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経営者が憧れる陰謀論の頂点・フリーメーソンの”真実”/皆神龍太郎インタビュー

なぜか社長は、陰謀論が大好き。投資詐欺のリスクにもめげず、日々、「世の真実」を夢想している……。
その幻想の助けとして、秘密結社・陰謀論に詳しい皆神龍太郎氏にインタビュー。はたして、経営者が憧れるフリーメーソンの”真実”とはーー?

文=久野友萬

陰謀論の頂点・フリーメーソン

 経営者は陰謀論が大好きだ。ナチスの残党がアメリカを牛耳っているとかエリートの正体は爬虫類型宇宙人であるとか、実にさまざまだが、つまるところ、世の中は一部の特権階級だけがすべてを牛耳っているというのが陰謀論の基本だ。
 ナチスが南極の秘密基地でUFOを作っていたなんて話を、いい大学を出た上場企業の社長が信じるなんてありえない気がするが、これは逆。一般人が想像もしない金の動きや権力を知ってしまうと、ナチスのUFOにいくばくかの真実が含まれていると考えてしまう。そして自分も、特権階級の仲間入りをして、ご相伴にあずかりたいと思う。
 そのため、陰謀論はよく詐欺に使われる。有名なところではM資金詐欺。特権階級があなたの仕事が日本の役に立つと判断した、ついてはあなただけにお金を融資したいと投資話を持ちかけられる。お金を出すのではなくお金をくれるというのだから、ホイホイ乗ってしまう。すると菊の御紋入りの超高額な証券が出てきて、皇族によるうんぬんと詐欺が始まる。

 そうした陰謀論の頂点に君臨するのがフリーメーソンの陰謀だ。特権階級が作り上げた秘密結社フリーメーソンによって世界はコントロールされ、近い将来、彼らが考えるシナリオ=ニューワールドオーダー(新世界秩序)によって世界連邦政府が樹立、人類は彼らの家畜となる! 家畜として人間を管理するため、発明されたのがバーコードであり、聖書に予言された獣の数字666なのだ!ーーなどというものだ。

 フリーメーソンの陰謀はホントによくできている。
 フリーメーソンには兄弟愛・救済・真理という学ぶべき3つの原則(兄弟愛=友愛の理想世界をつくるために真理を学び、救済を求める)があり、これはフランス革命やアメリカ建国のスローガン、自由・博愛・平等に等しい。つまりフリーメーソンがフランス革命を起こし、アメリカを作ったのだ。その証拠に歴代のアメリカ大統領はフリーメーソンであり、1ドル紙幣にはフリーメーソンのシンボル、真理の目(三角形の中に目がある)が描かれ、その下にはラテン語でNOVUSORDO SECLORUM=新世界秩序と書かれているではないか!
 そんなに恐るべき組織であるなら、いっそフリーメーソンに入ってしまって、牛耳る側に回りたいと思うのが人情である。とりわけ、経営者であるような立場であれば。

 フリーメーソンといえば、この人、皆神龍太郎氏だ。フリーメーソンの研究書を何冊も出し、幹部とも仲がいい。最近では高須クリニックの高須院長をフリーメーソンに紹介したとの噂がある。フリーメーソンとはどんな組織なのか?

皆神龍太郎が語るメーソンの真実

「単なる年寄りの集まりですよ」

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