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【19日目】アタマを使うのは「どんなとき」か(セカイのトリセツ)

◆【アタマ】の話を始めよう

 モトの動作原理から宇宙の構造、そしてその中にある【ココロ】の存在意義……といった、ちょっと小難しい話が続いているのかもしれません。難しいと思ったら本をおいて、アタマを休めながらゆっくりマイペースでついてきてくださいね。

 ここからは、前回書いた通り、僕たちに生まれつき備わっている【三つのパーツ】のひとつである

【アタマ】

というものが「なぜこの宇宙にあるのか?」という話です。この話を始めるにあたって、改めてちょっとここまでの話をまとめてみましょう。


◆人生は「修業の場」なの?

 ところで、スピリチュアルの世界では「人生は修業の場」などとよく言われます。僕たちの人生に災難が降りかかるのは、この世界そのものがタマシイかなんかの「修行」だからだ、という理屈です。
 確かに、災難や苦難、そしてそこまでとはいかないけどイヤな出来事というのは、時折僕たちの精神的な成長を助けてくれます。ですが、一生苦しみ続けるような深い傷をココロに抱いたまま生きていくのはイヤなものですし、そんなに苦しいだけの一生なんて歩みたくないのが人情ってもんです。

 これまでは「人生というものがどういう『現象』なのか?」というちゃんとした説明がなかったからこういう「人生はそれそのものが修行」みたいな話になってしまっていたんだと思います。確かに、そうだったら「良くないことが起こる理由」につじつまが合う気がします。ですから長らくそういう「良くわからないけれど納得できそうな理由」が信じられてきたのでしょう。

 ですが、僕たちには『モト』があります。モトという新しい考え方に照らせば「宇宙というものがどこへ向かっているのか」がハッキリわかります。ですから僕たち宇宙の住人である生き物も、その「宇宙のゴール」を目指せばよい、という『結論』が出るわけです。それはすなわち「モトをいっぱい集めましょう!」ということです。
 これは入門編からずっと、何度も何度もみなさんにお伝えしていることです。入門編の、それこそ一番最初からずっと書き続けていることなんです。その根拠が、この本でここまで話してきた

「宇宙とココロの関係」

という話だったわけです。難しい話なんですけど、大事な話でもあるんです。

 じゃモトあつめ頑張るぞ! でこの話が終わるかというと……そうじゃないから「修行」なんて話になるわけですよね。具体的には、僕たちのモトあつめには【大いなる矛盾】というシステムが邪魔しにくるわけです。
 相手の考えることがわからない、自分の未来もわからない。そういうルールのもとで殺し合いをしなければいけない……考えてみたら、生き物というのは全部が全部この『システム』のもとで生きています。理不尽なものです。


◆幸せに「なる」ために必要なパーツ【アタマ】

 他の生き物を捕食して生きる野生生物は、三大欲求(食事・睡眠・生殖)を満たすために必死で生活しているものです。これらは「得よう」と考えて動かないと、得られないからです。
 一方で人類は、これら三大欲求を十分に満たせる社会を工夫して作ってきました。先進国と言われる社会では、ほぼ達成されていますよね(格差社会という問題もありますが……平均的にです)。それでモトがいっぱいになって全員幸せになったのか、というと……それでも、やっぱり「寂しさ」によって『モトが減る』という状況が生まれてしまいます。
 一つ思い出していただきたいのですが、初級編で「寂しさ」について書いたとき、

ココロのモトは何もしないと減っていく

初級編【15日目】『寂しさ』のメカニズムとモトの「消滅」

と書きました。普段から意識して「モトを集めよう」と考えていないとココロはすり減っていくと(もちろんモトのことを知らなくても「楽しいことをしよう」などと考えて行動すると、モトは増えます)。

 ですからやっぱり「能動的に」「自分から」モトあつめをしていかないと、僕たちは幸せな人生を歩めない『システム』『仕組み』になっています。

 このときに働かせるのが、今日のテーマである

【アタマ】

なんです。

 野生の世界なら「どうやったらうまく獲物をとれるか」、人間社会なら「どうやったらより豊かで安心できる幸せな生き方ができるか」をこの【アタマ】を使って必死に考える必要があるものです。ここがうまくできないと、結局は勝手にモトが減って、寂しさや不安感が増していくのです。

 実はこの

  • アタマを使ってモトの流出を抑え、逆に増やす

という行為は、ココロが持っている本来の性質

  • 注目したものにモトを飛ばして減らす

真逆のものです。これらが真逆だから、入門編で書いたような

【アタマとココロのケンカ】

入門編【8日目】ココロとアタマ、そして『三つのパーツ』

というものが起こるのです……ストレスというものの根本原因はこれだ、とあの時書きましたよね。

 実はね……ここのところ書いている『宇宙の話』とこの話が、ここでつながるんですよ。アタマとココロがケンカするのはなぜなのか? 宇宙にゴールがあるのならば、当然その目的に沿ってこういう現象が起こっているはずですからね。


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日南本倶生(みゅんひはうぜん)
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)