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むにみずべ 北海道編01 カムイワッカ湯の滝

北海道は知床の秘境、こちら知ってますか?

日本各地に、草をガサゴソかき分けて辿り着く野湯ですとか、自分で河原を掘って出てくる温泉はいくつかあるものの、
「温泉の滝」という夢の膨らむ場所こそ、
知床の奥にある、夢の秘湯カムイワッカ湯の滝です。


むにみずべのポイント

温泉の滝

こちらのポイントは圧倒的にその体験の面白さにあります。
そんじょそこらの沢登りとは違い、足湯に浸かりながらジャバジャバ歩き、行った先には滝壺の温泉が待っています。

ちなみに2005年までは、4つある滝の最上段、4の滝まで行けたようで、上に行くほど温かくなるのもあって、大変な人気だったようです。

ムニが訪れたのは2017年。崩落の危険から、最下段の1の滝までしか行けませんでしたが、それでもこの面白さは忘れられません。

ちなみに夏の終わり、知床では少し肌寒いくらいの9月中旬に行ったために、だいぶ寒く滝に全身浸かる物好きは自分しかいませんでした。

実は2023年より、完全予約制のガイド付きツアーになって、安全を確保の上4の滝まで行けるようになったので、ぜひ行ってみてください


なぜカムイワッカ

北海道の地名とあって、これもアイヌ語由来になります。
「カムイ」は、史上最強漫画の一つ、ゴールデンカムイなんかでも使われるので分かる方は多いかもしれませんが、神様の意味です

そして「ワッカ」
漫画じゃないですがこれも実は聞いたことあるやつと一緒なんです。
それは北海道最北端で、ロシアの樺太まで43kmの宗谷岬がある、稚内(わっかない)
意味はです。ナイは川の意味で、ヤムワッカナイ、冷たい水の川と呼ばれていたようです。

というわけでカムイワッカの意味は、、
神の水。
え、なにいきなりカッコい…

あんま関係ないですが、読んでから北海道旅行するととっても面白いです



知床硫黄山から流れる硫黄

江戸末期の調査時から、硫黄の流れ出る川として知れ渡ったカムイワッカ川。
まぁそりゃ焦りますよね。当時硫黄は火薬製造に必要な超重要戦略物資ですから、衝撃も走るわけです。
今で言うなら、そうですね、2ナノメートルの最先端半導体とか、ディープラーニングに関する未発表論文がドバドバ流れてくる川って感じです。

アイヌも硫黄は焚き付けに使っていたようで、だからこそ神の水だったんですね。

ルシャ湾へ続く知床林道

東京で生きていると、なぜそこに水路があるのか気になることはありますが、なぜそこに道があるのかは全く気になりません。
しかし、人間の世界の端っこにある知床では、人工物が大変珍しい存在です。カムイワッカまではバスで行けますが、通って行く林道だって今あるのが奇跡のような気がしてきます。

この知床林道は、1962年着工1969年に完成したもので、8年に及ぶ大工事だったようです。

あ、そういえば1961年にケネディのアポロ計画発表から1969年のアポロ11号の月面着陸とほぼ同じですからね、知床のアポロ計画、なんて呼ばれてもいいかもしれません。

1964年に知床は国立公園に指定され、以降は保護の時代に入ります。そう思うと、森林資源のために作られたこの林道も、あと数年遅れていたら、カムイワッカ湯の滝も、トレッキングでしか行けない秘湯になっていたでしょう。

自然保護は必要ですが、自然破壊の時代の産物で人間は生かされています。水辺なんて本当にそのようなことばかりです。


以上、大きな自然と小さな人間の織りなす北のむにみずべでした。

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