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鹿児島~熊本旅行③ 湯らっくす、味の屋台村

最終日は、まず最初にサウナ界で話題になっている「湯らっくす」へ行くことにした。朝6:00。眠い目をこすりながら向かう。湯らっくすは24時間営業だが、浴場は8:00~10:00清掃のため入れなくなるからだ。正味、滞在できるのは1時間30分というところか。熊本城ホールの下にある巨大なバスターミナルからバスに乗る。

飲める水風呂!サウナマニアが集う「湯らっくす」

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入口に「MAD MAX」の旗が見える。なぜMAD MAX?施設内は撮影禁止だったので、画像は下記「サウナイキタイ」から見ていただければと思う。

しかし上記を見て向かったのだが、水風呂は変わっていた。いい方向に。まるで要塞のようになっていたのだ。拙い絵だが下記のような感じだった。

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普通の水風呂と違うのは、「立って入る」ところだ。最深部はなんと171cm(※男湯と女湯で深さは異なるらしい)もある。足がつかない方もいるだろう。そして、通称「MAD MAXボタン」を押すと、滝の水量が増す。綱につかまり、滝に打たれてもがきながら体を冷やす。水責めだ。でも水が飲めるし、ウマいから問題ない。天然水なのだ。これは衝撃的な体験だった。

サウナ自体もとても凝っていて、「メディテーションサウナ」が気に入った。暗くて狭い部屋で、風の音や、鐘の音が時折聞こえる。集中力を高めるBGMらしい。考え事をするのにうってつけだろう。メディテーションサウナを出てすぐ横に、水道の蛇口があった。もちろんこの水道からも天然水が出るわけだ。熊本の水は本当に美味しい。

こんな充実ぶりだったので、1時間30分はあっという間に過ぎた。ホテルまでの帰りは散歩がてら徒歩で帰った。

熊本の日本酒が多数揃う 中央区 三嶋屋

ホテルまでの帰り道にふと酒屋を見つけた。見るからに地酒へのこだわりを感じる外観だ。朝9:00から営業しているので、ホテルで少し時間を潰して再度訪れた。

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「花の香」は熊本の地酒だ。中へ入ると、日本酒・焼酎が充実していた。お店の方に撮影を申し出ると、快諾していただけた。

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青森「陸奥八仙」や山形「出羽桜」なんかも置いてある。九州で東北のお酒を取り扱うなんて、相当のこだわりようなのではと思う。お店の方といろいろ話して、県外にはほとんど流通しないという「泰斗」「雲雀」を購入した。

今こうして思うと、地元だけで消費されているお酒ではなく、県外のお客向けに売っている方を買うべきだったかな、と少し反省した。ついつい珍しい酒に手を出してしまう。

熊本には、日本酒を造っている蔵はだいたい7~8軒だそうだ。日本酒の吟醸酒の発展を牽引した「協会9号」を生み出した県と思うと、正直少ない印象。

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焼酎コーナー。さすが九州、黒木本店の焼酎が普通に売っている。「熊本の水は美味いですね」と言うと、「小さいころからずっと飲んでいるから良くわからないんですよー」とのことだった。世間話をいくつかして、お店を後にした。良いお店だった。

建物から温泉まで手作り 味の屋台村

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時間は9:30。12:45の便に乗る予定なので、約2時間くらいはあるだろうか。帰りは熊本空港でレンタカーを乗り捨てる予定だったので、「ホットドック四つ葉」に寄りたいところだったが、14:00開店とのことで諦めた(直前に気付いた…)。そこで、好きなライターのスズキナオさんが最近投稿されていた気になるお店「味の屋台村」に行くことにした。よし、ここなら空港からもそう遠くはない。急いで向かった。

お店にはちょうど開店時刻の10:00に到着した。食事をして空港へ向かえばちょうどよさそうだ。温泉にも入りたかったが、この日だけか分からないが、まだ入れないとのことで諦めた。

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店に入ると、大木が目に留まった。上記の他にも、異常なまでにデカい切り株も横たわっている。(写真撮り忘れた…)この地に生えていた木だろうか。初日に見たクスノキを思い出した。

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お店の方から、「馬丼がおすすめですよ」と教えていただく。食べるなら間違いなく馬丼なのだろうが、どうも昨日食べすぎたからか胃が重たい。(「らむ」からの帰り、一人旅の最終日ということでテンションがあがり、ホテルでたこ焼きだのポテチだのを肴に痛飲してしまった…)ここは胃をいたわり、「だご汁」と「馬すじホルモン」を注文した。「トマト」「ラッキョ」も気になるが…

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改めて店内を見渡してみる。店内は全体的に木と石でできていて、味のある小物などが並んでいる。お店の中から温泉へも行けるようだった。温泉入りたかった…

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店内は雑多な感じで、ひなびた店好きにはたまらない感じだ。妙に落ち着く。

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価格が消されて書き直してある。「68円」に読めてしまうので、横書きに直したのではないかと推測して可笑しかった。

店の外を眺めたり、店内の小物を見ていると飽きることはない。エアコンに、「テレビなになにで放送されました」「ダーツの旅が来る!」といったような事が書いてあった。ところどころに破れも見られる。こういうのって、いつから貼ってあるんだろう…。なんてセルフ孤独のグルメごっこをしているうちに、料理が到着した。

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「だご汁」、「馬すじホルモン」。どちらも600円。

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馬すじホルモンが想像以上に多くてびっくりした。600円とのことだったが、馬肉は高級食材というイメージがあるから、この1/3くらいの量だと思っていた。しかし、これはちょっと大き目な茶碗1杯分くらいある。しかもだいぶコッテリしてそうだ。胃をいたわって馬丼を避けた意味がない…と少し後悔した。

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ところが、箸をつけてみるとこれが意外にくどくない。甘辛く煮てあるものの、舌にまとわりつくようなことはなく、さらっと食べれる。以前何かの記事で、馬肉や鹿肉などの肉を食べて「クセがない」と表現するのはどうなのか、表現として乏しいんじゃないか、という記事を見て完全同意したのだが、どうしてもこうした普段一般的に食べない馬肉や鹿肉、猪肉には臭みがあるという思い込みがあるためか、美味しいと真っ先に「クセがないな」と思ってしまう。よし、それでは「ピュアな味」というのはどうか。馬肉は、筋肉のピュアな味がする。重要なんで強調してみました。

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さて、だご汁の方に箸を向ける。上に載っている肉は豚肉だった。たくさんの具がくったくたに煮込まれている。ちくわ、人参、大根、高菜?などなど。おでんを作ると、翌日汁がもったいなくて具を継ぎ足すこと3日。そんな底の方に残った猛者達のようなこなれ具合だ。なかなかお店では味わえないが、煮込みを追求するとここまで煮込むべきだろう。汁をすすると、見た目以上に優しく、味噌がベースのシンプルな味で、疲れた胃によく染み込んでいく。しかし後味は奥深さがあって、飽きることがない。

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「だご」は「だんご」がなまったものだそうだ。しかし見た目は団子というより、いびつな平べったいもので、麺に近い。これは、地粉を練るというようりゆるくといたものを、スプーンとかで熱湯にたなびかせるように落とし、掬い上げて作るのだそうだ。昔、クッキングパパで読んだので間違いない。そんな作り方なので、ひだができたり、いびつな形になる。この形が、汁をうまい具合にからめとってくれている。だご→馬すじ煮込みを繰り返し、気が付いたら完食していた。

お会計時に、お店の奥さんと思われる方に「東京からスズキナオさんという方の記事を見て来たんです」というと、「えっ!スズキさんの!あらまあ!」と、とても驚いて喜ばれ、奥からご主人も出てこられた。ご主人も大層喜ばれて、「ありがとうございます、よく来てくださいました、ありがとうございます」と何度も頭を下げられた。「来週、ダーツの旅も来るんですよ!」なんと、あの告知は未来のものでしたか。

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こちらは別館の温泉。外に出て、車をターンさせているとご主人が見送りをしてくださって、また深々とおじぎをしていただいた。こちらも頭を下げ、道へ出てサイドミラーで見ると、遠くから手をふってくださっていた。

東雲の里 草の居でも感じたが、「誰々の記事を見て来たんですよ」と伝えるとお店の方は大層喜ばれていた。表情が和み、急に距離が縮まった感覚がわかる。こうした一言って、お店の方にとってものすごくモチベーション維持に貢献できるんじゃないだろうか。今回の旅の大きな気づきだった。

空港で「いきなり団子」を食べて、旅が無事に終わったことを妻に報告する。いい出会いばかりの素晴らしい旅行だった。最初から見てくださった方、ありがとうございました。

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