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魂は不滅…!? 医療現場の心霊事件ミステリー/南山宏の綺想科学論

われわれが病気やケガで倒れたとき必ず世話になる病院——
とりわけ生と死の境で苦しむ患者を優しく介護してくれる看護師たちは、密かに心霊現象を体験しているという。医療現場での幽霊や心霊がらみの興味深いエピソードの数々をここに報告しよう。

文=南山 宏 

看護師たちが体験・遭遇した心霊現象

 病院やクリニック、療養所や保健所、救急救命センターや介護施設はもちろん、瀕死の傷病者を収容して走る救急車などのような、病人や怪我人が肉体的・精神的に懊悩・呻吟しながら生死の境を彷徨わなければならない場所では、常識では合理的な説明の決してつかないこの世ならぬ不可思議な“心霊現象”がしばしば報告される。

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超常現象研究家が、オーブと人影らしきものの撮影に成功した。病院ではこのようなものが目撃されやすい!?

 日本国内では、たとえば北九州市の某総合病院で起きた典型的な事例が、インターネットの怪奇事件コラムに紹介されている。夜勤の経験がある看護師ならだれでも多かれ少なかれ、実際に体験する怪奇現象の定番的な実例という。
 ただし、事件の性質上やむを得ないのだろうが、具体的な発生日時や病院名は伏せられるのが通例で、そのため話の多くは、ほとんど都市伝説として語られることが多いようだ。

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深夜の病院では、だれもいない病室からナースコールが鳴るなど、奇妙なことが起こりやすいという。

 たとえば——

 数年前のとある深夜、その総合病院のナースステーションで、入院患者がいないはずの個室の病室から、ナースコールがけたたましく鳴った。そのときナースステーションに詰めていた夜勤当直のナースたちは、怪訝そうに顔を見合わせた。
「あの部屋に入っていた患者さんは、午前中に退院したばかりだから、今はだれもいないはずだけど?」
 しかし、入院患者がいないはずの病室でも、とりあえずは万一の場合に備えて、だれかが確認のため見にいかなければならない。そこで年配のナースA子が若いナースB美を促がして、その部屋に向かったが、ふたりともすでにかなりビビっていたようで、互いのナース服の袖を摑んで放さなかった。
 ふたりのナースは、ナースコールが鳴った個室のドアを恐る恐る開けて覗き込んだ。室内にはもちろんだれもいなかった。
 それどころか、鳴ったはずのナースコールの装置それ自体が、そこにはなかったのだ。調子が悪いので当日の早朝に取り外されて修理に出されていたことが、のちに判明した。
 つまり、夜勤のナースたちは全員、聞こえるはずのない“心霊ナースコール”を幻聴として聞いてしまったことになる。彼女たちがますます震え上がったのは、もちろんいうまでもない。

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