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適応障害で休職した時のことを、数年越しに思い返す

適応障害を発症してそのまま体調も崩し、休職していた時のことを毎年その季節がやってくると思い出す。

自分の気持ちの整理の意味を込めて、数年越しになってしまったが思い出せることを書き記しておきたい。



休職していた間は、冷静な心で今思い出してみてもとても苦しかった。
休むための期間であれど時間ができてしまうので、1人で考える時間もその分多くなる。
人によってさまざまかもしれないけど「心からゆっくりできた」と思えた日はほぼなかったと記憶している。


休職中、一体どんな考えに支配されていたか

書き出してみると、他人と比べてだったり、他人からどう思われるかだったりの気持ちが多い。

  • こんなになるまでなんで気づかなかったんだろう

  • 他の人はちゃんとできているのに、なぜ自分はこうなってしまったのか

  • いつまで休職しないといけないか、そもそも治るのだろうか

  • 突然休んで会社の人に迷惑をかけてしまった

  • このまま退職するか、復職するか

  • 退職した場合、休職したことは今後リスクになるのでは

  • 復職した場合も周りの目が怖い、お荷物だと思われないか

  • 休職中の会社とのやりとりがしんどい(様子の確認、手当の申請)

  • 金銭面・体調面・将来の不安

  • 周りを心配させてしまっている

  • 会う人に自分の今の状況を説明しなければいけないのがしんどい

  • 外出先でたまたま会社の人に会ってしまって何か思われないか

  • なにもしていない自分がしんどくてどんどん自信がなくなる

まだまだあった気もするけど、自分ではどうしようもできないことまでぐるぐるぐるぐるずっと考えていた。「考えないようにした方がいい」「大丈夫、きっとよくなる」「ゆっくり休んで」と思ったり友人に言われたりしたけれども、それはなかなか難しいことだった。

完全に考えるのをやめるのはできないけど、そこから離れることはできる。無理に向き合おうとせずに離れることも一つの選択。
休職開始からしばらくして、だんだんとそう思えるようになった。


休職期間中に考えから離れる手段になったこと、やってよかったかもと思ったこと

このいくつかは、現在も「あ、ちょっと悪い方向に心が支配されそう…」という時に実践している。絶対効く保証はないけど、自分の不調に対処するための手段をいくつか持てていることはとても心強く感じている。


長時間の散歩

家にこもっていると全然動かないので、体が疲れないのか夜の寝つきが良くない(頭はばちばちに考え疲れている)。
いきなり筋トレ!運動!は精神的にまだ気持ちがついていかなかったので、 散歩からスタートさせた。

散歩コースに自然を感じられるポイントがあると自分にとってはよかった。頻繁にそこを通るので動植物のささいな変化が感じられ、今まで忘れていた季節の変化を見つけることができて心がとても和らいだ。季節の移り変わりを実感するので焦りが出そうではあるけど、不思議と気にならなかった。

身体を動かすと寝つきもよかったし、歩いている間はなんとなく不安な
気持ちに支配されていなかったように感じる。

可能性はめちゃくちゃ低いのに、会社の人に会うことに極度の恐れを感じていたので、少しでも安心したくて仕事中の人が多い日中の昼間を選んで外に出ていた。散歩と関係ないけど、今まで働いていた平日がストレスで、土日で他の人も休みだと安心していました。


スパイスカレー作り

使うスパイスも具材も無限の組み合わせ。
それを調べたり考えて、手と頭を動かしながら料理をするのはとても面白かった。あと個人的に体調が悪いとなんか自然にカレーを食べたくなります。

最初はレシピ通り進めてみて、慣れてきたら自分の好きな具材やスパイスの配合を変えてアレンジしていくのがおすすめ。

料理を作り上げる達成感もあるし、カレーが成功した時は特に嬉しい。

材料を刻んで、炒めて、煮込む。
料理中は料理に集中して他のことを考えずに済むので、現在の自分にとっても料理で気分転換はとても大切なものになっている。

ただ、私は休職初期はお腹の調子が絶不調だったので、カレーは症状が落ち着いてきてから開始。他の料理でやってみてもいいのかもしれない。


映画を見る、本を読む

言ってしまえば、現実逃避の一つだったのかな。
見始める、読み始めると、自分が結構その作品の世界に没頭するタイプなので、それも良かったのかも。

金銭面でも不安を感じていたので、頻繁に映画館にはいけず…
部屋を暗くするなど、映画に集中できる環境づくりを大切にしていました。

本の方はいい意味で何も考えなくていい漫画を読むことも多かった。
1日数話が無料で読めるアプリや漫画のサイトにとてもお世話になりました。

この頃は、まだ休職した自分と向き合うのが怖かったのだと思う。
最近少し前から、同じく休職を経験した人と話をする機会があったり、休職や心理学に関する本を読むことがあり、とても心が穏やかになっている。
もっと早くできれば…とも一瞬感じたが、当時の自分にそこまでの余裕や勇気はなかった。
無理に色々詰め込みすぎず、できる範囲でできることをしていたのでその時はそれでよかったのだと思う。


自由に寝る、たくさん寝る

もともと寝つきはいい方ではないのだけど、休職前はとにかく夜寝られなくて…。「寝たいのに眠れない」のがかなり大きなストレスだった。

主治医の先生に言われた、「今は休職期間中で、何時に寝て何時に起きてもいいのだから、眠れない時に寝ようとせず、眠いと思ったら寝てください。」という言葉でかなり気持ちが楽になった。そして目が覚めるまで寝る。
「眠れない、やばい」という気持ちがどんどん薄れていった。

昼夜逆転に一時的になったような気もするけど、朝起きて夜寝るにどうやって調整していったかが全く覚えていない…

個人の症状や、かかりつけの先生によって異なると思うので、あくまで私にとってはこれが合っていたという趣旨でこちらについてはご紹介させてください。


合わないと思う人から離れる

これは休職中だけでなく、今でも意識している。
最初に羅列した「休職の時に考えていたこと」でもわかるように、自分はとにかく他人の目を気にする性格。心無いことを言われても表面上は気にしないふりをして付き合いを続けたり。

自分の気持ちを悪い意味でざわつかせる人とは距離をおく。
付き合いが全くなくなった人もいるけど、むしろ気持ちは超絶楽になった。

孤独を選ぶとか、いつも自分の味方でいてくれる人と付き合うという意味ではなく、個人対個人で尊重し合える関係性かというところを考えました。
付き合いが長かった人の中には、ここに至るまでの気持ちがどんどん沸いて出て爆発して冷静に言えなかったことも…。むしろそこまで我慢していたんだなと。



ここまで書き連ねたように色々なことをしていたけれども、最終的には焦り、不安の気持ちから元の職場に復帰。気持ち的にはめちゃくちゃに無理をしての復帰だったなと感じる。

ただ、こうして振り返ってみると「治す」ではなく、自分を苦しめているものから「離れよう」という考えの方が中心になっていったのが自分にとってはよかったのかもしれない。


適応障害で休職をしたという事実、選択は自分にとっていまだによかったのか、悪かったのかわからない。
そこに直面するまでの状態には絶対にならない方がよかったけど、誰にでもなる可能性は十分にある。なったことでしんどい思いもしたし、他人から嫌なことを言われたし、正直こんな思いはもうしたくない。
でも、なったことでわかったことや感じたことは、ネガティブなこと以外でも本当にたくさんあった。

この先も白黒つけるつもりは全くないし、そもそもそんな必要ないと思っている。適応障害になる前までに戻りたい、元の自分になりたいとも思わないし、逆にこの経験から新しい自分に生まれ変わりたいとも思わない。

自分に起こったことを否定せず、自分の中の一つとして自然に受け入れて生活していくこと、自分を大切にすることだけは忘れないでいたい。

この言葉は知ってからずっと私の心の中にある。
いきなり完璧に踊るのは難しい。自分が楽しく踊れることを少しずつ、少しずつ、立ち止まったり引き返しながらでも知っていきたい。









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