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むにみずべ 東京編01 運河カヤック

記念すべき最初のむにみずべは、運河カヤック。これ、知ってますか?

大都会、横から見るか、下から見るか

隅田川・神田川・日本橋川をめぐる脅威の15㎞カヤック。それとなく行くか聞いてみた彼女は即答で、15㎞手漕ぎなんて行かないとのことで、急遽ほぼ初めてカヤックを漕ぐムニフレンドを誘って行ってきました。3つの川それぞれ違う面白さがあり、歴史があり、最高のむにみずべです。

むにみずべのポイント

このむにみずべの最大のポイントはやはり歴史です。
東京には多くの川や運河がありまして、古くは徳川家康の江戸入城から始まる、天下普請(てんかぶしん、要は全国の皆んなでやった大工事)で出来上がった巨大水網都市なのです

徳川家が江戸で行った水に関する大工事は、主に3つ。
⒈飲用水の確保
2.江戸城の築城
3.交易路の確保

今回のむにみずべは、3の交易路確保の一貫として神田川を開削したことで出来上がったもの。

そびえ立つ御茶ノ水渓谷

江戸時代のお茶の水渓谷
いまでもそびえ立っていますねぇ

古くは今の日比谷あたりまで海が入り込んでいた江戸で、江戸城はまさに陸の先端に作られた城でした。私達からするとその後平和な時代になって攻めてくる敵がいないことは知っていますが、当の家康からしたら戦国の世の続きですからね、もちろん城の守りはガッチガチに固めていきます。
城の東側は海だから良いとして、気になるのは台地が続く北側。なんか堀でもないと誰か攻めてきそうですよね。そこでズバンッと陸を切っちゃうのが徳川家です。天下人はスケールが違う訳です。
運河カヤックの見せ場の一つ、神田川で20mも崖がそびえ立つお茶の水はまさにそうして出来た人工の渓谷です。
しかもこの工事、いかにも北から江戸を攻めてきそ〜な伊達藩にやらせたので、仙台堀などとも呼ばれます。たぬきのいやらしさが出てますね。

柳橋 水上交通ターミナル

浮世絵でも、手前の柳橋には船が多くあります
今では屋形船が集積する柳橋

神田川は防衛のためだけでなく、日本橋川という小さな川に流れ込む水を分ける洪水対策や、神楽坂辺りまで遡上できる都心の水上交通網としても機能しました。
そう、水上交通。江戸では車も鉄道もないですから、船が大活躍です。都心に近い神田川と隅田川の合流地点、柳橋はその一大ターミナルでした。特に猪牙舟と呼ばれたウォータータクシーに乗って行く先は、夜の楽園、吉原遊廓。船で乗り付けちゃうのは粋な男の嗜み。さながら歌舞伎町に真っ白なリムジンで乗り付けるようなもんですかね。そう言われると格好良いのかはよく分かりませんけど。
吉原遊廓は浅草の裏にありましたから、柳橋から船に乗って隅田川を遡上し、浅草で降りて日本堤という堤防の上の道を行きました。湿地帯の中に造られた堤防の道は吉原大門に向かうことから名付けられた大門通りとして現在の地図でもはっきりと分かります。話が逸れちゃいました。
という訳で船の集まった柳橋、実は今でも大量の船が泊まっています。屋形船です。当時から船を手配していた船宿は今でも脈々と商いを続けており、多くは屋形船を運航しています。
そんな船溜まりをかいくぐりながらカヤックを漕げるのは、やっぱむにみずべです。

日本橋川 河川の半屋外空間

高速の高架がうねる昼の日本橋川
闇夜に浮かぶ、夜の日本橋 この風景ももう見えなくなります

東京の川は江戸が終わり明治大正昭和と時代が下る中で、交通網として活用されてきました。最初は船が通る水路として、その後は鉄道用地、高速道路用地となりました。
今話題となっている日本橋の上の首都高地下化工事、まさに高速道路用地として日本橋川が使われたことに端を発しています。
ちなみにムニ個人としては地下化しなくても良いのにと思っています。水辺に世間の注目が集まるのは非常に嬉しいですけどね。

地下化しなくてもいいと思うのは夜の顔を知っているからです。夜の日本橋行ったことありますか。高速道路高架に埋め込まれた照明がライトアップされた日本橋と合間ってとても格好いいのです。しかも夜の暗い川をクルーズしていくと、日本橋周辺だけがボワッと明るくなっていて、感動的な光景を作っています。今や韓国でも高速道路地下化の事例がありますから、地下化それだけではオリジナリティーは出せません。むしろ屋根があることで全天候型のむにみずべになるのにと常々思うところです。逸れてしまいましたが、日本橋川の上にかかる高架橋にはそんな歴史が詰まっています。

隅田川 巨大スケールのD/H

でかい、ひろい、隅田川
(今回のルートよりちょっと外れた位置ですが)
隅田川沿いのでかいものは、川から撮るとカッコいいものが多いです

最後に、隅田川についても語っておきますかね。
正直カヤックで隅田川を漕いでる時は波が凄くて、歴史に思いを馳せる間もない激しめのアクティビティです。まぁそれもまた面白いんです。
川が先か街が先か、鶏と卵のような密接な関わりで都心を貫く隅田川。幅150m以上もある平らな場所なので、スカイツリーや石川島のリバーシティのようなビックな建物がそれはそれは格好良く見えます。ちょいと専門的なとこではD/H(でーばーえいち)って言うんですけどね、見る建物や風景の対象物の大きさによってどれだけ離れるとちょうど良いかが決まってるのです。ムニは建築が専門なのです。

いやー書きすぎたかな。でもカヤックで漕ぐと15kmの道のりを3時間くらいかけて行きますからね、この位語ってもまだ語り足りないのです。ムニフレンドも都市大好きオタクで良かった。

まとめると、むにみずべの条件は下記でしょうか。
東京01 運河カヤック
・都心15kmを漕ぐカヤック体験
・大きな川やそびえる崖、そしてビル群の間を縫う川
・江戸から現代まで折り重なる独特の景観

体験できるのはこちらです。
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