモチーフとした「観仏符」。37枚のカードからなる仏教タロットだ(写真=天竺堂)。

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「観仏符」の使い方を説明する、開発・制作者の天竺孔一氏。

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