むにみずべ 埼玉編02 地下神殿最深部へ 首都圏外郭放水路
もうずいぶん有名な地下神殿。2021年夏から行けるようになった最深部、これ知っていますか?
さいたまの逆襲
伝説の米バンドQueenの傑作映画、ボヘミアンラプソディの興奮が日本を含め世界中を席巻していた2019年初頭。
世界の片隅のある地域では、革命が起きていました。
約2倍の人口を抱える東京を凌駕し、都道府県別動員数の首位を奪い去り、ボヘミアンラプソディの動員数をも超えかねないという超局地的メガヒット映画、「翔んで埼玉」です。
「埼玉県民は通行手形がないと東京に入れない」「埼玉県民にはそこら辺の草でも食わしておけ」などと、昨今のコンプライアンス時代にてんで似つかわしくない奇跡の映画ですが、当の埼玉県民の心を鷲掴みました。
劇中、虐げられたさいたまを救うべく立ち上がった革命家達が集まる場所として登場するのが、今回のむにみずべ、首都圏外郭放水路です。
さいたまを救う地下の放水路
そもそもここは、革命家が集まる前から、
埼玉を救うべく造られました。
県東部を流れる大落古利根川や中川といったおチビ川から溢れるのを止めるべく、増水した水を地下で流し、堤防がバッチリできてる親玉の江戸川にポンプで流し込もうという大作戦です。
そしてその第一立坑に貯まった水を直接ポンプに流し込むのではなく、一度流れを緩め、またポンプ緊急停止の際の逆流を止めるために生まれたのが、調圧水槽、長さ177m幅78mに及ぶ、地下神殿です。
いざ地下神殿のダンジョン攻略へ
というわけで、いよいよ地下神殿たる調圧水槽に侵入。
未だに生きて帰った者しかいない安全なダンジョンです。
いやはや神々しいですねぇ。
インフラツーリズムが流行っちゃうのも頷けます。
並び立つ平べったい列柱は、各時代の王の功績を記すために建てられた訳ではなく、地中に水槽という空っぽの空間を埋めることで生じる強烈な浮力に対抗するための重石として作られています。
ふと振り返れば、水が入ってくる入り口の第一立坑が見えます。
通常の見学コースはここまでですが、今回はインペラ探検コースと呼ばれる最深部への到達ができるものなので、もう少し奥に進んでみましょう。
泥の溜まる水槽
ロープを張られた手前から奥に進むと、泥の除去が終わっていないゾーンに入ります。年に7回程度、この水槽に水が貯まる際には、一緒に泥が流れ込んできます。その度に掃除した上で、公開をしているそうです。大変だ。。
インペラコースのみで行く奥の部分は除去されず残った泥があります。
奥が近づいてきました。
今回到達を目指す最深部とは、調圧水槽に貯まった水を汲み上げるポンプのプロペラ部分、インペラです。バカでかい羽を、飛行機のジェットエンジンでギュンギュン回して排水するそうです。
この奥の陰になった先にインペラが眠っています。
ラスト、クライマックスの水中歩行
いよいよ地下神殿最深部が近づいてきました。しかしそこには水面が立ち塞がります。奥に向かって床が下がり、水が溜まっているゾーンになります。深いところでは、太ももくらいの深さがあるとか。
ここを歩いていく訳ですが、そのために既に我々は重装備で臨んでいます。
ちょいブカブカで若干心許ないウェーダー。どうぞこのまま入ってくださいと言われるがまま水中に踏み出します。
案外水中に入ると水圧でブカブカウェーダーが密着。突然歩きやすくなります。
そしてあっという間に深いゾーンへ。
実は、足長いねーとよく言われるムニ。先日アフリカ某国へ出張した際、サポートをしてくれた現地の方は頭ひとつ、30cmほど大きい2mの巨人でしたが、なんと足の長さはほぼ同じ。いやはや、すごい長さです。
にも関わらず、あっという間に太ももまで水がきます。
要はただの自慢です。
最深部インペラへ
とうとう辿り着きました。この巨大羽が、水槽の水を排水するべく回るインペラです。実は全部で4つあり、同時に回せばたった1秒で25mプール1つ分を排水することができるらしいです。す、凄まじい。。
そしてふと振り返ると、、
水面に映る地下神殿が見えます。
いやはや最深部にふさわしい。これが洪水の防止という大事な目的のために生まれた空間というのだから、面白いですね。
元々大人気だった調圧水槽の見学に加え、インペラまでジャブジャブ歩けるコース作ろうよ!という会議がどこかで行われたからこそ生まれたこのコース。いつかそんなむにみずべを生む会議に出たいです!!
以上、さいたまを救う地下神殿。首都圏外郭放水路のインペラ探検コースでした。
ご予約はお早めに。
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