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猫は頭痛に効くか否か


 その日も頭が痛かった。中学生の時から偏頭痛と緊張性頭痛と肩を組んで生きている。ちくしょうめが。
 今読んでいる小説、3つの願いを叶える魔のアイテムに翻弄される家族のお話が出てきた。私は「頭痛のない生活を送りたい」と願うだろう。

 カフェで読書ではなく、猫カフェに行こう。猫を浴びたら頭痛が消え去るかもしれない。値は張るけど、生きたもふもふに囲まれる幸せは本来プライスレス‥‥‥さあ行こう。
 猫たちは夏を前にそわそわしているみたいだった。寝ている子、走ってる子、寝ている子のお尻を噛む子、よりによって天井のキャットウォークで喧嘩をし出す子。猫たちよ、静まりたまえと両手を広げてみても、どの子もやって来ない。当たり前である。

 どの猫カフェにも、ひとりは必ず「常連のおじさん」がいると私は思っている。吉祥寺の猫カフェにも、千葉駅近くの猫カフェにも、私が愛する千葉県東金市の猫カフェにも、「常連のおじさん」がいた。上野の猫カフェにも、ひざかけを広げて定位置にひっそりと座り猫とラブラブの常連おじさんがいた。
 おやつなど持っていなくても、常に2匹ほど彼の傍でくっついて寝ている。可愛がられている猫を見るのが好きだ。抱っこされている猫の「うきゅ~」って顔が好きだ。ありがとう、常連おじさん。猫の可愛い顔を引き出してくれて。

 こっそりおじさんの真似をして、上着をひざ掛け代わりにしてみる。すると、上着のはしっこがえらくお気に召した猫が現れた。ずっと走っていた暴れん坊の猫さんだ。寝転んで上着をけりけりする猫の背を撫でる。なんだこら!と手にもじゃれつかれた。かわいい!!いててッいててて、かわいい!!!

 猫カフェの猫さんはちゃんと管理されているから、野良猫のように膝に乗っただけで爪がぶすぶす太ももに刺さって来るようなことは無い。容赦なく手にじゃれついてきた暴れん坊も、親指の付け根に2ミリの浅い傷を残しただけで終わった。数日経った今も、その傷を見返して恍惚とするほどには、私は猫が好きだ。

 生きものは眠っている時、眠い時、体が暖かくなるようにできているのだろうか?眠っている猫と起きている猫の暖かさの違いを比べて過ごす。あ、ずっと寝ていたけど起きたんですね、ふわふわあったか。あなたが一番暖かい。猫の平熱は37、8度らしい、人間にとっての高熱が猫の常なのだ。君たちは暖かい。くっついて眠って、更に暖かい。

 かわいい!!とはしゃいでいる間は頭痛が気にならなかった。ふわふわを手のひらで感じている間は、幸せで身体の力が抜けて、頭のこわばりも緩む。猫は頭痛に効くことが証明された。

 猫と暮らしたら頭痛も無くなるのかな。今日かここまで。

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