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【16日目】浮気と許しと「愛の練習相手」

◆『許す』という行動とは

 ここ何回か「パートナーの浮気はなぜ自分のココロを苦しめるのか?」という『仕組み』の話をしてきましたね。

 結局、全ては「自分の中で起こっていること」であって、相手の行動がどうか(本当に浮気をしているのかどうかすら)とは関係がない、という結論になるのですが……なかなかアタマでは理解しづらいのではないかと思っています。

 それほど、アタマの中の信念

B【浮気は許せないものだ】

がゆるぎない、ということなんです。これを「手放して許す」なんてムリ! と思っている人も多いでしょう。

 実は、相手の浮気で自分が苦しまなくなる唯一の方法は(唯一、ですよ)

相手の浮気を心から『許す』こと

なんですが、そうするためにはまず

『許す』というのは具体的に何をすることなのか?

という「メカニズムの知識」が必要になります。これについては、上級編の一番最後でお話します。

 なぜ一番最後か? というと、この「許す」という行動は、人間が(つまりあらゆる動物が)行うことのなかで、

一番難しく、かつ知的な行動

だからです。

 「浮気なんて相手とパートナーをぶん殴ったらいいじゃん!」という「動物的な衝動」と一番遠いところにある「知的行動」が『許し』なんです。だから浮気のような、自分のココロを大きく揺さぶる相手の行動を「許す」には、かなり高度なモトの知識と、そこから分かる「自分や相手がこの世に生きている理由」の理解が必要になります。

 今この時点で「浮気を許すにはどうしたらいいか?」をきちんとお伝えできないのがすごく歯がゆいのですが(みなさんもそうかも知れないと思っています)、最終的に「人生そのものを楽チンにする」ための必殺の奥義としてこの『許し』について語りますので、それまでどうかお待ち下さい。

◆パートナーは『【愛】の練習相手』として最適な相手だ

 今は……そうですね、知識として

「相手の行動を許すと自分が楽になる

ことがある、ということを「知っておく」くらいにとどめておいてください。

 前にも書いたけど、今の段階で何かを「イヤだ」と考えてしまうのは、とても自然なことです。それそのものを否定すると、今度は自分自身を否定してしまうことになります。こんなことをすると、モトが増えません。だから、自分が浮気やほかの何かを「イヤなことと受け止めてしまう」ことそのものは一旦自分で受け入れてください。

 恋愛や結婚生活において重要なのは「カップルとして長続きすること」だと思うんです。
 そのためには「浮気を許さないでおく」ことも必要だったりします。確かに最後には「浮気すら許せる」ほどの【愛】で結ばれるのが理想なのですが(愛とはモトの量でしたね)、もともと「別々の環境で育った他人同士、しかも性別が違う(事が多い)」という二人なので、こういう「固い愛の絆」を育てるのは時間がかかるもんです。それこそ何十年も。

 こういうカップルを目指したいなら、まずは

・恋とは何か?
・愛とは何か?

ということをきちんと理解して、そこから「愛につながっていく行動」を取り出して、実践していくしか道がないのかもしれません。

 パートナーとは、そういう具体的な「【愛】の練習相手」として、お互いにとても最適な相手のはずです。ぜひ大切にして下さい。

◆一人で苦しまないで

 気をつけなければいけないのは、カップルのうちの一人だけが一生懸命【愛】を目指してもダメだということです。

 なぜなら、人は特に何も考えていない状態だと

「一番目のモトあつめ(奪うモトあつめ)」

をやろうとするからです。パートナーを許して愛を目指そう! とするなら、二人で同時に始めてください。でないと「一方的なモトの強奪」の被害に遭い続けることになったりします。

 初級編でも書きましたが、暴力や暴言をふるってくるパートナーからは、すぐに逃げてください。あなただけが【愛】を目指しても、相手に簡単には伝わりません(【愛】は理論だからです、難しいんです)。パートナーシップを長く続けるためには「二人の努力」が欠かせないんです。一人ではダメなんです。


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 愛は理屈じゃない、と言われますが……【モト】という新しい概念があると、愛を『理屈で目指す』ことができます。どうぞお幸せに!!

 ではいよいよ次回で恋愛編を終わろうと思います。


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「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)