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第3回【編集】ゲームメディアの編集長って何をするの?

第0回で書いたとおり、筆者はいくつかのゲームメディアで編集長を務めてきた。残念ながら、編集や編集長というのがどういう仕事なのか、いまいち理解してもらってない場合がある。ライターの仕事はわかりやすい。実際に書く仕事だし。でも、「編集」は何をしてるん? 編集長ってエラそうにしてるだけ?なんて思っている人もいる。そこで今回は、ゲームメディアの編集長とはどんな仕事なのかをお伝えしよう。

そもそも編集って何をするの?

まずは「編集」の仕事を説明したい。会社によって違ったりするし、何なら同じ会社でも編集部によって違うことも多いので、あくまで自分が知ってる「ゲームメディアの編集」なのでそこはあらかじめご了承いただきたい。

さて、編集とはどんな仕事なのか。主な仕事としては、だいたいこんな感じだ。

「掲載する記事を企画し、その記事を書いてもらうライターを手配して、必要に応じてライターと一緒に取材も行い、執筆してもらう。原稿を受け取ったら中身を精査し、企画意図に合ってなかったり足らなかったりしたら、加筆修正してもらうこともあれば、編集自ら修正したりもする」

記事を企画するうえで大事なことは、メディアの方向性やポリシー、いわゆる編集方針に合った記事がどうかである。そのメディアのターゲットは何歳で、男女比はどのくらいを想定していて、何に興味を持っている人に読んでほしいのか。その読者層にどういう記事を提供するのか。

編集会議等で記事掲載が決定してから、執筆するライターに発注するのである。

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▲読書はすっかり電子書籍に。最近、Kindle Oasisをゲットした

編集長は何をするの?

で、編集長の仕事は何なのか。それは「あらゆる判断と責任」だ。「選ばれし者の恍惚と不安、二つ我にあり」なんて言葉があるが、編集長とはまさにそんな仕事だと思っている。

編集部員らから上がってきたさまざまな企画に対して、「よしやろう」「それはナシ」という判断する。読者が欲している記事になっているか、読者が喜ぶ記事になっているか、読者に新しい気づきを与える記事になっているか。その記事を作るために動き出していいかどうかの判断は、原則として編集長が行う。

紙の雑誌なら、印刷する前の最終段階、いわゆる校了も編集長にとって大事な仕事だ。できあがった記事をライター・編集部員・デザイナーらがチェックし、「これらをすべて直したら印刷しちゃいますがいいですか?」という段階で最後のチェックをする。

WEBメディアなら、記事の重要度(トップページでの掲載順)の判断は編集長が行うことが多い。

このようにすべての判断を行う……ということは、その責任も編集長にある。トンデモないミスがある状態で記事を掲載・公開した場合は、菓子折を持って謝りに行くこともあるだろう。筆者もそうした経験が少なからずある。どんなミスだったか詳しくはアレだが、あるときは丸坊主にして謝りに行ったりもした。

これは筆者のイメージだが、編集長は知事に近いと思っている。編集長は出版社に属しながらも、担当しているメディアについてはほぼすべての権限を持っている。編集長はそのメディアを思いのままにできる楽しさがあるが、何かあればその責任は取らなければならない。

まとめ

その他にも編集長がやる仕事はいろいろある。ゲームクリエイターや広報さんと会食したり、メディア(部署)の予算を決めたり、部数を決めたり、KPIを設定したり……。そんな中でもいちばん面白いは、上記のような記事に関わる判断の部分だ。掲載を決めた記事が大きな反響を呼んだときはやはり嬉しいし、反応がないとガッカリするし。

今後も自分が関わるメディアでは、読者が読みたい記事を作る嗅覚と、その感覚を磨く行為は忘れないようにしたいと思っている。

では、また。

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