人付き合いとは、気遣いで、それは木使い。 人と上手く付き合えない人が林業から学ぶ。

この世に生まれて25年。
林業をはじめて1年が経つ。

まず結論。

1.上手に木を動かせないのは、何かに'かかっている'か、'かかっていない'から。
2.人付き合いで困った時は、何かがつっかえているから。

きづかい

木使い

林業って何してるの?とよく聞かれます。

定義は人それぞれ、やってることも人それぞれありますが、多くの林業事業体がやっているのが、「木材の素材生産」。

生活の中にあるほぼ全ての木は、一本一本切り倒されて、山から町に運ばれているのです。

木材素材生産の流れ
伐倒 木を切り倒す。

造材 枝を落とし、市場に出す長さに切る。

集材 運搬車へ載せる。

運材 土場まで運ぶ

搬出


例えば「集材
最近は便利な機械があって、UFOキャッチャーのように木を掴んでトラックに乗っけるグラップルというものが主流だ。
グラップルの手が届かない場所はウィンチ(ワイヤー)で木を引っ張る。

全木(倒したままの状態)のときもあれば、造材(市場に出す長さに切った状態)のときもある。

機械の力で引っ張るため、重たくない木であれば大抵動くのだが、動かないときがある。

根株、岩石に引っかかっている。
ワイヤーを引く方向や支点が悪く、機械の最大限の力を使えていない。
摩擦が大きい。

理由は現場によっていろいろ。

そんな時、トビやなんかで少しベクトルを変えてあげて、摩擦が大きいところを解放すると、またスイスイと上がっていって、この力が解放されていく瞬間が気持ち良くて、たまらなく好きだ。

(今はまだうまく動かせないことばかりなんだけど)

力がかかって動かないと、どうなるか。

ワイヤーが切れるならまだマシで、最悪の場合機械が負けて倒れてしまう。危ない。
これ、死亡事故も年数件報告されるくらいすぐ隣にあること。危ない。

だから少しずつ慎重に、支点摩擦障害物なんかを確認しながら、ある時は力を解放し、ある時はベクトルを変え、またある時はゆっくりと落とす。
一つ一つ確認しながら動かすことが大事なわけです。

きづかい

気遣い

社会人1年目、「人にお茶を出すことが気遣いである」と、学んだ。

本当にそうなのかなあと始めの頃はかなり疑問で、そもそも
お茶を出す=気遣いの構図が理解できませんでした。

でも、「お茶を出す」が、相手の何らかの障害を解消する行為だと思うと、納得できるのです。

初めての場で仕様がわからず手を出しにくいとか、会議中でタイミングがなくなかなか立ち上がりにくいとか、たくさん喋っていて喉が乾いているとかね。

人付き合いも、同じだと思ったのです。
上手くいかないのは、相手との間に何らかの障害や、摩擦があるから。

人付き合いと言っても、不特定多数を思い浮かべてはいけなくて。
一人一人と向き合ってみると、相手によって摩擦がかかっている位置が違ったりします

綺麗好きな人と、気にならない人
プライドの高い人と、優秀な人

いろいろです。

だから自分が悪いわけではなくて、その摩擦や障害物が原因なわけです
そんな時、自分に原因がある、悪いのは自分という見方もある。圧倒的自己責任論。
メンタリティ的に何も間違えていないけど、でもそれって結構しんどくない?

だら少し視点を変えて考えてみる。

相手の摩擦はどこなんだろう
自分との関係性のなかでどこが障害物なのか
よく観察して、そこを解放してあげるのです。

上手くいかないこともあるでしょう

林業だと、その上手くいかないは死につながる恐れがあり、そんなことも言ってられないのですが、、、
人間関係、悩んでいるあなたは、上手くいかなくてもそうそう死には繋がりません。

でも、そんなのも練習。
ひとつひとつ、少しずつ、解放していくしかないんだす。

大丈夫。できるから。

人間関係で悩んでいるような、そんなあなたは、よく人を見ている。自分を大切にできる。だから悩むんです。

いつのまにか誰かに話しかけているようになってしまいましたが、最近上司から見放されて悩んでいる私のお話が少しでも誰かの力になったら嬉しい。

かるぼ

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