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安定した生活か夢を追うか? 選択に悩むあなたへ グランジュルノルマン人生相談/赤魔導士Bijou

日本唯一のグランジュルノルマン解説を手掛ける赤魔導士Bijou氏が、あなたの悩みに答えます。人生の場面で出会う困りごと、何度もぶちあがる悩みごと……ひとりで考え込まずに、カードが示す物語からヒントを読み取っていきましょう。
今回のお悩みは「いつまで夢を追いかけていいのか?」です。
―― その悩み、もうカードに答えが書いてあるよ?

グランジュルノルマンについての基礎知識はこちら。

文=赤魔導士Bijou #グランジュルノルマン

Q:役者という夢をいつまで追うべきか

Q: 役者を続けてもいいでしょうか?(31歳・男性)

 学生時代から芝居、演劇の世界に踏み込んで、役者をやっています! 自分の劇団と客演あわせて、年に7~8本の舞台を踏んでいます(去年と今年で3本、延期と中止はあったのですけど、なんとか!)
 自分で言いますが結構器用なので、いろんな劇団から声かかるのです。このまま仲間といっしょに劇団を大きくして、役者として成長する……というのが理想なのですけど、実際の生活はバイトもしつつ(笑)。
 舞台って準備が大変だし忙しいのになんで儲からないのでしょう(涙)。続けたいけど、稼ぐ実力がないのか、運がないのか???
 芝居ゼロの人生は考えられないのですけど、もうちょっと安定したいです!

A:「クラブの9」が逆境の今を応援しています。

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 メインイラストにはヒュドラと闘うヘラクレスが描かれています。

 ギリシャ神話随一の英雄ヘラクレス(幼名アルケイデス)はミュケナイ王の娘アルクメネとゼウスの子。ヘラクレスの名は“ヘラの栄光”という意味。にもかかわらず、例によってゼウスの浮気によりできた子のため正妻ヘラに忌み嫌われ、神として天界に迎えられるまで数々の困難に見舞われます。
 中でも、ミュケナイ王エウリュステウスから出された意地の悪い12の難問が彼を正真正銘の英雄へと成長させました。
 第一の試練はネメアの人食いライオンの退治。巨躯かつ獰猛で青銅のように硬い皮膚は矢も刃も通さず、100人の兵が挑んでも倒せない猛獣に、ネメアの人々は苦しめられていました。ヘラクレスは爪や歯を避けながら3日間ベアハッグやチョークスリーパーをかけ続け、ようやく勝利したのち、その毛皮を防具として持ち帰ったのです。このライオンは獅子座になり、グランジュルノルマンのハートの9のモチーフでもあります。

 無事人食いライオンを倒しミュケナイで報告したヘラクレスに、エウリュステウスは次なる難題を出しました。
 それが、今回のクラブ9のモチーフである第二の試練。
 レルネに棲むヒュドラの討伐です。
 テュポーンとエキドナを両親にもつ水蛇ヒュドラは、ヘラがヘラクレス憎さから育てた怪物。切っても切っても倍になって生えてくる頭に、それぞれの口から容赦なく吐き出される猛毒。さらにはヘラが放った足元を狙ってくる大ザリガニとてんやわんやでしたが、このザリガニは登場とほぼ同時に踏ん付けられあっけなく圧死し、気の毒過ぎるという理由で蟹座になりました。
 しかし対ヒュドラ戦はこんなに容易くありません。
 なにせ中央の首を切り落とすことが活動を停止させる唯一の方法なのですが、この首もまた不死なのです。
 そこでヘラクレスは、同行していた甥のイオラオスと共に一計を案じます。ヘラクレスが中央以外の首を切り落とすと同時に、イオラオスが切り口を松明で焼き次の首を生えさせない。そして、中央の首を切り落としたらすかさず大岩で押し潰す。
 この連係プレーでどうにかヒュドラを討伐し、ヒュドラはウミヘビ座になりました。ヘラクレスはこのヒュドラの猛毒の血を持ち帰り、結果として自らの命を終えることになるのですが、このお話はまたどこかで。

 それでは数々の試練を乗り越えたヘラクレスと共に、クラブの9から今後の可能性を探ってみましょう。

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