映画を観ました:アステロイド・シティ
いつ公開だったのか。すぐに観に行っていれば、1日1回午前中の上映だけなんてことにはなっていなかっただろう。まだ体調が本調子と言えない私を気遣って、母が車で行こうと言ってくれた。
〜あらすじ〜
ウェス・アンダーソン監督の新作『アステロイド・シティ』。容赦なく太陽が照り付ける砂漠で行われた、子供たちの科学大会。未成年の秀才たちとその親、見学学習のおチビ達、なんかいるカウボーイ。皆で夜、星空を見上げていたら、何かが地上に降りて来た。
わぱー!っと口を開けてる間に終わっちゃった。スピード感と文学的難解要素に溢れた走馬灯のような映画だった。字幕を読みながら俳優の表情にも集中する、これまで全く難しくなかった行為が困難なシーンがいくつかあった。はやいはやい、まってまって。
登場人物のキャラクターは濃く、「ああこの人、こういう人なんだね」という表し方がポップで分かりやすいのに、ふと物語の核心に迫る長台詞が油断した心を刺してくる。緩急が面白かった。
トムハンクスがいる!予告を見た時、鮮やかなレモンイエローの髪をした彼を見て「あらやだ」と思った(改めて見たら白髪がポップな色調を照り返してレモンイエローに見えているだけだった)。改めて、トムハンクスって素敵。表情が常に生きている。演じようと、己を殺し別人になり替わろうと苦心する役者の顔に見えない。
ぽわぽわしてたな。もう一度観たい。その前に、別のウェス・アンダーソン作品も観たい。どれにしようかな、どうしてもフレンチ・ディスパッチばっかり観たくなっちゃうな。この人の映画は、詩的であることに正しく前向きにさせてくれるから好きだ。
ただ画面が幻想的で楽しく美しいだけじゃない。胸にじんわり響く台詞が多い。まだ私は監督のメッセージを肌で感じることしかできない。もっと人生に時が経って酸いも甘いもわかってきたら、言葉として受け取れるかもしれないと思っている。
近くのプラネタリウム行きたいな。遠くの特別なところじゃなくて、近くのプラネタリウム。
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