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田んぼ(休耕田)を畑にする方法

水はけをよくする

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一にも二にも重要なのが水はけの良さを確保することである。まず、可能な限り水はけの良い休耕田を借りる。雨が降った後の水溜りの少なさや、土の乾くスピードの速いところが良い。

次に水路を深く掘り直し、水路の岸を補強する。水は低いところに流れるので、水路の深さを圃場の中で一番低くすることが必要である。

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水路の幅が狭かったり、浅かったり、岸が崩れていたりすると、そこから圃場に水が入ったり浸みてくる原因となる。まずこれを解消する。

額縁明渠をつくる

圃場の全面耕運をする。

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つぎに圃場の外周に一段低い通路を作る。これは雨が降ったときの水の逃げ場=水路にもなる。畝を作る箇所より一段低いことにより、水はそこに流れていく。

暗渠=地下に設けた水路。ほとんどの田んぼに整備されている。に対して、額縁明渠=圃場の周囲に額縁状に設けた水路という。

段差は10センチほどはあった方がいい。(圃場の水はけ状況により、深さは調整する。)また、通路を兼ねているので、耕運機やトラックなど入るのであれば幅は調整する。

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管理機の畝立て設定で土を撒きあげ、仕上げには三角ホーやシャベルで掘った。また、額縁明渠の水が流れやすいように手前側から向こう側に向かって深くなるように高さを調整し傾斜をつけている。(↑上画像)

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水路をしっかり整備して、額縁明渠を整備し、畝を高くすれば、ここまでで良いだろう。水はけの悪い圃場の場合や、さらに念を入れたい場合は、さらに通路を同じ要領で何箇所か作る。

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撒いてある白い粉は苦土石灰、酸性の土壌改良のため施用。(田んぼだった圃場は酸性ぎみのことが多いため、野菜栽培に適した中性の土壌に調整するために施用。マグネシウム・カルシウムなどミネラル分の補充効果もある。)

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下の圃場も同じように整備した。こちらは額縁明渠と大きな通路一本をつくった。

田んぼや休耕田を畑に転換するには、水はけをとにかくよくすることが最優先である。水は低いところへ流れていく。圃場の水の溜まりやすい箇所や周囲に流れている川や水路などの水を逃す箇所を把握して、水の流れを調整することである。

まとめると、

① 可能な限り水はけの良い田んぼを借りる。

② 水路を整備する。一番低くなるように。

③ 額縁明渠と通路をつくる。畝を作る場所より一段低く水路よりは高くなるように。また、通路の水の流れる方向に傾斜をつくる。

こうすると、圃場に降った雨水は、畝から畝間に浸み出し、通路と額縁明渠を通じて、水路に流れ出ていく。高いところから低いところへ順次流れてゆく。天気によっては、その途中で蒸発して乾いてしまう。

また畑や家庭菜園の水はけの悪い圃場でも応用できると思う。

圃場の水の流れを観察し、水の流れを調整することが、最初に重要である。

例外もある。田んぼであった場所でも、日当たりがよく、暗渠排水が効き過ぎる場合は、逆に圃場全体の保水性を確保するために、畝のみでもよいだろう。

全面耕運時に石など出てきたら、ついでに大きな石から可能なかぎり取り除いておこう。



春作の土づくり

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