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誰でもわかるリテンション・マーケティング ユアユニで生涯、学びの道を!WEEK6

皆さん、こんにちは「師子吼する」です。ユアユニのWEEK6の講座はリテンション・マーケティングについてです。

どんなビジネスをしようが、この講座で話すリテンション・マーケティングを知らなければ、ほとんど成功はしない。国際的な実業家であるUR-Uの主催者、竹花貴騎氏は本業のシステム開発会社の経営の他に、飲食店、美容院、エステも経営していたが、とくにエステ経営ではリテンション。マーケティングを取り入れると、経営が安定したという。もちろんリテンション・マーケティングはオンラインビジネスだろうが店舗経営だろうがどのビジネスにも通用するものである。

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体験する時代

今の時代は、モノを所有する時代ではなく、体験する時代である。例えば音楽だが、日本経済新聞によると2020年の日本の音楽市場全体の売上高は2727億円で、そのうちCDなどは1944億円でまだ音楽市場の半分以上を占めているが、若者でCDを買う人はあまりいない。デジタルの音楽配信においては課金のダウンロードは売上が減っているがYouTube musicやSpotify等のストリーミング配信は589億円と前年にくらべて11%も多くなっており、支払って月額料金で音楽をたくさん聞くというのが多くなっている。これは音楽自体に金を払うのではなく、音楽を聞く「体験」に金を払うことが増えているということである。もうひとつ、車についてだが、日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の調査によると日本では1990年の約778万台をピークに車の販売台数は減少に転じ、2012年以降は500万台で横這いである。車が売れなくなったのは人口減少や雇用や所得の変化などさまざまな要因はあるが、これも都市部のとくに若い人に車を買わず、カーシェアやレンタカーの利用が多くなっており、最近では苦戦はしているがトヨタ自動車が「KINTO」という月額定額制で車に乗るというサービスも出している。車のこれも車自体に金を払うのではなく、車に乗るという「体験」に金を払うことが多くなっているということである。これらの事例からもわかるようにこれからの時代はモノを購入させるというビジネスモデルは通用しなくなり、体験をさせるビジネスが主流となると竹花氏は考えている。先程も述べたように現に竹花氏は体験をさせるビジネスでエステサロンの経営を安定させたという。弱肉強食の現代ではこの体験させるビジネスが生き残るためには必須となる。

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Life time valueとリテンション・マーケティング

日本ではフロー型ビジネスと呼ばれるものがある。これは商品を買うまでが勝負で顧客が何か商品をレジにもっていきそこで買ったらもう終わり。エステなどのサービスも同じで、サービスを受ければ終わり、あとはポイントカードを出すぐらいである。「フロー」とは「流れる」という意味で、儲けの価値が1回限りで流れて終わりで、次から次へと営業して売っていかないといけない、売り切り型のビジネス。ただはっきり「これぞフロー型ビジネス」というものがあるのではなく、売り切りの収益の割合が高く継続的な収益の割合が低い、あるいは売り切りの収益だけで継続的な収益がまったくないビジネスをおおまかに「フロー型ビジネス」呼んでいる。(フロー型ビジネスは銃で1発の弾を撃つことになぞらえて、ショット型ビジネスと言われたり、得られた収入はショット収入と呼ばれたりする。)今までの時代はそれでよかったが、これからはフロー型ビジネスだけでは通用しない。商品を購入、あるいはサービスを申し込んで受けた後からが勝負であり、「Life time value(LTV)」を得なければならない。LTVとはある顧客から生涯に渡って得られる利益のことを指すもの。飲食店、美容室、エステなどのサービスではとくに重要になる。竹花氏が言うには、仮に美容室が新規顧客獲得のコストに5万円かけたとして10人の客が来たとする。1人当たり5000円のコストがかかったことになる。だが地域によって違うが、美容室やエステは1人当たり施術をするのにコストが5000円以上かかったりする。これでは赤字であり、それでエステや美容室が潰れることが多いという。なので1回しかこない新規顧客をどれだけ多くとっても、リピートがなければ潰れてしまう。なのでLTVを得ることを考えないといけないのである。
まず今までは新規顧客の獲得に多くのコストをかける場合が多かったが、LTVの時代は新規顧客の獲得にコストをかけるよりも、既存顧客や新規顧客のリピートを維持することに多くのコストをかけないといけない。今の時代に小さな個人の店がサロンボード(エステや美容室などの予約や顧客管理を効率的に行うネットのサービスの一つ)に1万や2万払うぐらいはよいが、宣伝に5万も10万もかけて、新規顧客を集めてはならない。
「1:5」の法則というものがある。アメリカのコンサルティング企業であるBain & Company社の名誉ディレクター、フレデリック・F・ライクヘルド氏が提唱した法則で、新規顧客にサービス・商品を売るコストは既存顧客のそれよりも5倍かかるというものである。新規顧客はこのように利益率が低いうえに先程の話にもあるが赤字になったりする。新規顧客ばかり集めている事業はあまり長続きしない。新規顧客に売るコストが既存顧客に売るコストの5倍もかかるのであれば、既存顧客へのリピート施策にコストをかけた方か利益が上が安いのである。既存顧客に力をい入れて長期に渡わたる関係を維持してLTVを実現させることをリテンション・マーケティングという。

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サブスクリプションとストック型ビジネス

あるサービスを自分が買うとして、一括で1年で12万円のサービスか、解約金がなくいつでもやめられて月々1万円のサービスならどちらを選ぶだろうか、多く人が月々1万円のサービスを選ぶだろう。今日では商品の購入代金やサービスの利用料を毎回請求するのではなく、一定期間利用することができる権利に対して料金を月額制などで顧客に請求する支払い方法「サブスクリプションモデル(サブスク)」が台頭している。今の時代では、高い金を払わせて1回で終わりのようなフロー型ビジネスだけは勝ち目がない。ビジネス勝つためにリテンション・マーケティングでどれだけ顧客を囲い込みつなぎとめておけるかなのである。そのためにサブスクが必要となり盛んになっているのだ。
なら新規顧客はどうするのか、新規顧客を集めることなど簡単である、宣伝に高いコストなどかけたり、一括で高い金額を払わせるぐらいなら最初から無料で商品をあげたり、サービスを3ヶ月無料などとすればたくさん集められる。竹花氏は2018年7月に東京の千駄ヶ谷に美容室を開業したが、店員の友達ぐらいしか客が来ないため、竹花氏のインスタをフォローしている人は全員無料とすると8月の美容室の予約枠が一気にすべて埋まった。無料ではあるが、美容室の椅子が何日も空いているよりもずっとましである。このようにしてしまえば新規顧客を集めることなど簡単で、最初から高いお金をとろうするから難しくなる。重要なのは無料で集めた新規顧客をリピートにつなげる施策をどう行うかである。竹花氏は若ハゲに悩まされており、AGA治療の病院に行くと、治療代が一括で数十万円もかかると言われ、竹花氏はなくなく治療しようと決めたが、大変面倒臭く他の人ならやめるだろうと感じたという。これからは何のビジネスにをやるにしてリテンション・マーケティングでサブスクなどを入れるべきで、売り切りのフロー型ビジネスだけというのはやめたほうがよい。

サブスクのサービスは様々なものがある。

YouTube Music、Spotify、Apple Musicなど(定額制の音楽聴き放題)
オンラインサロン・オンラインビジネススクール
メールマガジンの定期購読
アマゾンプライム、U-NEXT、Netflixなど(定額制の映画見放題)
ラクサス(定額制で高級ブランドのバッグが借り放題)
メチャカリ(定額制で洋服の借り放題)
キッズ・ラボラトリー(定額制の知育おもちゃのレンタル)
Bloomee(定額制で花の定期配送)
PlayStation Now(ソニーの定額制でゲーム遊び放題)

売り切りのフロー型ビジネスではなくこのようにサブスクで顧客に毎月代金を支払わせるような、継続的に収益を上げるビジネスを日本では「ストック型ビジネス」と呼ばれている。あとアマゾンや楽天市場での買い物、Uber Eatsでの食事の注文、パズル&ドラゴンズやモンスターストライクのようなスマホゲームの課金は、アプリを入れたり、アカウントを作るのは無料で最初でサービスや商品を買うたびに代金がかかるのでサブスクではないが、売り切りではなく、営業しなくても顧客が継続して利用して収益が積み上がっていくのでストック型ビジネスとされている。ちなみにUber Eatsは何度注文しても配送料が定額になるサービスがあったり、パズドラやモンストは定額制でゲームの特典がもらえるサブスクのようなサービスもある。ストック型ビジネスも、フロー型ビジネスと同じでで「これぞストック型ビジネス」というものがはっきりあるわけでなく、売り切りの収益の割合が低く、継続的な収益の割合が高い、あるいは売り切りの収益がまったくないビジネスをおおまかにストック型ビジネスと呼んでいる。サブスクではないストック型ビジネスも、顧客が長期で継続的に何回も買ってくれるのでサブスクと同じようにリテンション・マーケティングでも有効である。あとストック型ビジネスは最近できたものではなく、学習塾、会員制スポーツジム、置き薬、携帯電話、ヤクルト宅配、新聞、電気、水道、ガス、保険、ビル定期清掃・メンテナンスなど前から日本にも数多くあるものだった。

店舗型ビジネスではサブスクは難しいと思われるかもしれないが、そうではない。価格設定が合わない、柔軟性がない、顧客のニーズに対応できない、顧客が必要としなくなったで失敗ということも多いが、基本的にサブスクはどの業種にも取り入れられるといわれている。東京都内に33店舗を持つ「福しん」という中華料理チェーン店は月500円の「ギョウザ定期券」を買うと、1回350円以上の別途注文、1日3回の来店までという条件つきだが、1回の来店ごとに1人前6個入りの餃子が無料でついてくるサブスクを提供している。東京を中心に全国40の飲食店の店舗を間借りして運営する会員制のカフェサービスである「ゼロcafe」は月々3980円でコーヒーが飲み放題、店内の席で時間の許す限り電源やWi-Fiを利用できるため、ワーキングスペースとしても注目されている。サブスクではないが「YAKINIKU FUTAGO 17th St.」という高級焼肉店は2kg前後の牛肉の塊を購入して肉のオーナーになれる「オーナーズ・ビーフ制」というサービスがある。肉は3ヶ月間保管してもらえる。肉は保管して時間がたつと熟成し旨さが増すので、熟成した肉をまたオーナーが食べに来る。肉がなくなりそうになれば、肉を買い増すこともできる。これでオーナーは何度も店に来るため、いつまでもつなぎとめておくことができる。サブスクを取り入れるのは飲食店が多いが、スポーツジムでもプライベートジムという1人の客に専属トレーナーがつくジムがあり、かつては一括で高額の料金を払うのが一般的だったが、今日では通常のジムと同じように、サブスクになり月額料金制で通い放題のものが多くなっている。竹花氏かつて経営していた女性専用のリラクゼーションサロンでもサブスクを取り入れている。これは後程説明する。このように顧客がどうすれば自分の事業にリピートするしてもらえるのかを考えるのがビジネスにおいては重要なのである。

ストック型ビジネスで、サブスクなどで既存顧客に力を入れるリテンション・マーケティングは他に何のメリットがあるのか、これは3つあり

①顧客情報が手に入る
サブスクやコンスタントモデルであれば、1回切りで売るのではないため、継続的に商品やサービスを提供するために顧客の誕生日や電話番号、住所、SNSなどの情報と得ることができる。例えば誕生日の情報を使い、顧客の誕生日を祝う電話をすれば、顧客満足も上がる。

②サービス・商品の改善
継続的にサービス・商品を提供するため、長期にわたって顧客とのコミュニケーションが取りやすくなる。SNSなどを通して、顧客がのサービス・商品についての要望、指摘を聞く機会が増えるため、それがサービス・商品の改善につながる。

③付加価値の提供
上記のように店が顧客の誕生日の祝いをしてくれたり、顧客の要望などが通れば、顧客満足はどんどん拡大し、顧客はサービスや商品にお金を払うというよりも、満足いく体験をするという付加価値にお金を払っていると感じるようになる。

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リテンション・マーケティングのビジネスモデル

竹花氏の主宰するオンラインビジネススクールUR-Uも提供するサービスに自信があるから高額なお金を一括で払わせるのではなくサブスクで月8980円でいつでも自由にやめられるリテンション・マーケティングのビジネスをしている。ではどうやってこのビジネスモデルをつくったのか、まず竹花氏は以下のような優先順位を立てた。

①サービス設計
②データ収集
③サービス改善
④シェア獲得
⑤新規事業継続

①サービス設計
竹花氏がUR-Uの前身であるMUPを2019年8月に始めたころは、まだどのようなビジネスオンラインスクールにするか明確でなかった。自分だけでサービスあれこれ考えても意味がないため、人に聞いた方が早いと思った竹花氏は、自分のインスタの一部のフォロワーを無料で自宅に招き、授業を受けてもらい、参加者から意見を聞いたのである。竹花氏は最初からコストをかけてMUPの宣伝をしたり、参加者からお金をとってはいないのである。このように最初から何も明確でない事業に宣伝などの大きなコストをかけずに、仮説を考えて、それを最低限のコストで検証してサービスをつくる手法は「Minimum viable product(MVP)」といってアメリカで2001年にフランク・ロビンソンという人物が提唱し、有名な起業家であるエリック・リース氏とスティーブ・ブランク氏によって広められたもの。始めたばかりで何も明確になっていない事業なのに最初から顧客から高いお金をとってしまうと、よほどサービスがよくなければ次は二度と来なくなる。なら最初から無料でやるべきなのだ。

②データ収集
MUPは月額8980円のウサギクラスと制限つきのサービスで無料のゾウさんクラスがあった。2020年2月の時点で早くもウサギクラスは約1700人、ゾウさんクラスは約1万1000人にもなっていた。ゾウさんクラスに入会するとフェイスブックの登録を促されるが、登録した無料会員に対しては、「何を目的にMUPに入ったのか」「どんなことをしたいのか」「どんな夢があるのか」「どの地域に住んでいるのか」などのアンケートを行った。竹花氏は当初MUPではマーケティングのみ教えようと考えていたが、「何を学びたいか」というアンケートでは「投資」が一番多かったため、MUPに投資の講座を入れたのである。商品・サービス無料の方が早くたくさん人が集まる。なので無料の方が事業の内容を充実させるためのデータがそれだけ早くたくさん得られるということである。

③サービスの改善
有料のウサギクラスに入った会員からは様々な問合せ、要望があり、その情報を蓄積する。また解約もその理由を蓄積し事業の改善につなげる。

④サービスの完成
蓄積された問合せ、要望、解約の情報をもとにサービスの改善を行うと同時に、竹花氏は蓄積された情報をもとに事業のあり方も模索した。MUPの情報伝達などのコミュニティは当初はチャットワークというクラウド型ビジネスチャットツールだったが、LINEにかわり、フェイスブックにかわり、最終的に自社の独自アプリを開発することになった。動画の配信もメールでの配信からMUPの独自HPに変わり、独自アプリも加わった。これで事業のあり方もようやく明確になりサービスが完成するのである。

⑤新規事業継続
MUPはサブスクなので、会員と長期にわたるつながりができる。サービスが完成し、会員のデータを調べると20代の若者、独身、経営者、女性も多いことがわかった。ここから竹花氏はMUPのビジネスの一環として婚活パーティーをしてはどうかと考え、実行に移した。

このようにリテンション・マーケティングのメリットは、顧客データが手に入り、サービスや商品を改善、付加価値の提供ができるようになり、顧客を満足させ安定した経営ができることなのである。

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最初に言ったがリテンション・マーケティングは、店舗型だろうと何だろうと基本的にどのようなビジネスでも取り入れられる。竹花氏は渋谷の代官山で「Maoli Relaxation Salon」という女性専用のリラクゼーションサロンを経営している。このサロンは最初は無料で顧客を集めた後、当初はフロー型ビジネスでやっていたがうまくいかず、リテンション・マーケティングでストック型ビジネスでを取り入れてうまくいった。では何をやったかというと、料金をいきなり月額制にしたわけではない。施術の料金は通常1万円なのだが、料金をSicaのようなプリペイドのチャージ残高制にして、1万円をチャージすれば2000円割り引くとした。そうして割り引いた代金が8000円となり、チャージ残高で2000円が残る。そうすると多くの顧客は2000円がもったいなくなり、またチャージと施術をしに店に来てくれるようになった、あと竹花氏は渋谷の神山町に「Roof Top Terrace Cafe」(コロナ禍の影響で現在は渋谷の神南にRioというカフェに形を変えて移転)というバーべキューなどができるラウンジつくった。このラウンジはちょっとしたオーナー制で、ラウンジの開業資金は2500万円程で、まず1人1万円でオーナーを募集、当初1600人のオーナーが集まり、そこから得た1600万円と足りない900万円程は竹花氏が出してラウンジを開業。このラウンジのコース料理は通常は12000円だが、オーナーは特典で7000円にした。(移転後はコース料理がなくなり、オーナー特典は全メニューが10%割引となっている。)こうするとオーナーは2回も来れば、出資した1万円の元がとれるので得だと思い、店にやってくるのである。オーナー制ならオーナー1人1人の誕生日などの情報が把握できるので、ラウンジからオーナーの誕生日にお祝いの言葉を送ったりすれば、さらに満足度が上がりラウンジに何度も来るようになり、好循環が生まれるのである。このようにリテンション・マーケティングだからといって、むりやり月額制のサブスクにしなくてもよいので、このように顧客の心を少しくすぐるような小さなストック型ビジネスでかまわないのである。

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Customer Relationship Management

次にCustomer Relationship Management(CRM)という言葉がある、これは「顧客関係管理」と訳され、既存顧客に適切な対応をすることで既存顧客との良好な関係を構築・維持していくことあるいは、顧客関係管理を行うためのツールのことを指す。これCRMのスキルがないと顧客データをいくらもっていても、有効なリテンション・マーケティングを行うことができない。今の時代はフロー型ビジネスだけではなく、いかにリテンション・マーケティングを実践し、ストック型ビジネスを取り入れ、LTVを得るかである。フロー型ビジネスだけでよかった時代はどれだけサービス・商品を売ることに力を入れ、販売数の多さが売上につながった。しかしフロー型ビジネスの損益計算書は、かつてのこの期間でこれだけ売れたという過去のことしかわからない。売り切りであるので閑散期などがあったりすると売上が不安定で、未来にどのくらいの収益があるのかが予測できず、おいそれと事業への投資もできない。これでは事業の展開が非常に遅く、現代のようなスピードの時代に太刀打ちできない。リテンション・マーケティングの考えでは既存顧客との関係性を深くすることが売上につながる、なので商品やサービスに力を入れるのではなく、既存顧客との関係性の管理であるCRMに力をいれることになる。これなら、未来の損益計算書が描けてわかるようになる。UR-Uでは2021年8月現在で約2万人もの受講生がいる。この受講生たちが月8980円の受講料を払っているので毎月約1億8000万円入る。毎月入る収益が決まっていれば、未来の収益も分かり、収益に応じて事業にさまざまな投資が早くできるようになるのだ。竹花氏によるとエステや美容室の店員は週6日で働いている人が多いという、これは客が来るかどうかわからないが、もしたくさん来た場合に困らないように、店員の数を常に多くしておかないといけないからだという。しかしこれでは人件費の無駄である。無駄をなくすのなら、CRM充実させて、既存顧客に多く予約してもらい、予約の数よって店員の数も調整すればよい。LTVを得るためのCRMによる有効なリテンション・マーケティングの実践は経費の削減にもつながる。

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CRMで間違ってはいけないことがある。既存顧客との関係性が強まる程、サービス・商品の売上も収益も大きくなるが、それに伴いコストも大きくなってしまう。例えば既存顧客と酒を飲んだり、アウトドアなどの趣味を通して関係を深めたりすることもあるが、これは既存顧客が少ないうちはよいが、多くなってしまうと自分だけではできなくなり、従業員などの人手も必要になり、コストも莫大になってしまう。竹花氏がかつて行っていたインスタの集客システムやMEO対策のビジネスは月額料金のサブスクのストック型ビジネスで、フロー型のビジネスはほとんどなかった。既存顧客との関係性を深めるための仮に10人の既存顧客との関係性を深めるために1人の従業員が必要なら、100人の既存顧客を抱えると10人もの従業員が必要になる。しかし竹花氏のビジネスはそうならなかった。既存顧客との関係性を深めつつ、コストを抑えるコツがあるのだ。ただこれはビジネスによる。竹花氏は自身の資産運用をプライベートバンカー(金融資産1億円超の富裕層・超富裕層の資産管理を行うスペシャリストのこと。契約者に対して長期の資産運用サポートを行う職業だが、相談内容は事業再構築や事業承継の時期、グローバル化への対応、老後の生活設計までと多岐にわたる。)に任せている。プライベートバンカーは少数の富裕層・超富裕層を相手にする。このように少数の顧客相手に高額なサービス・商品を売り、大きな収益を得るようなビジネスは連絡もメールではなく、親しみが感じられやすいLINEやインスタのDMで行い、オフラインでのCRMで顧客と食事をしたり趣味などの深い付き合いを徹底的に行えばよい。しかし収益が小さく既存顧客をたくさん増やさないといけないビジネスでは、既存顧客を増やして関係性を深めて収益を上げて、かつコストを一定に抑えた経営でないといけない。これができないと潰れてしまう。

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これを可能にするのがオンラインでのCRMを「仕組み化」することである。竹花氏がMUPなどのビジネスで実際に行った仕組み化は以下の6つだけであり、順番に説明する。

①人的対応 
②カテゴリー
③フォーラム
④定型メール 
⑤動画説明 
⑥ステップ配信

①人的対応
何でもそうだが、ビジネスの最初は新規顧客や既存顧客あるいは自社のサービス・商品に興味があり、購入するかもしれない見込み顧客から様々なメールで様々な質問や電話で来る。MUPは問合せはメールのみだったがこれらの質問に最初はひとつひとつ人が対応していた。

②カテゴリー
MUPで有料会員が1700人、無料会員が11000人にもなると、質問がかぶってくる。そうなると、例えば各種設定変更の質問であれば「質問A」解約の質問であれば、「質問B」その他にいくつか多い質問があれば「質問C」「質問D」などとカテゴリー分けする。

③フォーラム
特に多い質問のカテゴリーがあれば、インターネットのWEBサイトに質問の回答を載せたフォーラムを作る。

④定型メール
この段階で質問メールへの返信は回答のフォーラムのURLを載せた定型文のメールになる。例えば解約にに関する質問の返信メールの文頭は「ご連絡ありがとうございます。サポート担当の〇〇です。こちらにお問い合わせいただいている内容に関しては(B)をご覧ください。」となり、上記の質問のカテゴリー分けにそって、メールの文には各種設定についての質問の回答である(A)解約についての回答である(B)その他の質問の回答は(C)(D)(E)などと質問の回答フォーラムのURLが載っており、そこから(B)を質問した人に選んでもらえばよい。こうすれば、返信メールを送るのが大変楽になる。

⑤動画説明
サービス・商品を購入した顧客にその詳しい説明や自社のコンセプトを伝えて教育する必要がある。これは動画を使う。竹花氏もインスタ集客やMEO対策のサービスの説明では動画を利用した。

⑥ステップ配信
動画を使うといってもいきなりたくさんの動画を配信しても情報過多になり、顧客に受け入れられなくなってしまう。なので段階的にメールやLINEでステップ配信する。例えば竹花氏はMEO対策のサービスを申し込んだ顧客に会社の公式LINEに登録させた。LINEには1日目に「〇〇さん専用のサポート体制を準備致しまします。しばらくお待ちください。」というメッセージとサービスのコンセプトについての動画が届く。2日目には「〇〇さん、大変お待たせしました。サポート担当の〇〇です。MEO対策の効果をいち早く出すために、お申込み後、行っていただきたいことは、たった2つです。」というメッセージと、申込み後に行う2つのことを説明した動画を送った。動画には顧客に親しみを感じさせるように竹花氏本人や他の社員が映っている。

フォーラムを作ったり、LINEで動画をステップ配信したりするのはそんなにコストもはかからない、かかったとしても数千円であるし人手もかけずに顧客の関係性を深めることができる。これで竹花氏のビジネスの利益率は80%程にもなった。竹花氏のビジネスはオンラインサービスであったが、店舗などの他のビジネスではどう仕組み化するか、リテンション・マーケティングなら先程も述べたように、顧客の悩みや疑問のデータが取れる。まず自社の公式LINEをつくり、サービス・商品を購入した顧客に登録させる。店舗なら自社のサービス・商品を購入した「A」について悩んでいる顧客に、データから顧客の悩みを知った店員が「『A』のことでお悩みなら、いろいろご説明したいんですけど、あいにく、今は時間がありませんから、店のLINEを友だち登録してもらえますか、後でLINEで悩み解決に役立つことを私が送ります。」と言えば、顧客はLINEに登録するはずである。公式LINEは月1000通までは無料で利用できる。LINEはプッシュ型広告ではあるが、開封率が高い。まず1回目に「購入ありがとうございました。」というようなサンクスメッセージを届ける。2回目のメッセージだが人は広告など見ない。人が求めているのは情報である。ここで「A」で悩んでいたり、知りたがっている顧客には2回目に「A」の解決に役立つようなメッセージと動画を送る。同じように「B」「C」のことで悩んだり知りたがっている顧客には「B」「C」の解決に役立つようなメッセージと動画を送る。また「A」「B]「C」などの解決に役立つようなメッセージは、長い内容を一気にすべて送るのではなく、それぞれを3回目、4回目と小出しにステップ配信する。ビジネスライクな宣伝ではないこのような情報なら顧客は見る。こうして顧客に情報を習得させるとそれが顧客の豆知識になるのだ。この時に大事なのは店員の顔をLINEのメッセージや動画にしっかり出すこと、顔を出せば「この店員はこんなにしっかり説明してくれるのか」と関心し店員に好意的になる。そうするともっと相談にのってもらいたいと店に電話をしたり、また店に来るようになって店や店員のファンとなり、リピートにつながる。現に竹花氏のサービスでも、オンラインのCRMによる竹花氏や他の社員が出演しているLINEのステップ配信により、サービスの内容をより詳しく聞きたいという電話問合せが多くなり、数多くのサービスのリピートにつながった。

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最後に出てきた主な用語をもう一度整理する。

・Life time value(LTV)
顧客から生涯にわたって得られる利益

・リテンション・マーケティング
既存顧客に力をい入れて長期に渡わたる関係を維持してLTVを実現させること

・サブスクリプション(サブスク)
商品の購入代金やサービスの利用料を毎回請求するのではなく、一定期間利用することができる権利に対して料金を月額制などで顧客に請求する支払い方法

・ストック型ビジネス
売り切りの収益の割合が低く、サブスクで顧客に毎月代金を支払わせたり、サブスクでなくとも顧客に長期で何度も購入してもらったりして得られる継続的な収益の割合が高い、あるいは売り切りの収益がなく継続的な収益しかないビジネス

・Customer Relationship Management(CRM)
「顧客関係管理」と訳され、既存顧客に適切な対応をすることで既存顧客との良好な関係を構築・維持していくことあるいは、顧客関係管理を行うためのツールのことを指す。

講座のまとめだが

①新規顧客が多いことを喜んではならない。新規顧客の獲得はコストが5倍かかることを忘れてはならない。新規ばかりでリピートがないとやがて潰れる。サービス・商品を売る戦略ではなく売った後にどうすればリピートしてもらえるか、リテンション・マーケティングで戦略をよく練って、それにお金をかけないといけない。これがうまくいけば、新規顧客を獲得する必要もなくなる。

②リテンション・マーケティングを行い、ストック型ビジネスでLTVを実現させるようなオフラインでのCRMを仕組み化できるスキルをつける。質問をカテゴリ分けしたり、フォーラムや動画をつくったりLINEのステップ配信したりすることは勉強すれば誰でもできる。できないのなら、宣伝にお金を使わずに、そのお金を使って誰かに委託してやった方がよい。

③サービス・商品が高額で大きな収益を得られる少数の顧客しか扱わないビジネスであれば、オフラインのCRMを徹底する。ある高級プライベートジムはコロナ前はクリスマスパーティーを開いて、既存顧客同士の繋がれる場所を提供するオフラインのCRMを行ってLTVを得ている。収益が小さく顧客をたくさん増やさないといけないビジネスではLINEのステップ配信などのオンラインのCRMを行う。しかしこのようなビジネスでも余裕ができれば、余顧客をたくさん集めてイベントを開くようなオフラインのCRMを行ってもかまわない。UR-Uでも、コロナ前は様々なオフラインイベントが盛んに開催されている。

④商品・サービスを売り、あとは顧客任せ、顧客からの問い合わせがあってはじめて会社は問題を解決したりクレームに対応する「待ち」の姿勢は「カスタマーサポート」という。そうではなく、顧客が商品・サービスを購入しての理想を実現することに積極的に会社が長期で関わり、LTVを最大化する「攻め」の姿勢を「カスタマーサクセス」という。これからの経営はこのカスタマーサクセスの時代でもある。それに欠かせないのがリテンション・マーケティング、ストック型ビジネス、CRMなのだ。

MUPは今「UR-U(ユアユニ)」というオンラインビジネススクールの一つの学部になっています。大炎上した竹花貴騎氏が主宰していますが、ビジネスに役立つ様々な学部があり、炎上を物ともせず発展を続けています。無料体験もありますので、ご興味があればのぞいて見てください。

公式HP:https://www.ur-uni.com/
公式IG:https://www.instagram.com/mup_college/
公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCrjIm2uu9IrR5gyst0tH6Ww

それではおまけです

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この前の家の近くのイオンで6キロもある大好物のスイカを1000円でゲットだぜ!ヾ(*´∀`*)ノ
訳あってこの6キロのスイカを筋トレ感覚でイオンから13分ぐらい歩いて家まで担いで持って帰る重いがこれくらいは大丈夫
大きさをわかりやすくするためバナナと写真に撮った( ̄▽ ̄;)
切って食べたが1000円なので、あんまり甘くないがないよりまし( ̄▽ ̄;)
しかし安いスイカはうれすぎていたりするので傷むのが早い、傷んだスイカはまずくてさすがに食えたものではない(+д+)
スイカの時期ももう終わり、今年は季節はずれの長雨のせいか、あまりスイカを食べれなかった(+д+)
来年はたくさん食べたいなあo(^o^)o

ではスイカに目がない「師子吼する」でした。ありがとうございました。

2021年8月31日

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